境界のフェアリー chapter2



  ☆登場人物


  ○主人公

  フェアリーエル・クロス

  (愛称をいれてね!)


  ○攻略対象

  S系シスコンの処刑人

  グレインフェルド・ダナー


  極度の二面性王太子

  グランディア・グロードライト


  デレ×女装異国の商人

  ピアノ・ナイトグランド


  ○サブキャラクター

  メルヴィウス・ダナー

  エルストラ・フィンセンテ

  オルガン・ナイトグランド


  ○ライバル

  リリー・ダナー



 ☆☆☆☆☆☆



  ~境界のフェアリー~



  chapter-2



  しばらく学園に通ったけれど、恋愛イベントが全く発生しない…。


  始まりのダナーではメルくんが居なく、グレイ様に会えずで過ぎちゃったから、もしかしたら学園に居るのかと期待していたのに、やっぱり彼らは居ないみたい。


  だから次の攻略キャラは学園でよく出会う二人。王太子のグランディア様と白のフィー様を探したけど、彼らも全然出てこない。


  エントランス、中庭、音楽室、講堂、図書室、東階段、貴族専用サロンと展望室。


  彼らではなく、サブキャラのエルストラちゃんが居たから、ちょっと面倒くさいんだけど、まず彼女に話しかけた。


  エルストラちゃんが居なくても、先にグランディア様に出会えるルートもある。だけど出会えないから仕方ないよね。


  それに貴族専用サロンや展望室には、今は私一人では入れないし。この前間違えたふりして扉を開けたら、あり得ないほど冷たい視線がヤバかった。


  エルストラちゃんに、協力してもらおう!


  彼女は小さな頃からグランディア様に片想いしてる。だけど学園ではいつもグランディア様と居るとリリーに邪魔されて、最後まで想いを伝えられない切ないキャラ。


  これから、エルストラちゃんをリリーの虐めから護ってあげるってイベントを発生させる。


  まあでも結局、主人公(わたし)がグランディア様に気に入られちゃうから申し訳ないんだけど。それは自然の摂理ですから!


  そのエルストラちゃんとはけっこう仲良くなったんだけど、なんだか彼女もグランディア様とはなかなか会えてないんだよねー。


  (なんかおかしいよね。私のせい? それともリリーのせい?)


  私がこの世界に呼び込まれたからなのか、でもなんとなく、リリーもグランディア様を積極的に追いかけてない感じがする。だってあの怖い雰囲気の不良たちに囲まれて、怖いって噂だけを皆してるから。


  グランディア様というより、エルストラちゃんの婚約者を狙ってるとか、なんかそんな意味ない噂もあったけど。知らないキャラはどうでもよし。


  そんな事を考えていたら、あり得ない事が起こった。


  『え、あれ、ピアノくんじゃない?』


  ピアノくんは不登校児で、グレイ様とグランディア様とフィー様を攻略してから出てくる、四番目のキャラのはずなのに。


  なんでもう居るの?


  しかも、グランディア様とピアノくんとリリーが、中庭でお茶してるところを発見した。


  こんなイベントあったかな?

  記憶手帳にもなかったはず。


  エルストラちゃんと、二階のテラスから見てたから、今さら走って行くのも間に合わないって思い何もしなかったけど、なんかエルストラちゃんもすごく怒ってた。わかるよ。気持ち。なんでなの?



 ☆



  あれからしばらく、何の変化もない学園授業だけが続いてる。


  攻略キャラに会えないただの学園と寮との往復。そして何故か、養母にではなく学園にまであの石を取りに来るサポートマントたち。


  だからここに、有るわけないって、言ってるのに。けっこう最初に沢山あげたよね?


  なんかいろいろ面倒くさくなってきた。


  学園生活も少し飽きてきたし。皆はけっこう親切だけど、ここって、実は学生服の色差別が半端じゃないんだよね…。


  まず緑以外の人と話すのが大変だし、エルストラちゃんもお昼休みしか会えないし、正直彼女もあんまり使えないし。


  もっとグランディア様に近づきなさいよって思ってたら、なんか家の事で問題があったとかで、エルストラちゃんのお友達たちがほとんど居なくなった。


  あれ、もしかして。

 

  この変化って、チャンスじゃない?


  積極的にもっともっとエルストラちゃんの傍に行って、親密度を上げる。そして青色と白色の学生とももっと仲良くなろう!


  そう思って二階に移動中、なんと階段でエルストラちゃんとリリーが喧嘩してたの発見!


  キタキターーーー!!


  待ってました!

  これだよこれ!

  やっとだよー!


  急いで行って、エルストラちゃんを救出!

  目撃者多数だよ!!


  「どうと言われても、良いことなのではないかしら?」


  「私、グランディア様がこの学院に通われるから、ここまで頑張ってこれた。…でも、私は、披露宴で婚約発表なんて、耐えられない、」


  『エルストラちゃん、大丈夫ですか?』


  エルストラちゃん! 待ってて!

  他の生徒や先生たち、モブさんたち背景はよけてよけて!


  『エルストラちゃんを虐めないで! リリーに何を言われたのですか?』


  『何の事かしら? 私は何も言ってないでしょう? 私はエルストラ様のお話を、聞いてただけよ、』


  嘘つくな!

  エルストラちゃんは泣いている!

  皆が見てる!


  「エルストラ、何をしているんだ」


  『え!?』


  三階から来た!!

  王太子グランディア様が!!

  ようやく登場!!!

  思ったよりも、かなりの王子様!!

 


  長かった…。


  この時だけを、どんなに待っていたことか…。


  そう感無量してたら、黒いのがすごい勢いで迫ってきて、危うくぶつかりそうになって避けた。


  『ぁっ、っぶな、え?』


  ぶつかりそうになったそれ、今、階段下に落ちてった黒い制服、あれって、リリーじゃないの!?



 

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