アタシの可愛いご主人様 6話 【見習い時代・エロ 】

 タスから告白を受け取るもソニアは相思相愛で嬉しいはずなのに受け入れることを拒絶してしまいました。あの日から過度なスキンシップは控えており、しかし二人は愛し合うには障害がありつつも惹かれあってはいるので仲は引き裂かれることもなく二人仲良く勉学に努めていました。ソニアはタスから魔力を扱う基礎を学んでゆき、彼女は特別な信仰も恩恵も持たない異世界人な為に種族特有のスキルを扱うにも魔力を扱う才能は欠かせない能力となっていました。そうして全身にしっかりと魔力を通わせる技術を学んでゆくと、ソニアの変化の才能がさらに向上してくれたのでした。


「どうかしら。タス様と同じくらいの少女にもなれたわよ」


「すごい進歩ですよ! やりましたね。あとはそれを長い時間維持できると完璧でしょうか」


身体を変化させる種族もいくつか存在しますがソニアの猫又の種族はチカラにより完全偽装ができる種族となり自らの成長の可能性を超えた変化すら可能とするチカラとなっていました。その代わりに偽装なので術が解けてしまえば元に戻るし、極めていなければ状態維持に余分な魔力などを必要とするのでした。ソニアが出身地にて土地神などのチカラを得ていたのなら、力を振るうのにも楽となり冒険者の加護のような強力なサポートとなるのでしたが、彼女は何一つ恩恵を得ていない異世界人なために自らのチカラだけで奇跡などを振るわなければいけないのでした。さらにタスのような彼女に力を授けたいとする冒険者でも、神の恩恵やそれらから得られてきたチカラにより異世界人を助けるにも制限があるために、タスがどんなに便利な加護をソニアに贈与したくても叶わないことなのでした。しかし奇跡的なチカラ自体は冒険者が異世界人に与えることは禁じられていますが、パートナー契約をしてモノとしての財産という形ならパートナーに贈与することは可能であり、もしソニアと一緒に旅をする未来があるのなら完全防具という形でタスはソニアに貴重なアイテムを沢山授けてしまい安全に旅の同行もできはします。ただし大切な人自体を護りたいなら、それが一度きりの人生となる異世界人のパートナーを危険な旅に連れ出すのはリスクが高いために、普通は安全なプラットフォームにパートナーを住まわせてしまい待機させておくのが無難なことでもありました。それでも通常の異世界人がプラットフォームに転居するには世界の情勢や金銭面などの負担も大きく、ソニアのようにゼロからスタートできる異世界人はまずいません。彼女は神の試練として派遣された冒険者により救われて支援される保護対象に含まれたことにより恵まれた環境に参加できたともいえたのでした。


 こうしてソニアは不幸の中でも恵まれた環境を与えられる幸運も手にしながら現在はタスという、彼女を慕ってくれる素敵な冒険者見習い少年との切ない恋物語を続けていたのでした。


「ちょっと・・・いきなり抱きつくなんて・・・いつから悪戯小僧になったの?」


「日向さんが可愛くてつい」


「もう、調子いいんだから・・・」


タスもソニアの煮え切らない態度に理由があることは理解できて、決定的な決め手を出すことは避けていました。それでもアピールだけは続けており、スケベな奉仕で振り回されていた時とは見違える程男前にアプローチをしていたのでした。しかしこれは自分に余裕があるタイミングでの攻めな為に受け手に回ればまた違うのでしょうが、ソニアが遠慮していることをいいことにタスは自由に動けてもいました。その上でソニアは心が揺れ動いているので歳上としての大人の余裕もなくなり、タスという少年に攻められて受け身になってしまうと愛らしい仕草をしてくれるのでした。


「うっ・・・あっ・・・」


(やっぱり。日向さんは押しに弱いみたいです)


「なんか余裕ぶってムカつくんですけど」


タスも人付き合いをしていけば異性を誘惑するためのアピールを知る機会もでてきました。今はソニアの瞳をじっと見つめて視線が合ったら優しく微笑んであげることをすると、ソニアは照れたように視線を外すのが最近になって判明したので子供扱いされていた反撃も含めて、タスは面白がって愛らしいソニアの反応を見ることが増えていたのでした。そんな甘酸っぱい青春を体験してこなかったソニアはどう反応していいものか分からずに、かといって以前のように逃避行することも悪いのでできなく、ただ幸せに身を任せるしかないのでした。


