リュウト視点 VS冥界龍(2)
あれから、冥界龍が尻尾や腕でリュウトに攻撃し、それをリュウトが防いだり受け流したりしていた。それは目で追える速度ではなかった。
『ぐぬぬ、まだ耐えるか!?人間!!』
「冥界龍殿の本気はこの程度なのです?」
冥界龍はリュウトに馬鹿にされ、
『そこまで言うのなら見せてやろう!我輩の本気を!!』
そう言うと攻撃をやめた。
リュウトと冥界龍は地面に降り立った。
『後悔するなよ?人間。』
冥界龍の眼が虹色に光った。
すると冥界龍の体が変形していった。
「ほぉ…」
リュウトはそれを見守る。
そして、冥界龍の変化が収まるとそこには。
『我輩にこの姿を拝めるのはお前が最初で最後だ…!!とくと味わうといい!』
全長60メートルを超える虹色のドラゴンだった。
「…それが冥界龍殿の本気かな?」
リュウトが問う。
『そうだ!我輩の本気の姿だ!貴様はいたぶって殺してやる!』
冥界龍の姿がブレた。
リュウトは吹っ飛んだ。
「ガハッ、」
冥界龍がリュウトに突進したのだ。
『反応出来なかったか。人間。』
その言葉を無視してリュウトは立つ。
「久しぶりに本気を出せそうだ。」
そう言いリュウトは剣を鞘に入れた。
『む?降伏か?』
リュウトは鞘に入れた剣を持ち…
「剣気…開放…」
と、呟いた。
呟いた瞬間リュウトから突風が放たれた。
そして、地面を蹴り…冥界龍に近づいた。
だが、
『見えておるわ!』
『神龍眼』に変わった冥界龍の眼はリュウトの動きを捉えていた。
『無駄な真似を!!』
冥界龍は尻尾を振るう。
そして血が舞った。
しかし…血が出ていたのはリュウトではなく…失くなった冥界龍の尻尾だった。
『!!??何が起こったぁぁぁぁぁ!?』
冥界龍の尻尾はリュウトに切り落とされていた。
そしてこの隙が命取りとなった。
「剣気術『真・鎌鼬』」
リュウトが先程放った『鎌鼬』よりも遥かにデカイそれは、寸分違わずに冥界龍の首を刎ねた。
「さらばだ冥界龍よ。」
断末魔を上げることなく冥界龍は死んだ。
リュウトは冥界龍に圧勝したのだ。
帰還した俺は、冥界龍の鱗と角を提出し、依頼を達成した。
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