音子ちゃんの聖誕祭

琉水 魅希

第1話 おバカなプレゼント

 

 宮田家の性的におバカな日常は相変わらずである。


 音子が19歳になった6月に双子の兄妹を出産、それぞれ真優まゆ真音まのんと名付けた。

 子供達はまだ3ヶ月。子育てをしながら兄から調教され、光恵と苺を調教する中々のタフネスぶりだ。


 そんな爛れた性生活も今日一日はお休みである。

 9月29日は宮田音子の聖誕日であった。


 奴隷として真志と音子に仕えている光恵と苺は、ご主人様を祝うためのプレゼントを持って跪いていた。


 

 「音子様、誕生日おめでとうございます。」

 苺が花束を渡す。ポーチュランカ、リンゴ、ツンベルギアの花束は全て9月29日の誕生花である。

 それぞれ花言葉は……ポーチュランカは「いつも元気」、リンゴは「優先」「好み」「選択」、ツンベルギアは「黒い瞳」「美しい瞳」である。


 どことなく音子らしい花言葉といえる。

 音子の綺麗な黒髪と黒い瞳は、静止画として見ればとても可愛く繊細で、お人形さんのようでもある。


 苺が一つ残念がっていたのは、苺の花は開花時期が半年程ずれているため、自分の名前にちなんだ苺の花を混ぜる事が出来なかった事だった。


 しかしこれら3種の花は苺が自分の時間を使って育てていた正真正銘手作りのプレゼントである。

 愛を込めてじっくりと……

 冒涜と取られようとも、苺は自分の愛情愛液を混ぜて生育させていた。


 音子がその事実を知るかはわからない。

 


 「ご主人様、誕生日おめでとうございます。」

 光恵がプレゼントの入った箱を手渡す。

 その中身は空けてみてのお楽しみである。決して下品なものが入っているという事実はない。

 真志とのプレイに使えるグッズとだけ言えば、それは大人の玩具の類だという事は伝わるだろう。


 そして二人は許可を得たうえで立ち上がり、一度立ち去ると部屋の奥から一つ大きな箱を二人で押して持ってくる。

 重たいのか、箱の下にはローラーがついていた。


 「音子様、我々一同からの最高のプレゼントでございます。」

 「今日一日が特別な日でありますように。」


 大きな箱にはラッピング舗装がされている。

 ピンク色のリボンは可愛らしさを表しており、白い箱は清純(笑)を示していた。


 音子がピンク色のリボンのラッピングを引っ張る。

 すると箱は自動的に開放される。コントの箱のように。


 そして箱の中から現れたのは、身体の至る所にケーキのスポンジや生クリーム、トッピングの苺や栗を全裸にそのまま塗し、頭には顎からピンク色のテープでラッピングされた真志だった。


 股間にはスポンジと生クリームと栗、胸にも生クリームと苺が乗っている。

 女体盛りならぬ男体盛りと言えば良いのか。

 貝殻水着に比べればどちらがいやらしいか。


 「お、おにい……ちゃん?」


 呆れた顔の音子。両手をだらんと下げ、脱力した顔で返答に困っていた。


 「誕生日おめでとう。音子、今日は音子が好きなだけお兄ちゃんを独占して良いんだぞ。」

 動けない真志は両手を広げた状態であり、「カモンッ」という感じで招こうとしていた。


 「あ、うん。」

 どんな変態プレイもこなしてきた音子ではあったけれど、兄のケーキラッピング姿だけは口をあんぐりとして呆然とするほかなかった。



 変態仮面と言えなくもない真志を、この後音子はケーキと一緒に美味しくいただきました。

 この日だけは、光恵も苺も邪魔にならないよう、子供達を預かり隙を見て百合プレイに勤しんでいた。


 1年後の誕生日は一体どのようなものになるか。

 誰も知りようもない。想像するだけ無駄である。


 もちろん、この後風呂に入り全員身体を清めた後、普通の誕生会のようなものは行われた。

 そこだけは普通の家庭に戻っていた。

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音子ちゃんの聖誕祭 琉水 魅希 @mikirun14

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