「最近は大人ぽくもなってきたんじゃない? 雰囲気作りも上手くなってきたわよ。でも見た目は変わらないけどね」


「やった。キスしたくなりましたか?」


「大人をからかわないの」


「本気なのにな・・・」


「大人にはいろいろと事情があるのよ」


「大人の恋愛は難しく考えすぎだと思います!」


「クスッ、かもね。でも、ごめんなさい・・・」


「いえ、ぼくの方こそ自分の気持ちばかりで・・・」


(どうして拒絶してしまうのかしら。この人なら・・・信じてもいいのかな・・・)


ソニアにもタスを受け入れてしまえば幸せになれるとは理解できていました。しかし一度最大の幸せを得てしまってから、そこから過去のようにまた闇の中に落ちてしまえば今度こそソニアは光を掴む希望さえ潰えてしまう。それならいっそ淡い光だけでも包まれているだけでも幸せになれる。そう彼女は自分に言い聞かせてタスとの曖昧な関係のまま思い出を積み重ねて、その小さな幸せの記憶だけで残りの人生を幸せに生きられると考えてもいたのでした。ただそれが切ない恋心としてソニア自身を苦しめてしまい、拒絶しても何度も立ち向かってくるタスの本気の気持ちにソニアも徐々に心が幸せな方に向かおうとしてくれていました。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ソニアはプラットフォームに使用人特典で格安に住まわせてもらっているので安全な世界で仕事ができていました。これはタスの使用人としての業務が終えてしまえば一区切りとなり、再度のマッチング次第ではソニアは新しい環境にて働くことになるのでした。そんな中でソニアはプラットフォームに行き交う冒険者やそれに関わる人を眺めることになり、中には恋仲になっている者を見ると切なくなり目を背けてしまうことがあるのでした。絶望の中にまだ居た頃は他人の幸せで自分の境遇を愁うほど心に余裕もありませんでした。しかし自由を得た今だからこそ心が不自由であることに苦しみ、ソニアは弱る自分の心を自覚しながらも改善できずにタスの求めに答えを出せずにいたのでした。


 タスはついに中間クラスに昇格して交遊の制限が緩んでくれたのでソニアが一時期求めていた肉体関係の一部が解放されていました。しかし純粋なタスの想いを無下にしてきたソニアにはもう己の欲望を愛する人に求めるのは申し訳ないとして、自ら身体を捧げる奉仕は行わないと決めていたのでした。そうしてタスも自分からはスケベなことを求めたことはないために、危うい主従関係は一切ないまま平穏な日常生活に戻っていました。それでもタスからは好き好きアピールが続いていたので、ソニアも本心を全て打ち明けたくて切なくなる一方でした。おまけにタスの欲望の解禁が重なってしまえば、彼からの求めなら肉体関係だけは応えるつもりでもいたのでソニアは期待が膨らんでしまい、いつ誘われるのかと待ち焦がれるあまり切なさがさらに増していたのでした。そうして今日もまたソニアは誘われないまま一人きりの夜を自室で過ごすことになり、最近の習慣になってしまった寂しさと切なさを埋めるための自慰をタスを想いながらしていたのでした。


「なんっ・・・で・・・こんなのおかしいのに・・・」


肉体を満たすだけの行為であればこれまで何度も経験してきたことでした。一人で宥める行為もタスを慕いだした頃にも彼を想いながらしていたこともあり、その時も身体も心も満たせた快楽をソニアは得ていました。しかし最近の彼女の自慰行為は今までとはまるで違い、タスとの愛の逃避行で夢見ることも畏れ多くてできなく、しかし彼を想う以外に方法はなくて行き着いたのが気持ちが交わらないままのセックスをしている二人で妄想をすることでした。まるで悲劇のヒロインに酔いしれるようにソニアは心が疲弊しながらも身体だけは強烈に満たされてしまい、一歩間違えれば中毒性がある快楽となっていました。それを何度も重ねてしまえば心が疲弊して壊れることもあるのにソニアは寂しくてどうしても自慰の回数が増えてゆくのでした。それはまるで呪いで催淫効果が再度現れたかのように、ソニアの意思だけではやめることができずにいたのでした。


