第11話
「すまん、間違え――――いや、どうせいつか言う言葉だ。撤回はしない」
「あばばばばばば!?」
まさかの言葉に言語が多少おかしくなってしまうエミリ。かなり恥ずかしい発言をしたはずである暁斗だが、めちゃくちゃキリッ!とした顔をしている。
「エミリ、もう一度言おう。好きだ、結婚してくれ」
「――――きゅう」
「エミリ……?エミリっ!?」
そして、ついにエミリの脳はキャパオーバーしてしまい、幸せな感情に包まれたまま気絶するのであった。
(……参ったなこれ)
頬をぺちぺちと優しく叩きながらエミリの顔を見つめる暁斗。
(返事、貰ってない)
とりあえず、エミリの傍で本を読みながら時間を潰すことにした暁斗。夕日も既に消え去り、夜の帳が落ち始めた頃――――
「んっ」
暁斗の耳に、エミリの声が入る。本を閉じ、隣を見るとぱちぱちと瞬きを繰り返している。
「……あれ、私、なんで寝て――――」
「エミリ」
「――――あばばばば!?」
寝ていて一瞬記憶が飛んでいたようだが、暁斗の顔を見てバッチリ思い出し、一気に頬まで赤くなっていくエミリ。言語が飛んだ。
「大丈夫か?」
「だいじょ―――ばない!全然だいじょばないよアキト!」
顔を真っ赤にしながらそういうエミリ。
「そんな……いきなり結婚とか……私達、まだ学生だよ?」
「知ってる。だがどうせ口に出すセリフだ。今言っても別に構わんだろう」
「ひうっ!?」
今までに経験したことも無い言葉攻めにどんどん顔が真っ赤になっていくエミリ。そして、ついに我慢できなくなった暁斗は強行作戦に出た。
顔を隠すようにしている手を無理やり握り、思いっきり引き寄せ抱きしめる。そして、逃げさせないようにしっかりと腰に手を回し、顔を俯かせないようにおでことおでことくっつくかせた。
「エミリ。結婚するかしない。答えて」
「~~~~っっ!!」
どう足掻いても逃げることなんて許されない。少しでも動けばもう一度キスでもされそうな状況に、否応でも心臓が早鐘を打つ。
「……………………………し」
そしてついに、答えは出る。
「しま…………す――――んっ!?」
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あとちょっとだけ続くんじゃ。
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