第4話隼人の元に届いた1通の新着メール(4)
あれから数時間後、萌えちゃダメなんだからねッ!完全版のヒロインである朱莉の攻略を終えた隼人はもはや今までの隼人とは別人となっていた。
「…萌え……。萌え萌えーーーッ!!!」
声高らかに発狂する隼人は、もはや周りの目など気にする事はなかった。
「ふひひ…、朱莉ちゃん萌え萌え…。可愛い、優しい、尊い。何ていいヒロインなんだッ!!!」
拳を握りしめ、天をも穿つ勢いで右手を上げる。
「所々俺にだけ見せるあの笑顔……萌えぇぇぇーーッ!!!」
そして振り上げていた右手を胸の位置まで下ろし隼人は宣言する。
「守りたい…あの笑顔…」
側から見たらもはや変態の仲間入り。
しかし今の隼人にはそんな些細な事は気にしていない。
むしろ全世界に朱莉ちゃんの素晴らしさを広めたい、知って欲しいとまで感じている。
そして隼人はその思いを実行に移す。
そう全世界に広めるにはうってつけであるSNS。
これを利用する他はない。
隼人は即座に起動しているギャルゲーを一旦閉じ、自分の登録してあるSNSのアカウントを開くとすぐさま熱いパトスを書き連ねていく。
『萌えぇぇぇぇぇぇぇーーーッ♡♡♡!!朱莉ちゃん萌えぇぇぇぇーーーッ♡♡♡!!!いいか!!良く聞いてくれ世界中の者達よ!!朱莉ちゃんは至高だ!!天使だ!!!心のオアシスだ!!!朱莉ちゃんが誰なのか知らない奴は黙って萌えちゃダメなんだからねッ!完全版をプレイしろ!!そうすればきっと朱莉ちゃんの素晴らしさに気付く事だろう!!!あ、でも朱莉ちゃんは俺の嫁だから!!!これだけは宣言しておくから!!だからもし朱莉ちゃんは俺の嫁発言をした者は俺自ら裁きを下す!!以上!!!!」
勢いよくキーボードを打つ。
想いを、魂を込めてただひたすらキーボードを打つ。
この感情や邂逅出来た朱莉ちゃんへの愛情を1人でも多くの人達に伝わるようにと隼人はキーボードを打つ。
そして忘れてはならない事も打つ。
『朱莉ちゃんは俺の嫁発言をした者は俺自ら裁きを下す。』
これだけは隼人にとって譲れない事だからだ。
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