「タス様としたいの・・・好きですと伝えたい・・・愛していると囁かれてキスしたい・・・」


「隠してごめんなさい・・・弱い娘でごめんなさい・・・ひうっっっ♡♡♡」


そうしてソニアは快楽の涙を流したあとに情けない自分の姿に後悔しながら、どうしてこうなってしまったのだろうと悲しくなり涙を流すという苦しすぎる自慰を繰り返すようになっていたのでした。


「こんなことしていたら壊れちゃうのに・・・やだ・・・タス様、優しくしてください・・・乱暴なのは・・・」


するとソニアは一度では物足りないとまた激しく性器を弄り出してしまう。本当は優しい彼を想像して実際に受け取りたいのに、それを受け取ってしまうと戻れなくなってしまうから妄想の中の想い人も乱暴な行為で自分の身体だけを求めようとしていました。ソニアは自己判断ではギリギリに耐えているとしていましたが、すでに彼女の心は壊れ始めていたのかもしれなく、それがついに日常生活にも支障をきたそうとしていたのでした。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 タスは中間クラスになりさらに険しい戦闘訓練が始まっていました。より強力な魔物との交戦もあれば最下層の地龍から集団戦なら中間層の竜種とも交戦が始まるのが中間クラスでもありました。そうしてタスは魔法でも修繕できないくらいに使い古されてボロボロになった戦闘服をソニアに預けて手作業での修繕を依頼したのでした。


「この服もボロボロじゃない。これ以上はアタシにも修繕できないわよ。捨てなさい!」


「中間クラスになって初めて竜種を狩れた時に着ていた思い出の服なんです! 捨てるのはもう少しあとでも・・・」


「そうやってボロ布を記念ごとに集めていたら部屋中ボロ雑巾まみれになるのがオチよ!」


「ひどい・・・一つでも多く日向さんと二人で頑張ってきた思い出の品を残しておきたかったのに・・・」


「う・・・そこでアタシを引き合いにするのはズルくない?」


タスも使い捨てにする装備は沢山ありましたが、ソニアに見立ててもらいカッコよくキマッテいたお気に入りの戦闘服であったので、タスは使い古した今でも記念品として残しておこうとしましたが、タスの備品に執着がなかったソニアは捨てることを打診してしまいました。そうして意見が対立するもタスが特別なソニアとの思い出だからと口にしてしまえば、ソニアには強行策などとれもせず主人の望みを叶えるしかなくなるのでした。


「事実ですから。この服も日向さんが裁縫してくれたからずっと着てこれた愛着がある服ですし」


「わかった。わかりました! これだけは捨てないでいてあげます」


(もう・・・なんでこんなにアタシを好きでいてくれるの・・・)


ソニアのまがままでタスとの曖昧な関係が続いていました。ソニアも応える気がないのなら改めてタスの告白を受け取れないとはっきりと伝えてしまえばいいのに、希望がまだあるように曖昧な返答ばかりをしていました。だからこそタスはめげずにアタックを続けていたのですが、それがソニアには嬉しくも切なくて、また今夜にでも身体を宥めることで一時の快楽で現実逃避をしてしまうことになるのかもしれなかった。

――

――

――


「タス様〜、戻ってきませんよね〜」


(今日だけなのでごめんなさい・・・)


 ソニアはタスが外出したのを確認してからも入念に探りを入れてから寝室へと足を向かわせました。そうして慕う主人の残り香を堪能するためにベッドに寝転がってしまう。ソニアはこれまでタスの寝顔でこっそりなんて冗談を考えてもいましたが、使用人業務を逸脱した行為が判明してしまえば罰則があるだけに怖くて当然ありえない行為はしようとは思いませんでした。そもそも制約が厳しい使用人なら不埒な行為を行うこと自体ができずにいるのですが、ソニアはタスの善意で制約が最低限になる自由が得られてもいたので、最近の自業自得のストレスを思いっきり発散したくなり、証拠は一切残さないことを前提にタスの寝室のベッドを借りて、主人が知恵の泉に一人で勉強をしに行った隙を見てこっそりと一人で楽しむ危うい遊戯をしてしまうのでした。これも世話主と恋愛と肉体関係を可能とする自由が与えられた上で、一人で下準備をして主人を待つも良く、一人で宥めるだけで終えても良く。どちらでも可能な自由を得ていたからこその愚行であり、もし証拠隠滅に失敗してタスに感づかれても彼がソニアを咎めなければ問題にはならない。しかしそうまでしても世話主の職場で世話主に内緒で一人遊びをしてしまうくらいに理性が緩んでしまうのは、ソニアも心がおかしな方向で歪んでいたからであった。


