【エピローグ】


空には月も星もない。


雷雨で停電をした街は、街灯すら燈らない 。


ーーー真っ暗な夜だった。





「停電になるなんて…やっぱり、お天道様が怒ってる。」沙楽さらが小さくつぶやうつむいた。


「それは、果たして俺らが離れることに怒ってるのかな…それとも。」

魁人かいとが、美しい口元を歪めながら窓の外に視線を向ける。





龍神が2人の替わりに泣いているのかもしれない。


運命は、今夜も彼らをうろこだらけのとぐろほだし続けるのである。







〈了〉

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龍神の涙 華田 もも @MomoHanada

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