第33話 美奈の20歳の始まりは?
ああ!あんな心配してくれて
怒りながらも
気が済むまで待ってて
くれる‥
いい旦那さんだな。
一郎太のDNAを欲しがっているの
は美奈だけじやない。
恵さんも彼の子供を狙っている。
今日も二人は一緒のはずだ。
恵さんはもう30歳、
一朗太を裏切った事を
反省しているのは誰が見ても
良く分かる。
一郎太が好きなら何で浮気なんか
したのさ?
二人が一緒なのは凄く嫌だ!
しかしこれは飲み込むしかない。
一郎太の補佐が出来るのは
私ではない恵さんだ。
学もあり才女で
四カ国語ペラペラな
恵さん無しじゃ一郎太も
不自由な筈だ。
私は日本語と学校で嫌々学んだ
話せない英語
仕事の事は口に出来ない。
何も手助け出来ないし…。
恵さんと、どうのこうのはないと
思うケド、ケド…どう言ったって
前カノ六年の歴史が頭をよぎる
のです。
後、二週間は会えない。
京都へ接待と言う名の…
不倫旅行?かも?
さかさかさかさか足早に一郎太は
出て行った。
「ウ~ン妻としてドンと
構えていればええ の !!か?」
悶々とした一週間が過ぎた。
後一週間帰って来ない。
いや待てよ。
私の所に帰ってくる気無いんか!
マンションに
恵さんトコに帰るん
か?…
河原の野草化したミントを
摘み取り
ながらカミカミ
鼻を抜ける香りは美奈をあざ笑う
かのようにほろ苦く、あの独特な
ハーブの清涼感。
ハアハアハアハア嫉妬しながら
噛み散らしたミントが散乱する。
散歩中の犬とオバチャン達が憐
れみの顔を見せながら
眉をしかめつつ歩いていく。
そうやって
地獄の追加一週間をなんとか
クリア。
「何で、メールもラインもしない
かなぁ‥
何でかなぁ!!
まさか嫁の誕生日、知らない?
カアハハハ、ナイナイ
ん?イヤイヤイヤ何の冗談!
きっとサプライーズ
0:00になったらクラッカーと
一緒に
百の薔薇の花よ!!
イヤイヤ0:00は今日だよね。
過ぎてらぁー
まだまだ夜は23時59分6o'
まである。
ギリ夜中の23時59分60秒
夜中の0:00は過ぎたけど
まだまだ今日の時間はある。
携帯で時間を確かめる。
まだ13時じゃん。
サプライズ!サプライズ!
薔薇の花よ。
Д!! 花瓶そうだぁー
雑貨屋さんで買って帰ろー!!
14時…ソロソロかなぁ
15時…なんのなんの!!
16時-17時-20時-忙しい時間帯!
21:00→23:00→まだまだ、後一時間ある!
0:00超えた!!
誕生日の次の日が始まった。
イライラ、ウロウロしていた
美奈はペタンと座り込んだ。
何だかなぁ~!!
やっぱりなぁ~!!
グシャグシャになった離婚届は
一朗太のあの日着た背広からはみ
出していた。
ガサゴソガサゴソ
開いて見ると一郎太の字が浮き上
がって見えた。
テーブルの上のケーキを
シャモジで
すくって飯茶碗に装う。
カレースプーンで
チョコを砕き口いっぱい、
ほうバル。
パリパリパリパリチョコの
軽い歯音が響く位の静寂
happy barstday to me
happy barstda y to me
……ハピバスデイ~♪♬♩
歌う気も無くなる。
みじめ過ぎる。
まぁ長い夫婦生活こんな事も
あるさぁ~♬
結婚後初めてのBirthday。
初めての
初めましてのBirthdayなんだよ。
元カノに×_×・・・ヤラレタバースデイ‼
美奈撃沈
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