カイラ視点

「はっはっはははは!ようやくあの無能を追い出せたな!」


「これで私達のランクも実力もAランクね。やっとだわ。」


「あの無能がいなくなってくれて精々します。」


「ん。邪魔だった。」


カイラたちのパーティーは、テツトを追い出し祝杯を上げていた。


(へへっ。あいつが消えたことにより、ランクも上がり足手まといも消える…更に、俺様のハーレムパーティーの完成だぁ!やっぱり俺って天才だ!)


カイラはとにかく下衆いのだ。

パーティーメンバーの女子は全員、カイラに恋をしていた。

更に一人一人が絶世の美女と言われるほどに整っているのだ。


「おいおい、聞いたか?あの、絶対に勝てないテツトがギルマスを瞬殺だってよ…」


「聞いたぜそれ。デビルベアーを一人で狩ってきてギルマスを瞬殺なんてEランクの所業じゃねえだろ…。」


「今はCランクに上がったらしいぜ。」


「そりゃ、そうだろ。Bランク最強の魔獣を倒した挙句にギルマスも瞬殺。ヤバえよな。」


は?あのテツトがか?別人か?だが絶対に勝てないテツトと言っていたぞ。


「どういう事でしょうか?あの無能がデビルベアーを一人で討伐出来るわけ無いでしょう?私たちですら不可能なのに。」


ルミアの言うとおりだ。俺達ですら無理なんだぞ?どういうことなんだ?あの無能がデビルベアーを?更にギルマスも瞬殺だと?出来るわけがないだろ。


「おい、お前ら。話を聞かせろ。」


俺は話していた男たちに話を聞きに行った。


「ああ、カイラか。テツトを首にしたらしいな。あいつホントはめちゃめちゃ強いぞ。」


「だからそのことについて話を聞かせろ。」


そして俺は全てを聞いた。

簡潔に言うと、デビルベアーを持ってきて自分が狩ったと言った。不正を疑われギルマスと決闘。そして瞬殺。Cランクに昇格。だと?


「そんなことあの無能が出来るわけないです。」


「……んまぁ、あいつを追い出したのは間違いだったな。」


「!!なんだと!?」


「ちょっ!流石にそれはやばいって!」


殴りかかろうとした俺を、イリスが止めてくれた。


「ちっ!行くぞ。」


あいつのことはもう考えねぇ。どうせ全部嘘情報だろ。

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