第58話 クリスマスは貴方と。

「美音、俺は・・・」


「変な子ね?」


「ご、ごめん俺帰るワ」

そう言って来たタクシーに

乗り込んだ!

エレベーターに駆け込んだ美奈を

見た時ヤバと思った。

その時夜が開けるように目が覚めた。


"何やってる俺''


食事を楽しむ相手は美音じゃない!

そう気がついた。

まだ大丈夫、まだ許して貰える

そんな甘い考えがあった。


しかし




美奈はそんなに甘くはなかった。




・・・


12月も半ばになると、

合コンとかも増えてくる。


そして町中は

恋人同士くっっいて歩いてる。

ドンマイ、私

一郎太とは歳が離れてるし

まあ、今からだって色々

出会いもあるある。



今からが人生はじまりだよー。

ニヤリとして先ずは、

サンタクロースの格好でケーキを

売りさばく。


  「ね、ね、彼女にケーキは

   どうですかー!!」


「お父さん、ママさんケーキ待って

ますよ。美味しいですよー。」


美奈が声をかけるとケーキは

仕事帰りのサラリーマン中心に

バンバン

売れて行った。 


あれから一朗太とは会っていない。

今日は仲良しの志乃が

クリスマスデートの為

ピンチヒッターだ。



自分のバイトのスーパーは

一朗太とデートするつもり

だったから

シフト休みにしていた。


志乃は最近彼氏が出来たから彼と

初クリスマス

美奈も一人でいると気が滅入る

こんな時はバイトだね!!。

そう言ってバイトを引き受けた。

金を稼ぐに限る。


美奈がケーキを売っていると


見慣れた彼がやってきた。

髪の長い女連れ。



クッソォ一番、

高いの売りつけてやる!!


「ケーキいかがですかぁー。

 彼女よろこびますよ。

1万円でーす。

3万円に値上げしましょっか?

 

 お家でクリスマスデート

 いかがですか?。」




「ね、一朗太買わない?

面白い子ね。」


綺麗なおねーさんが一郎太の腕の

コートを掴み揺すって聞いている。

この女、神戸牛じゃん。


   「いや、いらないよ。

美音いるならちっちゃいの

買いなよ。

    甘いモノ苦手なんだよ。」


「かえよ!一

いち万円!

い、ち、ま、ん、え━━━ん出せ!!」


一朗太はギョッとして美奈をみた。


「美奈、?」



 「美奈?さぁ?ちがいます。」

          フーン

今日は美音がコッチに来るから

晩御飯を食べようと言う話になった。 

断ったが、谷口とか坂下とか田中も来るらしいのでしぶしぶ参加したが…

誰も来なかった。

気を使ったつもりだろう。



ケーキ店の前で

「美音、ゴメン!

君の気持ちは嬉しい。

 でも、俺は美奈が

一番好きなんだ。


 思わせぶりな態度をとったのなら

 謝るよ。」


      「一朗太…。」


「本当にゴメン。

 クリスマスイブは彼女の食べたい

ケーキを買うのが約束なんだ。


 あいつ等が色々やってくれたのは

 ありがた迷惑! これ以上やるなら

 訴える。」


    「そんな、一朗太。」


女の人はサラリと流した髪は

チョコレートブラウンで凄く綺麗。

薄いピンク色のコートの


後ろのリボンの所のダーツが

可愛らしい。


そんな美人の彼女を前にして、彼は

口をひらいた。


「美奈以上はいない

 前、話た通りだよ。

 俺の全てなんだから。だからゴメ

ン。」


美音は、暫くだまったまま、

突っ立っていたが‥

 「もう駄目なの?」



 「君からごめんなさいっていった

だろう。多分あの時にシッカリ

終わったんだよ。


  少なくとも俺には大好きな

  美奈がいるんだ。

  だれにも、

美奈を渡したくない!。

  たったひとりの子なんだ。

  零れて溢れるくらい愛が止まら

ない!


  ゴメン。

  思わせぶりな態度をとったな。」


一朗太はサンタクロースをみて、


  「愛してるんだ。」


そう言った。

神戸牛は、いや美音はフッと笑う。


「私も最後の賭だったの。

 フランスに帰るわ。

そして結婚する。

 あなたが引き止めてくれたなら

 やめるつもりで帰ってきたの。

 酷いわ‥

 こんな人前でふるなんて、最低!」


そう言ってクルリと背を向けて帰っ

て行った。


美奈は、振り向いた一朗太が両手を

広げるのを見てツーンとした。

 

しかし

一朗太はもっと、

広く両手をひろげてブンブン振った。


ウズウズしながらも耐える


「美奈、コイ!!」

と叫ぶ一郎太に我慢も決壊

美奈はたまらず一朗太に飛び込んだ。

“あーあ直ぐ落ちるのはなぜ?“

美奈は少し不服ながらも一郎太には

逆らえない自分がいる。

初めての男だからなのか?

彼しかしらないからか?

逆らえない!?




俺は最低だ、でも今しかなかった。

神様が合わせてくれたんだ。

そう思って良いですか。

僕は医者として、研究者として

人の命に関わっています。


だからこそご褒美だと

美奈に会わせてもらえたのは

神からのご褒美だと自惚れました。

神様、感謝いたします。

アーメン、一郎太は神に感謝を

捧げた。

クリスチャンではないけど素直に

感謝した。


「そーだ‼バイト!! 」


  「あ、バイト中?」

一郎太は美奈を見て呟いた。


「そそ!」


「あ!! この三千五百円の

バターケーキ、

 この根っ子みたいなケーキ

 後、モンブラン

 アソートケーキ


       エツ


.。oO「1万じゃないのか?3500円を

一万でボッタくるつもりだった

のか?」


 あと牛乳。

 ケーキに冷たい牛乳最高。

 あとべんとう。

 ぁ、ヨーグルトはブルーベリー

の やつね。

 あと、ポテチとか炭酸!

 後から食べにくからヨロ。バイバイ。」

美奈は振り返り確認するように

口に手を当てて声を小さめに

叫ぶ

「ちゃーんと買っとかないと

ヤラせないから!」


(꒪꒳꒪;)ウッ

それは一大事と一朗太は病院関係、

薬品関係、大学の学生を

呼びつけ、さっさと

ケーキの在庫をカラにさせ、美奈を

連れ帰った。


「仕事はちゃんと

終わらせないとな!! 」


ケーキを二人で抱え、コンビニ袋を

かかえ、一朗太の高級マンション

につくと、直ぐ求めてきた。



「だっだっだめ!」


「仲直りもちゃんとしょうぜ。

美奈の言ったモノ買ってたじゃん。」


 「は、腹腹減ってんだから」

あれ〜

「メシが先だょー」


「どーすんの!!

メシ━━━━━━━━━━━!!」





 










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