新入生研修会レポート①「槇村雪菜さま 前略」 鴇田量也
前略
これは四月中旬に行われた高等部新入学生研修会の様子を記録したものです。ずいぶん遅くなってしまいましたが、やっとまとめることができました。何しろ
冗談はさておき(冗談でもないですが)、金曜日の朝学校に集合した僕たちは、四台のバスに揺られて長野県にある研修施設に運び込まれました。そこで二泊三日の研修が行われたわけです。
新一年生のE組からH組までの四クラスの生徒全員に対して、学園の教育理念、学校生活、生徒会活動、部活動といったガイダンスがなされ(ちょっと遅きに失した分野もありますが)、研修を通して生徒同士の親睦をはかります。
学園が共学化してからといいますから、もうかれこれ十年以上も続けられているようです。
中高一貫生である槇村部長も、但馬副部長も、そして本谷先輩もこの研修に参加したことがないようなので、今回僕たちはその様子を報告するように但馬副部長に言われました。ということで駄文ですが、報告していきたいと思います。
正直なところ、このような研修があることを僕は知りませんでした。知らなかった生徒は少数派のようです。学園のサイトには学園生活のところに年間行事として四月中旬に高等部の新入生に対して合宿方式の研修会が行われると書かれています。僕の目はすっかりそれを見逃していました。おかげで鴫野に冷たい目で見られました。
ちょっとした修学旅行と考えていた僕は、三日間缶詰状態にされることを知ってげんなりしました。開会式で賛美歌を歌ったのを新鮮と感じたのは初日だけです。毎日祈りの時間と体操の時間があるのです。ミッション系女子校の名残は健在です。
ちなみにうちは真言宗です。法事の時だけですが。
初日、現地の研修施設には昼前に到着しました。制服からジャージに着替えて、早めの昼食です。期間中ずっとジャージで過ごすようです。二着用意するように言われました。それなら制服を着ていく意味はないのではと思った生徒は多いでしょうが、口にできる雰囲気ではありません。僕たちは入学したばかりで、互いのことをあまり知らない者同士。中等部から上がってきたAからD組の連中とは違い、おとなしいものでした。
行動は班単位です。僕と鴫野は同じ班になりました。クラスでも席が前後で同じ班ですから当然といえば当然なのですが、文芸部でも一緒に行動していますし、他の生徒の目にはただ事ではない関係と思われているようです。女王と召使でしょうか。下手なことを言うと鴫野にしばかれるので、このくらいにしておきます。
それではまた
草々
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