第118話 エルメアーナの着替え リズディア版


 エルメアーナの部屋に入った、リズディアは、エルメアーナの衣装を見て、何やら思いついたようだ。


 リズディアは、思惑がある様子で、エルメアーナに近づいていくと、その様子を見たヒュェルリーンが、ガッカリする。


 そして、言っても仕方がないと思ったのか、ヤレヤレといった様子で、リズディアを見る。


(あー、あれ、絶対、リズの、悪い癖が出たわ)


 リズディアが、エルメアーナに歩み寄ると、エルメアーナは、何か、嫌な予感がしたのか、一歩下がった。


 そのエルメアーナが、後ろに下がった瞬間にリズディアが、間合いを一気に詰めて、満面の笑みをエルメアーナに向け、そして、両腕をしっかりと握って、逃げられないようにした。


「あ、あの」


 エルメアーナは、恐怖を感じたようだ。


「大丈夫よ。 着替えるだけだから」


 そう言うと、リズディアは、エルメアーナの作業着を脱がせに掛かった。


「えっ! あっ! ちょ、ま」


 リズディアは、慣れた手つきで、エルメアーナの後ろに回ると、脇から両手を回すと、胸元のボタンを外し、ズボンのベルトを外すと、ズボンの前を外す。


 そして、ズボンの中に入っていた上半身の作業着と下着を一気に捲り上げ、エルメアーナをバンザイさせるようにした。


 上半身の上着は、全部、脇の下まで捲れて、バンザイ状態にされる。


 上着は、エルメアーナの肘の上まで、裾が捲れ上がってしまったので、顔の前が完全に服で隠れた状態になる。


 すると、今度は、下を脱がし始めた。


「あ、え、なに?」


 エルメアーナが、あたふたしている間にズボンも脱がされ、足首まで下ろされてしまうと、下半身にくたびれた下着を付けて、ズボンは、足首まで、下ろされ、腕は、バンザイ状態で、顔が全く見えない状況になってしまっている。


 すると、今度は、上の万歳状態にしている服を脱がすと、その後に、足首をズボンから、引き抜いた。


 エルメアーナは、腰に着けた下着一枚に、剥かれてしまったのだ。


 ただ、エルメアーナは、突然の事で、びっくりしたため、自分の姿がどうなっているのか、認識するまで少し時間が掛かってしまった。


 慌てて、左手で胸を隠し、右手を前に出して、隠すようにするが、手だけで、自分の体は、覆い隠すことは出来ない。


 そんなエルメアーナを見ても、リズディアは、全く気にすることなく、その隠した両手を持つと、邪魔だと言わんばかりに、両手を体の前から退けると、下に下げさせた。


 エルメアーナは、直立不動の姿勢にされると、リズディアは、エルメアーナの周りを、グルリと回りながら、つま先から、頭のてっぺんまで、舐め回すように見る。


 すると、今度は、両手を左右に広げて、肩の高さにすると、また、確認をするように周りながら、全身を舐め回すように見る。


 回る時、腕が邪魔になるが、その腕の下まで、頭を下げると、脇の下から、腰までを、直近で確認していた。


 そして、エルメアーナの後ろに立つと、両手をエルメアーナの腰に添えると、腰の高さを確認する。


 そのリズディアの手が、徐々に上に上がり、脇腹を確認しつつ、下腹に手を回すと、その手を鳩尾まで、撫で上げる。


 エルメアーナは、くすぐったさと恥ずかしさもあったが、それ以上に、突然、リズディアが、体を触り出したことで、驚いて、声が出ず、そして固まってしまった。


 リズディアの手は、鳩尾から、脇腹の上の肋を確認すると、脇の下まで撫で上げる。


 そして、胸側の筋肉を確認すると、背中側に戻すと、今度は、肩から、首に手を撫で回した。


 首の周りも丁寧に撫で回すと、両腕に手を回して、広げていた手を下に下ろさせると、そのまま、手を前に回して、もう一度、下乳を持ち上げるように確認する。


「ああ、筋肉の上に乗った感じね。 冒険者の女性のように筋肉があるわ。 さすがは、鍛冶屋ってところかしら」


 リズディアは、独り言のように言うと、エルメアーナの胸の柔らかさを感じるようにもみだした。


 エルメアーナは、突然の事で、声も出せず、ただ、恥ずかしさから、顔を真っ赤にしていた。


「うん、大体、分かったわ。 でも、この下着は無いわね」


 エルメアーナの最後の1枚が、くたびれたものだったので、リズディアは、それも気になったようだ。


「ねえ、よそ行きの下着は持っている?」


 恥ずかしがっているエルメアーナに、リズディアは、質問した。


「あ、タンスの下から2段目に入っている」


 エルメアーナは、小さな声で恥ずかしそうに答える。


「ヒェル、タンスの下から2段目に入っている下着を確認して」


 ヒュェルリーンは、仕方なさそうにタンスを開けると、最初に目についた下着を取ると、それをリズディアに見えるように、両手で広げた。


「ああ、それでいいわ」


 リズディアは、そう言うと、エルメアーナの最後の1枚を一気に引き下げた。


「ひっ!」


 びっくりするが、エルメアーナは、体が動かない。


「ちょっと、足を上げて」


 エルメアーナは、言われるがまま、足を上げて、脱がされた下着を足も抜かれてしまい、一糸纏わぬ姿にされてしまった。


「ヒェル。 それをはかせてあげて」


 ヒュェルリーンは、仕方なさそうに、手に持っていた下着をエルメアーナにはかせた。


 その、はかされた下着を見て、リズディアは、納得したような表情をすると、最初は、エンジ色のフィルランカとお揃いの服を持ってきた。

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