「このベッドでご主人様とセックスがしたいです・・・アッ♡ アンッ♡ いけません、今日は私が上でご奉仕をする予定でしたのに・・・ご主人様はお疲れでしょうから私が動きますね・・・」


職場に大人の玩具を持ち込むわけにもいかずに、ソニアは初めて衝動的に理性が崩壊して愛しい人の香りだけでも楽しみながら快楽を貪り始めてしまった。初めはバレてしまう恐怖と葛藤しながらの静かな行為でありましたが、タスが出て行ったまま帰ってこないことをいいことに一つ一つと理性が失い、最後には部屋での仕事着となるメイド服すら脱ぎ捨ててしまい全裸になって妄想を楽しもうと声に出しながら興奮を高めてしまい、ベッドのシーツを濡らしてゆくのでした。この後は最後まで身体を満たし終えてからベッドメイキングをすれば証拠は残らない。ただ罪悪感は残されるかもしれませんが、タスの意思次第ではソニアもこの部屋で全裸になり肉体関係を結ぶ可能性もあるだけに、これは準備運動みたいなものだと開き直りながら自慰に夢中となっていたのでした。


「ご主人様、あっ・・・イク・・・イッてしまいます♡ 申し訳ございません。私の方が先に・・・♡♡♡」


そんな彼女の妄想は近い未来にありそうな主従関係によるセックスであり、タスの部屋という環境で気持ちが昂ったこともあり寂しい関係を妄想とはせずに、この時だけは愛し合う主人との濃厚なラブシーンを想像してしまい心がフワリと軽くなった心地よい快感の中に取り込まれていたのでした。


「タス様、愛しています! もうだめ・・・いっちゃ・・・♡♡♡」


「ただいま戻りました」


「へっ!?♡♡♡」


「日向さん!? どうされたのですか! どこに居るのですか!!」


「やだ・・・待って・・・来ちゃだめ!」


指を激しく動かしながら最後の瞬間のタイミングを測っていた瞬間。部屋に物音が響いてきて、それが間違いなく状況から部屋主が帰宅したことをソニアは感付きました。タスが外出してから戻るには早く、なにか不都合な事態があったのかもしれませんが自慰の終盤の最高のタイミングにてタスが帰ってきてしまったので、名残惜しいですがソニアは一目散に衣服をかき集めて身につけようと慌てていました。彼女は魔法が扱えないために換装魔法という便利な代物はなく手作業にて身支度をしなくてはならない。だからタスの気配を恐れながら必死で完璧なメイド姿に戻ろうとしていたのですが、ソニアの異常な空気を感じとって不安になったタスは一目散にソニアの様子を確認するために部屋を次々に確認していきました。


「日向さん! あっ・・・」


「うう・・・だめって言ったのに・・・」


そうして部屋数もろくにないために寝室へと向かう時間も僅かとなり、ソニアは急ぐもショーツすら片足しか入らずにドアが開いてしまい、申し訳程度に最後の悪あがきだと脱いだメイド服を抱えたまま半回転して艶のある尻をタスに向けた姿でベッドにうつ伏せとなり、片足にショーツを引っ掛けただけのほぼ全羅にて主人の帰りを準備しながら待つスケベなメイドになってしまったのでした。


(終わった・・・もう解雇待ったなしよ・・・)


「ごめんなさい・・・」


これもタスを信じられなかった自分への罰なのだろうとソニアは寛容なタスでも今度こそは解雇もありえると絶望しかけていました。とりあえずは身なりを整えてから粗相をしたことを謝罪しようと起きあがったところに、状況を察して退出してくれていたタスが険しい顔つきで戻ってきてしまいました。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 このまま悪夢に負けた自分を叱るために張り手をされるくらいのこともあってしかるべきだと、ソニアは黙って近づくタスの罰を受け入れるように静かに動向を見つめていました。元から素肌を晒すことには抵抗はないだけに、裸のままでの恥じらいは特になく我慢できずに使える主人の部屋にて自慰をしていたことの恥じらいはありますが、それ以上に自分の愚行を恥じて反省しなくてはならずに、身体の火照りもどんどん冷えてゆくばかりとなっていました。


