第2話 使い方変えたら負けないじゃん
突然だが俺、テツトは今さっき冒険者パーティーを首になったばっかりだ。
リーダーのカイラ…
魔法使いのイリス…
義妹のルミア…
回復術士のシエラ…
みんな…俺のことを騙していたのか…
そして俺は自暴自棄になり、ここら辺で一番危険だと言われている魔の森アゲイルに走って行った。
「はぁ、はぁ、」
久しぶりにこんなに走った…
そういやステータスなんか長年確認していなかったな…絶対に勝てないし…
(ステータス)
そう唱えると、目の前に半透明の板が出てきた。
──ステータス──
・テツト 17
レベル 12
スキル 絶対に勝てない
称号 絶対に勝てないもの
相変わらずレベルが低いな…
パーティーのみんなはもう40超えてたっけな。
そして、スキルを見る限りわかると思うが俺は絶対に勝てないのだ。
絶対に勝てない:自分が勝ちだと認識している方法で絶対に勝てなくなる。
とのこと。
マジでなんなんだよこのスキル。
認識しているとその方法で勝てないってどういうことだよ!
ん?待てよ。
「負けたら勝ち」だと認識していたらどうなる?負けることが勝利の条件になるのなら、勝つことが敗北の条件になるのではないだろうか?いやもう、負けないんじゃないだろうか?
「…試してみよう。」
と言うわけで今現在、めっちゃデカイ熊…デビルベアーと対峙しています。めちゃめちゃ怖いです。はい。
「よし…来い!」
(負けるが勝ちぃ〜負けるが勝ちぃ〜負けるが勝ちぃ〜…)
『ぐるぁぁぁ!』
デビルベアーは爪を俺に振りかぶってきた。
反射的に目を瞑る。
そして、デビルベアーの爪は俺を引き裂いて……いない。
いつまで経っても衝撃がない俺は目を開けデビルベアーを見てみた。
「まじかよ…」
デビルベアーは吹っ飛んでいた。
「し、死んでんのかな?」
そろ〜、と触る。
し、死んでる!俺が倒しんだ!
「まじで成功するとは思っていなかったのだが…」
嬉しい!!
『レベルが上がりました。』
『レベルが上がりました。』
『レベルが…………
おぉ!結構レベル上がったんじゃないのか!?
ステータス
──ステータス──
・テツト 17
レベル 16
スキル 絶対に勝てない
称号 絶対に勝てないもの 理不尽を打ち破りし者
新しい称号か?
理不尽を打ち破りし者:理不尽を打ち破りし者にのみ与えられる称号
ほぉ。絶対に勝てないのに勝ったからか。
よし、捌いてギルドに行くか!
てか、よく考えたらレベル上がっても絶対に勝つから意味なくね?
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