第5話隼人の元に届いた1通の新着メール(5)

SNSに書き込んでから数日後、隼人のアカウントには様々なコメントが届き始めた。


その間も隼人は親父の書斎に侵入し、奥深くに鎮座するギャルゲーの数々を1本、また1本と拝借し攻略してはSNSに熱いパトスを打ち込む日常を過ごしていた。


隼人のアカウントに届くコメントは様々だった。

『その気持ち分かる!!!』

『師匠と呼ばせて下さい!!』

『貴方のおかげで朱莉ちゃんに出会えて感激してます!!』

『新しい俺…いや、本当の俺を見つけられた!!』

『通報しました。』

『変態ですか?』

『ぶひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』


隼人にとっては嬉しいコメントも沢山届き、やり取りをしていると仲良くなった人も多くいた。

ただ、意味不明なコメントも何割かは届いていたのも事実でもあった。


そんなコメントの中に目を引く物があった。


『幾つものヒロインを攻略し、その全てのヒロインの魅力を伝えてきた貴方はもはやギャルゲー界のエンペラーなのだと確信しました!!」


そのコメントがあれよあれよと言う間にSNSで広がり、『ギャルゲー界のエンペラー』という名誉ある?2つ名が隼人に贈られた。


それから夏休みも約半分を消化した頃に、隼人のノートパソコンに1通の新着メールがピコンと着信を知らせる音と共に届いた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る