(自分から終わらせてしまった・・・この人になんと謝ればいいのかしら・・・)


償いと終わりを予見してソニアは喉が一気に乾く程に恐怖と緊張をしていました。しかし険しかったタスの表情はソニアを前にしたことで一気に和らぎ、代わりにソニアが愛してやまなかった優しい微笑みに変わり、ソニアの不安を取り除くように優しい声色で語りかけてくれました。


「もう限界です。ぼくは貴方が欲しい」


「うむっ!? まっ・・・はむっ♡ ちょっと・・・んふっ♡ んっ♡ んっ♡ ぷはっ・・・はむっ♡」


次にはタスはソニアの拒絶すら聞かないとばかりに濃厚な口付けをしてしまい、自分がファーストキスだということも忘れて無我夢中でソニアの唇を奪い続けてしまいました。その強引でまだ女慣れしていない不器用な口付けでもソニアには待ち焦がれていた瞬間であり、抵抗しようと手を彼の胸に添えて力を入れようとしますが、意思がそうはさせまいと力を抜いてしまい、どうしようかと迷うように行ったり来たりしながらも唇と舌は必死にタスを求めて絡めあっていたのでした。そうして乾いていた喉が潤いだしてしまうと心地良さに身体が幸福に満たされてしまい、冷めかけていたはずの快楽が一気に呼び覚まされてしまい、経験豊富であるはずのソニアでも耐えがたい快感が押し寄せてしまったのでした。


(だめなのに・・・きもちよくて拒めない・・・幸せすぎて身体が痺れて力が抜けちゃう・・・♡♡♡)


「んん!? ンンン〜〜〜っ♡♡♡」


(好きな人とのキスだけで気持ちよくなってイッちゃう♡)


ソニアはすでに快感が最高点に行った直後であったこともあり、さらに直接愛する人からの口付けをされてしまえば果てる意外の選択肢はなくなり、口内を嬲られながら絶頂をしてしまい声を出せずに呻き声のような声を出しながらポカポカと力なくタスの身体を叩いて絶頂してますアピールをしました。しかしタスは経験がないためにソニアが絶頂しているも離さずに口内をずっと楽しみつくしてしまい、まだ呻き声をあげて抵抗するのかと逃げないようにソニアの首を後ろから拘束してより深く口付けをしてしまうのでした。


「日向さん・・・無理矢理してごめんなさい。でもぼくは・・・」


「やめへっへいっひゃのにぃ♡」


「うわっ、どうしたのですか?」


ソニアは口付けを答えられないくらいの絶頂を何度も小刻みに繰り返しながら、快感が少しでも引くとタスに応えてまた果てるという行為を繰り返し、最後は自らのビシャビシャに濡れて蜜を流し続ける性器を弄くり回したい衝動を抑えつけるために必至にシーツを力いっぱい握りしめて耐えていました。そうしてもうこれ以上は身体がもたないと限界になったところでようやくタスに解放されて力なくベッドに倒れてしまい、ソニアは水音が聞こえてしまうくらいの潮吹きを最後にしてからタスに隠すことなく最高の絶頂を見せてくれたのでした。


「アウ♡ アッ♡ アッ♡ んぐ・・・おっ♡ オウ♡」


「えっと・・・」


「イってるの・・・キスでイカされたの・・・やだぁ・・・きもちいの全然止まらないよぅ・・・♡♡♡」


「日向さん! もう我慢できません。今からしましょう」


「待って・・・身体が欲しいなら準備するから・・・」


「身体だけの関係みたいに言わないでください・・・確かにやり方は強引でしたが・・・でも、ぼくが一番欲しいのは日向さんの心です」




 経験が浅かろうがタスにも自分の名前を叫びながら全裸で快感を得ようとしていたソニアの想いは確実に自分だけのものであると確証を得ていました。そのためこの珍事を活かさない手はなく、タスは強引に唇を奪いソニアが抵抗しなかったことでさらに前進できる勇気がもてたのでした。


