弔いの式
源蔵三蔵 二十歳
沙悟浄に抱き付いた風鈴をジッと見ていると、何か違和感を感じた。
何だろう、何かが変わった感じが…。
パチッと風鈴と目が合ってしまい、思わず視線を逸らしてしまう。
その事を不思議に思った風鈴は、声を掛けて来た。
「ん、何?」
「あ、いや。何か、感じが変わったなっと…。」
「あー、もしかしたら。これの事じゃない?」
風鈴かそう言って、自身の左目の下にあるダイヤ型の妖石に触れる。
鮮やかなサファイアブルーの妖石が、キラリと光を放つ。
こんな綺麗な青色だったか?
「沙悟浄、コイツに血をやったのか?血族したのか。」
悟空は風鈴の妖石を見て、サラッと言葉を放った。
「王の言う通りだ、コイツからこの男匂いがするもん。僕等と同じじゃん。」
悟空の最後から天邪鬼の天が、顔を覗かせる。
「僕等と同じって…?じゃあ、沙悟浄は風鈴の何になったのさ。」
天の言葉を聞いても、猪八戒は理解出来てない様子だ。
「お兄ちゃん、僕の口から説明するよ。その方が早い。」
風鈴は先程の出来事を俺達に説明し、沙悟浄が付け加えるように話し出す。
「風鈴にオレを血を飲ませるれば、助かるって女の子が言ったんだ。俺はその通りに行動しただけで、成功
するとは思ってなかったよ。」
「じゃあ、風鈴は沙悟浄の…、家来?になったって事?」
「まぁ、そんな所だ。風鈴の事は、俺が面倒見る。勝手な行動はしないと思うから、安心してくれ。」
俺の問いに、沙悟浄は答えると小桃が口を開いた。
「女の子?こんな所に?」
「背が小さかったから、そうじゃないかな。顔が見えなかったしな、多分だけど、女の子だ。」
「女の子がそんな事を知ってるとは、思わないけど…。」
「あ、良かった。皆んな、生きてるー?」
小桃の言葉を遮るように、誰かが俺達に声を掛けて来たのだ。
その人物は、観音菩薩とボロボロの姿の石だった。
何故、この2人がここにいるのか、謎で仕方がない。
「か、観音菩薩!?な、何で、ここに!?」
「今、降りて来たからねぇ。君に用事があって、石と
来たんだ。」
俺の問いに答えた観音菩薩の前に出たのは悟空で、俺を隠すように立つ。
「どう言う要件だ、観音菩薩。毘沙門天側の野郎を連れて来やがって。」
カチャッ。
その言葉を聞いた天と邪、丁達は悟空の側で武器を構える。
「待て待て、観音菩薩の話を聞いてから判断しよう。観音菩薩、石を連れて来たのには理由があるんだよな?」
猪八戒は慌てて、悟空の隣まで歩み寄り、観音菩薩に視線を向けた。
「石、君の口から言うんだ。」
「あぁ…。」
観音菩薩に背を叩かれた石は、俺の方に真っ直ぐ見つめた。
ザッ!!
勢いよく頭を下げた石は、懇願するような姿勢で口を開く。
「頼む、哪吒を助ける為に、哪吒をアンタの血族にして欲しい。」
その言葉を聞いた悟空達は、驚きの表情を隠せていない。
勿論、俺も中に入っている。
石の言いたい事を察知したかのように、風鈴が口を開く。
「哪吒、かなり危ないんだね。どのぐらいなの?」
「2日だ、哪吒の体が毒に犯されている。だが、以前に三蔵の血を飲んだ所為か、死ぬまでにはいかなかったようだ。アンタ、前に哪吒に血を飲ませた事があるよな。」
「確かに、哪吒に血を飲まれた事があったよ。だけど、少し前になる。俺の血が哪吒と関係してるのか?」
俺の言葉を聞いた石は、風鈴の妖石に目を向ける。
「風鈴、お前はもう毘沙門天様から離れたんだな。」
「うん、沙悟浄…いや、お兄ちゃんの側にいるって決めたから。もう、石達とは仲間じゃない。お兄ちゃんに助けてもらったから。」
「そうか、その方が良い。僕…いや、もう俺で良いか。俺は近々、毘沙門天様に殺される。その前に哪吒を助けたい。三蔵、悟空。君等にこんな事を頼むのは虫が良すぎるのは承知の上だ。だけど、哪吒は哪吒だけは、助けて欲しい。」
そう言って、石は俺の前で膝を付き頭を地面に付けた。
俺はチラッと悟空に視線を向ける。
それから猪八戒と沙悟浄、皆んなは俺の目を見つめ返す。
「哪吒は悟空の事が好きなんだ。哪吒には幸せになってほしい。この世界に絶望した哪吒を救えるのは…、悟空だけだろ。」
石は悟空を見ながら、瞳を潤ませる。
「悟空…。」
小桃が泣きそうな顔をしながら、悟空の腕を掴む。
悟空は小桃の方に視線を向けた後、小桃の手を優しく掴んだ。
この2人の雰囲気は、他の女が入れる雰囲気ではない事が分かる。
「石、お前が殺されるって、どう言う事だ。観音菩薩、お前も関わってんだろ。」
「本当はね、毘沙門天の実験室に忍び込んで、哪吒を助ける方法を見つけようと言う話だったんだけどね。哪吒の体が限界そうなんだ。そうなる前に、医療書に載っていた方法を試す方が早いと言う事になったんだ。」
「ちょっと待って。僕の妖石に使われた妖怪の血は、お兄ちゃんよりも弱い妖怪だった。だから、問題なく血族になれた。だけど、哪吒の妖石に使われた血は?妖怪の物だろ?」
観音菩薩の話を聞いた風鈴は、異議を申し立てる。
だが、観音菩薩が答える前に石が答えた。
「哪吒の妖石は…、そこにいる悟空と前世の三蔵の血が混ざって作られた物だった。」
「あ?俺の血だと。」
「前世の俺の血…?」
俺と悟空の声が同時に重なると、沙悟浄と猪八戒は困惑していた。
「どう言う事?何で、悟空と三蔵の血が使われてるって分かった?そもそも、どうやって、2人の血を採取
したんだ。」
猪八戒は顔を真っ青にしながら、言葉を吐くと沙悟浄はハッとした表情を浮かべる。
「そう言う事か、猪八戒。天界に居た頃、宮殿の警備をしていた時があったろ。悟空と牛魔王がいなくなった後、毘沙門天が来てたよな。その時、毘沙門天の研究室に残っていた大量の血を採取してただろ?」
「確かに、注射器を使って血を吸って…っ。っ!?まさか、その血が悟空の血だったって事か!?」
その言葉を聞いた悟空も、口を開き話に入る。
「確かに、その研究室にあった血は俺のだ。今思えば、牛魔王が宮殿に誘って来たのも、この為だったのかもな。だけど、三蔵の血は何処で?」
「以前、毘沙門天が金蝉(コンゼン)の健康診断をした時があった。その時に、血を採取したんだろうね。まさか、哪吒の妖石を作る為に2人の血を使っていたなんてね。石が毘沙門天の実験室に忍び込んで、調べてくれたおかげで分かった事なんだ。」
まさか、哪吒の妖石が俺と悟空の血で出来た物だったとは…。
確かに、哪吒の強さを見れば悟空の血が入っていた事に納得が行く。
「クソッ、毘沙門天め。若の血を勝手に盗むなんて、斬首に値する。」
丁は舌打ちをしながら、怒りを露わにしている。
悟空が俺の顔を見て、口を開く。
「お前が決めろ、俺はお前の決定に口は出さねぇ。お前等もそうだろ?猪八戒、沙悟浄。」
そう言うと、猪八戒と沙悟浄は黙って頷く。
俺の脳裏に、宝象国の国王の屋敷で哪吒とした会話を思い出す。
哪吒が毘沙門天の命令を逆らいながら、悟空の為に動いていた。
そして、俺の血を飲んで泣きそうになった哪吒の顔が、忘れられなかったんだ。
無表情の彼女が大粒の涙を溜めながら、俺に謝る姿。
哪吒も作られた存在だとしても、1人の女の子だと感じたのは本当だ。
俺はまだ、哪吒に死んでほしくない。
「悟空、俺は哪吒を助けたい。哪吒が悟空の為に動いていた事は知ってるだろ?それに、石がここまでして来たんだ。俺は石の気持ちを無駄にしたくない。」
「お前なら、そう言うと思った。おい、お前。小瓶かなんか持って来てるんだろ、貸せ。」
石は黙ってポケットから小瓶を取り出し、悟空に渡した。
小瓶を受け取った悟空は、自身の鋭い爪で手首を切り付ける。
ブシュッ。
ポタポタと垂れる赤い血を小瓶がいっぱいになるまで入れ、蓋を閉めた後、石に渡した。
「おい、三蔵の分の小瓶がねーぞ。」
「血族になるには、三蔵が哪吒の妖石を破壊し、血を飲ませる必要があるんだよ。」
「つまり、三蔵は哪吒本人の所に連れて行く必要があると。何処にいんだよ、哪吒は。」
観音菩薩の言葉を聞いた悟空は、眉を動かしながら問い立てる。
「天界の毘沙門天様の屋敷にある、哪吒の自室で眠ってる。いや、正確に言えば術で眠らせてある。目覚める前に、哪吒を助けたい。」
「毘沙門天邸って…。万が一、毘沙門天にバレたら終わりだろ。三蔵を連れて行くのにはリスクが大き過ぎる。」
「沙悟浄の言う通りだ。毘沙門天様が吉祥天様と狩に行く時が、潜入出来る時間だ。もし、毘沙門天様が帰って来た場合、観音菩薩と計画した事を実行する。」
石はそう言って、観音菩薩に視線を送る。
「毘沙門天の実験室に石が忍び込み、毘沙門天に見つかるようにする。わざと見つかり、自分に気を逸らさせる為に。」
観音菩薩の言葉を聞き、俺は背筋が凍ってしまった。
石が自分が死ぬ事を前提の計画を、観音菩薩と立てていた事に。
「石、君は本当に死ぬ気なんだね。哪吒の為に、毘沙門天様を敵に回すんだね。」
「当たり前だ、俺は死んだって良い。哪吒以外の下に付く気もないからな。死ぬのは怖くない、哪吒が助かれば良い。」
「 でも、風鈴が沙悟浄を気に入るとはね?よほど、彼を好きになったんだ。」
「…そうだね。石、君にも生きる選択は出来たよ。」
「俺はもう、この世界で生きたくない。疲れたんだ…、生きるのが。」
そう言った石は苦笑しながら、長い髪に触れる。
石に投げ掛ける言葉が見つからない。
それは、悟空や沙悟浄、猪八戒も同じように見えた。
「石、君の行動は間違っていない。寧ろ、君を誇らしく思う。中々、いないよ。運命に抗いながら、大切な人の為に動く事を。」
俺は思った事を石に伝える。
こんなありきたりな言葉でしか、今の感情を伝えられない。
「ありがとう、三蔵。」
「ただ、少し待って欲しいんだ。弔いの儀式を済ませてからでも、良いかな?」
ここで亡くなった黒風の為に、弔いの儀式をしたいと思っていた。
「弔いの儀式…。そうか、黒風は亡くなったのか。」
俺の言葉を聞いた観音菩薩は、悟空の方を見つめる。
そして、後ろにいる化け物になった須菩提祖師にも視線を向けた。
「俺が殺した。爺さんを化け物にしたのも俺だ。」
「須菩提祖師は自分の意思で、君といる事を選んだ。その事を咎める気はないよ。ただ、黒風の事は残念で仕方ない。小桃ちゃんだったかな?花の都での墓場は、何処かな?」
観音菩薩は唐突に、小桃に声を掛けた。
「桜の木の丘に、おじちゃんのお墓もあるよ。花の都のやり方でね、蓮の花と燈を空に飛ばすの。死んだ人の魂が、天国に行けるように。」
「その桜の木の丘に案内してくれるかな?三蔵、一緒に儀式の準備をしよう。」
「分かった、儀式は花の都のやり方に合わせるよ。」
俺と観音菩薩と小桃の会話を、悟空達は黙って聞いていた。
カツカツカツ。
「私も手伝います。」
そう言って、現れたのは水色の髪の女性だった。
「泡姫、久しぶりだな。」
「美猿王様…いや、今は悟空様ね。覚えてくれていたのですか?」
「あぁ、美猿王と俺の記憶は同じだしな。お前、陸に出大丈夫なのか。」
「悟空の知り合いなのか?」
俺は悟空と泡姫の会話に入り、悟空に尋ねた。
「昔、助けてやった事がある。花の都の結界を張っていたのも泡姫だ。」
「そうだったんだ。」
「泡姫、体が辛くねーなら手伝ってやってくれ。あ、沙悟浄。お前、泡姫と行動しろよ。」
そう言って、悟空は沙悟浄を呼んだ。
沙悟浄が近付いた瞬間、泡姫は顔を歪ませる。
どうしたんだ、急に。
悟空に対しては、ニコニコしていたのに。
「泡姫、沙悟浄は俺の仲間だ。変な事をしようって、考えはねーから安心しろ。」
「悟空様のお仲間…、分かりました。」
「泡姫って呼んで良いのかな?宜しく。人魚なんて、初めて見たな。」
「どうも。悟空様、皆様の喪服をご用意しますね。」
沙悟浄から悟空に視線を向けた泡姫は、頬を染めながら微笑む。
隣にいる小桃はムッとした表情を浮かべたが、何も言わなかった。
それから、小桃と泡姫を筆頭に儀式に必要な物を集めてくれた。
泡姫は悟空に大きな布に包まれた何かを渡している。
「悪いな、泡姫。何処まで行って来たんだ。」
「貴方の為ですもの、気にしないで下さいまし。そうですね、黄泉の泉の手前で眠っていました。」
「そうか。」
「あの沙悟浄って方とは、別行動とりましたので影響はない筈です。」
親しげに話す2人の会話は聞こえなかったが、沙悟浄は2人に近づいた。
「沙悟浄、泡姫を送ってくれ。」
「了解。泡姫、お手をどうぞ。」
「…、どうも。」
差し出された沙悟浄の手を取った泡姫は、海岸の方に歩いて行った。
日が落ち始めた頃、俺と観音菩薩は着々と弔いの儀式の準備を始めている。
蓮の花が彫られた墓達が、次々と妖達の手で立てられて行く。
黒風、陽春、白虎と其々の墓に名前が彫られていた。
新鮮なフルーツと白い百合の花、蝋燭が灯される。
天と邪、丁達は俺達と少し離れた場所に立っていて、黙ってこちらを見ていた。
「妖怪の為に弔いの儀式をするなんて、変わってんね兄者。」
「そうだね、人間の考える事は理解出来ないものだよ。ただ、我等の王は誰かを弔いたいようだ。」
邪はそう言って、黒風の墓の前にいる悟空に視線を送る。
悟空の手には大きな布の端が、風と共に靡いていた。
「俺、側に居たのにっ。何も、出来ませんでした。目の前で、陽春を殺されて…っ。それなのに、俺はまだ、生きて…っ。」
陽春の墓の前で、喪服を着た緑来が泣き崩れていた。
沙悟浄は黙ったまま、緑来の背中に触れ、百合の花を
墓の前に置く。
「陽春はずっと、お前の事が好きだったんだ。緑来は勘違いしてたみたいだけど。だから、お前の腕の中で逝けた事は陽春は幸せだったと思う。ありきたりな言
葉しか言えなくて、ごめんな。」
「謝らないで下さい、頭。俺の責任なんですっ…。うっ、うぅ…っ。」
「緑来…。」
「陽春っ、陽春っ…っ。お前に会いたいよ。」
緑来は泣きながら、お墓に彫られた陽春の文字を指でなぞる。
「よし、三蔵。始めようか。」
観音菩薩の呼び掛けを聞いた俺は、お経を唱え始めた。
ポンポンポンポンポンポン。
俺と観音菩薩はお経を唱えながら、リズミカルに懺法太鼓(せんぼうだいこ)を叩く。
*懺法太鼓(せんぼうだいこ)とは、読経のときに使用する小型の太鼓です。 片手で懺法太鼓の片側を叩き、主にお経を読むときに使います。 金属製の輪に指をかけ、片手で持てるくらいの大きさがほとんどです。 片面にのみ革を張っているため、通常の太鼓より少し軽めの音が鳴ります。*
「白虎っ、ごめん、ごめんね。本当にごめんね。」
白虎の墓の前で、小桃は泣き崩れていた。
風鈴と石は黙って、お経を聞きながら墓達に目を通す。
「今まで、沢山の妖や人を殺して来たけどさ。殺した奴等の家族や大切な人の存在を考えた事がなかったな。僕達が殺して来た数以上に、泣かせてる数の方が多いのかもね。」
「…風鈴。沙悟浄の側にいるって事は、毘沙門天様と敵同士になる。殺せるか?毘沙門天様を。」
「どうして、どっちかを選ばないといけないんだろう。僕がした選択が正しかったのか、間違えたのかを誰も教えてくれないのに。僕達はこれからも、選択をし続けるんだよね。」
風鈴の言葉を聞いた石は、黙ったまま夕陽に目を向ける。
「ただ、これからも選択するしかないんだよ。俺達が、この世界で生きてる限りは。」
「猪八戒…。」
「石も風鈴の選択は間違っているのか、そうじゃないのかは分からない。だけど、少しでも自分の選択を後悔しないように、生きるしかないんだ。だけど、無理な話だよな。後悔をしないように選んだつもりでも、後悔が付き纏ってくる。」
そう言って、猪八戒は百合の花を持って黒風の墓の前まで歩いて行った。
小桃(桜の精)
止めどなく流れ落ちる涙、鼻の奥と瞼が痛い。
「小桃。」
悟空の低くい声が聞こえ、振り返ると白い大きな布を抱えた悟空が立っていた。
「ひっく、ひっく。な、何?」
「白虎って野郎は、お前を1人にする気はないみたいだ。」
そう言って、悟空は小桃に白い布を手渡した。
小さくて生暖かい感触が布中からしたので、ゆっくり布を剥いだ。
そこには小さな白い子猫が、小さな寝息を立て眠っていて、子猫の寝顔に見覚えがある。
「びゃ…こ?」
白虎に似てるけど、白虎じゃない。
小桃には分かる、この子が白虎じゃない事が。
「よっぽど、お前が心配だったんだな。黄泉の泉の手前で寝てたらしい。泡姫は人魚だからな、海を自由に行き来できる。泉も同様にな。」
その言葉を聞きながら、眠っている白虎に目を向ける。
「だけど、ソイツは白虎じゃない。白虎と同じ色の魂をした子猫だ。これから、お前が子猫をどうするか決めろ。」
言葉は乱暴だけどら小桃の為に、探してくれたのが伝わった。
「わざわざ、探してくれたの?小桃の為に?」
そう言うと、悟空は意地悪な顔をして軽く笑う。
夕日の空の下、蓮の花の灯籠が浮かび上がり、死者達を天に送っていた。
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