何故、連載作品が読まれないのか。現時点での問題点と考察論

 何故、連載作の「パラレル奇行」を読み続けていただけないのか。この半月、ひたすら考えてみた。

 書籍がされた作家さんの話や自身が読んできた小説を改めて幾つか読んだ結果、浅いながらも問題がなんとなく見えてきた。


 ここに備忘録も兼ねて記載しようと思う。

 尚、あくまで個人の感想と自省に過ぎないことをご留意いただきたい。



◆見えてきた問題点 1

「雑念」


 集中して読める作品の共通点として、読んでいる途中に、「あれ、これなんだっけ?」「この人誰だっけ?」や「読みにくい」、「わかりにくい」という感情が非常に浮かびにくいことに気が付く。

 これはどういうことか。端的に言えば、読んでいる最中に雑念が浮かばないのだ。浮かぶとしてもとても少ない。もしくは、浮かんでも読めばすぐに消え去る程度のものが多い。


 さて、ここで自身の連載作品である「パラレル奇行」を振り返ってみたい。


 現在の煽りが、「その違和感……多分正解です」とある通り、違和感を持ってもらえることを前提とした話し作りになっている。しかし、これは私の技量からすればミスだったと言えよう。推理・ミステリーを除き、通常の作品に違和感をふんだんに散りばめるのは恐らく雑念に繋がるためだ。

 加えて、主人公をはじめとしてどのような状況か、必要な情報も書ききれていない。ここで次の問題にぶち当たる。



◆見えてきた問題点 2

「共感性①」


 他の方からもご指摘いただいたが、主人公たちがどのような人物か、いまいちわかりにくい。私自身としては、ラブコメや恋愛、その他主人公の見かけが作品にとって重要なものとなるのでなければ、書くかどうかはどうでも良いと思っている。

 ただし、主人公に一定の共感ないし同調意識を持ってもらうことは必要不可欠だと考える。なぜなら、彼らは読者の目となるからだ。

 「パラレル奇行」の主人公は、会話内容などから漠然とした性格は見えるものの、読者の視点としての役割を担えていない。


 読者は、どの視点から見るのか。大抵は、主人公か神の視点だ。アニメや漫画、ドラマと違い、映像で全体を追うことのできない小説は、恐らくこの視点が物語の一つの鍵となる。


 ところがだ。問題として挙げている「パラレル奇行」はどうだろうか。主人公が視点の役割があまり出来ていないどころか、置き去りにしていてもおかしくない。この判断も大体1〜2話目までなのだろう。

 この主人公について行こうかなと思っていただけた人しかついてきてもらえない。では、有り難くもついて来てくださる人を見つければ良い。一層開き直ってそう考えても良いのかもしれない。だが、事はそんなに単純ではない。



◆見えてきた問題点 3

「ターゲット層」


 自分の作品は、誰に読んでもらうことを想定して書いているか。所謂ペルソナだ。


 年齢・性別・職業・趣味・住居地・家庭環境・読書時間・好きな作家・悩み etc


 これらを考えたことはあるだろうか。年齢について言えば、自分と同年代または歳下に読んでもらう設定が一番書きやすいと私は思っている。何故か、それは色んな面において共通点が多いからだ。同じものが流行り、同じような社会状況や常識で生きてきたもの同士の方が、比較的理解がしやすい。理解がしやすく共通点も多いことは、共感につながる。私はそう考えている。


 さて、このターゲット層をガン無視して、テンションと勢いで書いてしまったのが「パラレル奇行」だ。

 そんな当初のノリと勢いが続くわけもなく。お陰でプロットはできているのに、筆が進まないという残念な結果に陥っている。何をしているのかと突っ込みたい気持ちもあるが、やってしまったものは仕方ない。



◆見えてきた問題点 4

「テンポと引き」


 勢いは大事である。但し、読者を引っ張る勢いであって、振り回したり置いてきぼりにするのではない。では、読者にどうやって引っ張るのか。

 一つには、テンポだろうと思う。そして、もう一つは引きだ。


 これは非常に難しい。テンポ良く、リズム良く読める文体は大切だ。加えて、ネット小説で言えば一回に呼んでもらう文章量も間違いなく重要になる。

 だがストーリーとしては、一定のテンポで緩急のない平坦では難しい。予測のつかない展開とまではいかなくとも、「これからどうなるのだろう?」そういう引きが必要不可欠になる。

 更に言えば、わかりやすく、展開が早い方がネット小説は好まれる傾向があるようだ。


 先ほどから挙げている私の作品は、この引きも非常に弱かった。先は読めなくとも、読まなくても変わらない。つまらないわけではないけれども、読み続けるほどの価値を感じるかはまた別と言ったところだろうか。

 読者は切るタイミングを探しているというのを見かけたことがあるが、本当にその通りで、またネット小説ならではだと思う。



 さて、ここまで書いていても問題点ばかりだったが、まだある。

 残りについては、また後日に気が向いた時か、もしご要望でもいただくことがあれば書こうと思う。

 しかし、失敗は得てして失敗となるのだとつくづく感じる。成功に理由はなくとも、失敗には理由があるし、価値がある。

 幸いにも、文章は修正することができる。どこまで修正出来るか、不安はあるがもう少し向き合っていきたい。


 問題点の多い作品

 パラレル奇行(一旦引き上げ中)

 https://kakuyomu.jp/works/16816700427504572692


ここまで読んでいただいたことに感謝を。


追記

パラレル奇行を読み続けてくださっている方々には、感謝してもしきれないほどの思いを抱いています。本当にありがとうございます。より良いものになって戻って来れるべく、精進したいと思います。


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