「またそれなの。だからそれは・・・」


「勝手に決めつけないでください!」


「あっ・・・」


「どうしても、ぼくでは駄目なのですか? 通じ合えない理由も教えてもらえないのですか?」


興奮した息遣いとは違いタスの瞳は真剣であり、ソニアをモノにできるなら行為がなくてもいいし、望んでいるならこの場で愛する人を愛し尽くすことを決めた男の覚悟をした目つきをソニアに向けていました。ここまでしてタスも拒まれたら諦めるしかないのか。そんな覚悟をしたタスの問いかけにソニアは一度目蓋を閉じて冷静に心と会話をすると、彼女もタスの覚悟に応えることを選びその問いかけに初めて胸につかえていた言葉を吐き出してくれたのでした。


「貴方を穢したくないから・・・」


「貴方は綺麗な女性です。心も身体も綺麗で、ぼくを明るく照らしてくれる素敵な女性です。好きですよ。ずっと一緒にいたいくらい愛しています」


「怖かったの・・・貴方という希望を失いたくなかったの・・・」


「日向さんを笑顔に出来ない人生なんてぼくには必要ありません。だから冒険者になってからも一緒にいてください」


「本当に一緒にいてもいいの?」


「はい」


「あとになって捨てたら呪うわよ。それくらい面倒な女なのよ?」


「向こうで再会したらすぐにパートナーとなりましょう。それで安心できますか?」


まだ不安であるソニアに向かいタスは思いつく限りの好きになった理由をあげていきました。取るに足らないことをして無邪気に笑ってくれた貴方を好きになっていました。きっかけがいくつ繰り返されようが、一つ一つが強く深かろうがそれだけで縛れることにはならない。結局は今の二人の気持ちの大きさにより関係は変わるだけに、タスがいくら愛を囁いて肉体関係を求めようと、ソニアが応えなければ結ばれてくれない。しかしタスの覚悟がソニアの最後の不安を消してくれて、希望を掴む勇気をくれたのでした。


「本当に後悔しない?」


「ええ、このまま黙って日向さんを逃す方が後悔してしまいます。何度だって言いますよ。日向さんがいいです。日向さんが特別です」


(嬉しい・・・本当にアタシを好きになってくれる人がいたんだ)


ソニアにはもう迷いはなくなりました。これまで散々タスを困らせてきたので、これからは全力で自分の愛を捧げようとソニアはパートナーとしてタスを支えてゆくことを誓いました。


「・・・・・・アタシの残りの人生を全て貴方に捧げます。愛しています。大好きです、タス様」


「もう不安なことはありませんか? 我慢していることはありませんか?」


「あっ・・・えっと・・・」


「この際隠し事はなしですよ!」


「裸のお付き合いがしたいです・・・我慢していたからいっぱいえっちをしたい・・・です・・・」


「・・・・・・今日は座学をやめて身体を沢山動かしましょう」


「っ!? はい♡」


タスは忘れ物を取りに戻るというベタなオチにてソニアの情事を知ってしまい、そこから強引な手段できっかけを作りソニアの心を開いてしまいました。やり方は手荒でありましたがソニアの本心が聞けて不安を解消してあげれば晴れて二人は恋仲となり、これからは身も心も溶け合う関係となれたのでした。そうして早速我慢していた二人は愛し合うことを約束してしまい、仲良くベッドに横たわるのでした。


「今夜は寝かせませんよ」


「それはこっちの台詞よ」


「お手柔らかにお願いしますね」


「うん・・・」


「また何か思いつきましたね。ほら、全部出しなさい」


「今日から一週間泊まってもいいですか? ずっと我慢していたから・・・一日だけだと足りなくて・・・」


「精力増強薬を作らないともたないかもしれませんね・・・」


「直接触れたら嫌でも元気にさせてあげられるのに」


「あはは・・・本当に眠れないかも・・・」


「早く冒険者となって、たくさん妻のお腹をいっぱいに満たしてくださいね。旦那様♡」


かくしてソニアのデレぷりはさらに破壊力が増してしまい、この日から定期的な肉体関係を結び愛を深めてゆくことになるのでした。

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