夜桜食べ

空が青くなり、太陽が赤く燃える

もっと深く、濃く、暗く鮮やかな藍のシルクを見に纏う

その合図を機にパッと布団から起き上がり

少し厚めのパーカーを羽織る

自転車を走らせ、人通りの少ない桜並木へ向かう

人目を盗み木を登り、桜を一房ちぎり焼き鳥のように齧る。

もしゃもしゃと噛み締めると、ほのかに甘い味が口に広がる

夜空を眺めながら、今年も春が来たのだと思い耽る。

先ほどちぎった場所には、新しい桜が一房成っていた。

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