新入生研修会レポート② 「槇村雪菜さま 短いですが」 鴇田量也
前略
実際にディベートの席にたった時間はわずかだったので、あれほど準備に時間をかけ、緊張で身が張り裂けそうだったのに、あっという間に解放された感覚です。
僕が担当したのは食糧問題でした。全人類の食糧確保のために遺伝子組み換えなどの科学技術がどこまで許されるか、健康に害を与えるトランス脂肪酸などの外国では規制されている有害物質の問題、害虫駆除のための農薬、家畜の餌となる飼料に混ぜられる抗生物質などの医薬品、手間やコストがかかる有機農業がどこまで可能なのか、等々ディベートの論点はたくさんあり、そのどれが出ても対応できるように一夜漬けならぬ昼の二時間漬けに精力を注ぎました。
本当に疲れました。終わってみれば、何のことはないただのお遊びだったと思います。あの緊張は何だったのでしょう。
ただ、無駄話もたくさんしました。食糧問題を調べているうちに昆虫を食糧にする話が出てきたからです。世界中で結構真剣に考えられているようです。
それが班で話題にのぼった時、みんな嫌そうな顔をしました。僕もそうだったでしょう。あの
イナゴや蜂の子の話が出ても、誰も食べたことはないようです。日本で新たな昆虫食と言えば、すでにコオロギの煎餅だとかがあるようですが、蚕の幼虫を食すことになるのでしょうか。
その手のイモムシを食べることに抵抗がない人にはエビを食べているような感覚なのでしょう。エビだと思ってイモムシはなかなか食べられないでしょうね。やはり見た目を虫だと思えないくらい加工しないと無理でしょうか。
ああ、これはきっと昆虫が夢に出て来るな、と僕は思いました。
昆虫に襲われる夢を見そうです。
それよりも、その話を小説にしろ、と言う
ではまた
草々
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