　この物語は、後に語られる英雄譚の、本当の始まり―――。

　決して語られることのない、ある若者たちの追憶―――。

　世界がマーディル暦で統一されて二千と三十三の月日が経った。

　その間にも歴史は大きく動いた。

　未来永劫続くだろうと称され、繁栄を極めた世界唯一の王権国家はあるときを境に衰退する。

　そして崩壊と同時に、新たに軍が政権を握り、統治を始めた。

　しかし、それを良しとしない王族を中心とした旧国家は軍と完全対立。

　当初、誰がどうみても有利なのは軍であると思っていた。

　が、王族は隠し持っていた過去の遺物兵器を生産し、それを用いて抵抗した。

　そのため、この戦争は五十年という長い年月も続いてしまった。

　しかし、それも最早過去の話。

　最終的には軍の勝利により、争いは終結。

　旧国家は軍に断罪、一掃されたことにより完全に消滅した。

　この内戦によって生じた爪跡は大きく、終戦から十八年経った今も完全に癒えてはいない。

　新生軍国となった世界は、一から再建を始めることとなった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい