第3話

あれから数日、日本はまだ特に何も変わっていない。

前代未聞の震度10を超える大地震、政府は大混乱、数日で復旧しろというほうが無理な話だろう。

僕は家の庭に井戸があるのでそれを使いみんな水を得てる状況だ、保存食を備蓄していた倉庫も倒壊はしていたが缶詰だったのがこうをそうし、食料も住人100人ほどだが、1月は持ちそうだった。だが水は倒壊時にほとんどこぼれてしまい、住宅で唯一井戸があるうちに、みんな水を汲みに来るわけだ。

“ おい、早く、家の中に入ろう、寒くて死んじまう ”

この球、拾った時からずっと話しかけてくる。まぁ別に僕も一人でこんな家に住んでさみしいと感じた時もあるし、話し相手ができたと思えばうれしいことではあるのだが、、、 

「ルスさんは中に置いておきましょうか?って聞いたじゃないですか!じゃあ中にいればよかったのに」 ぼそっと水汲みに来ている人たちに変に思われないようにつぶやく。

“ いや、つまんないだろう、ただでさえそんな動けないんだ。なんでもいいから人間の行動を見てみたかったんだ。”

「なら、いいじゃないですか」

“ いや、飽きた ”

「 おい 」

数日一緒に会話していてわかったことがある、この球の正体は全長数十メートルの化け物だが、日本語を理解し、しゃべり、会話することのできる、気まぐれで適当な化け物だ。


” はぁ~なんで俺はこんなんになっちまったんかなぁ、、、”

「 僕たちを守ってくれたからですか? 」

” それはそうだろ!それは大前提だ!ただ俺の力が結界突破に時間かけすぎておもったよりめっちゃ低くなってたんだなぁってことだよ! ”

「 そうなんですか、、、結界とは?」

” 本当にあの幻獣ども、、、、次あったらぼっこぼこのけちょんけちょんにしてやる、、、 ”

ダメだ、話を聞いてない

” たかが神龍結界1発でもう顕現出来なくなるとは思わなかったぜ、、、 ”

もう意味が分からない単語がいっぱい出てくるが、、、どうせ聞いても答えてはくれないんだろう。


「とりあえず、、、牛乳飲みます?」

”ああ!”

以外にも以外、この球牛乳が大好き。

何か栄養のある液体に浸してくれと言われ、自家発電機で何とか動かしている父の秘密のビール冷蔵庫に牛乳が入っていたのでつけてみると、とんでもなく喜んだのだ。

” なんだこの飲んだことない液体は! ”

と文字通り飛んで喜んでくれた。てか玉状態でも跳ねたりできるんだ、、、

少しは恩返しできたかのような気になれた。


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