第32話 見て学ぶ
6月7月8月~12月アッと
ゆう問に一年が終わった。
相変わらず多忙な一郎太。
一年の半分は研究で泊まり
ナンチャラカンチャラで美奈とは
すれ違い。
学校で仲の良い友達も出来た。
美奈と一郎太は夫婦ではあったが
一郎太はマンション
美奈はアパートと、結婚前と同じ
スタイルは崩していなかった。
別居婚
相変わらず
一郎太のマンションには
学生が泊まり込み、
恵さんも、立ち入っていた。
彼女には付き合えないと一郎太が
何度言っても、自分の過ちのせい
だと思っているらしい。
好きな女が要ると言っても
「一郎太が許してくれるまで
償います‥。」
の一点張り!
彼の母親とも接点を持ち
気に入られ廻りから固めていく
作戦らしい。
美奈も19歳、当たり前だが
一郎太が1つ年をとると、
美奈も年をとる。
もっと悲しいのが恵さんも
30に突入。
一郎太にその事を伝えるけど
打つ手がない。
オトコには分からない
タイムリミット
女には賞味期限がある事を
しりなさいよ!!
完璧に彼女が浮気しなくて
一郎太があの日彼女の部屋で
浮気を目撃しなかったら、
そして一郎太と美奈が出会わな
かったら‥
二人はとっくに
ウエディングベルを、
ならしているはずだ。
美奈も人事には思えない、彼女の
本気は悲しいぐらいだ。
二人っきりにはならないように
注意してる。
と彼は言う、今は彼の言葉を
信じるしかないが
彼女の一途なところは
見習いたいぐらいだ。
最近一郎太の
京都への出張が増えた。
エ~またぁというくらい。
「そりや変やろ~」
「やっぱりそう思う?」
「確かにな。」
「後付けたろか
うちらで!」
専門学校で仲良くなった花音、
志乃、サツキはロをそろえて怪しんだ。
見るからに好奇心の固まり
小柄で機敏、何でもサツサツサと
片ずける行動派の花音。
知的で、お淑やか、
見るからにお嬢様お育ちの志乃は、
何でも頭で計算!
長いロングヘアーをゴムで
結わえ仮説を立てながら
考える派
これまた気が短くパパパとかたずけ
たいサツキは、何でもトライ派。
三人が三人とも性格は、バラバラ
それに結構皆かわいい系
今では何でも相談している。
勿論美奈が結婚している事も
知っている。
そりゃあ皆さんぶったまげて
いたが事実は、事実!!
相手が百武一郎太と知つた時の
一同の顔は、il||li (OдO`) il||li
凄かった。
雑誌でも時々紹介されるほど
旦那様は凄く人気があるらしい。
ツーショットの写真を見せるまで
馬鹿にされていたが
見せた時の顔は笑えた。
顎がはずれるって
こんなんなるんだと
笑えたwww。
一郎太のマンション前で
お爺ちゃんとお婆ちゃんが
口喧嘩していた。
一朗太に、今日は魚の煮付けと
煮物を作るからと、買い出しを
頼まれて一朗太のマンションの入
り口の公園についた時だった。
お婆ちゃんはトイレに、
行きたいと訴えて、
またエレベーターに、
乗りこんだ。
お爺ちゃんは30分に六回も
行くのかと呆れていた。
そう痴呆症だった。
お爺ちゃんは度重なる
婆ちゃんのトイレダッシュに
遂にキレて、怒鳴っていた。
「便所で、尻ひっぱっても、
出るもんか!」
叫んでも無駄だとお爺ちゃんは
知っているが
叫ばずにはいられないらしい。
カッカカッカイライラ
多分二人でお買い物かな?
何回も繰り返しトイレに、急ぐ
お婆ちゃんをよーく見ると
一朗太の部屋の
隣人だった。
たまに顔を会わせた時
話をしたけど、お婆ちゃんは
普通に受け答えしてくれる。
だけど何回あっても
初めましてと言われる。
お爺ちゃんはお婆ちゃんの手を
握りしめ、アッと美奈を見ると
恥ずかしそうに頭をかいた。
美奈もペコリと頭を下げた。
昔美奈が子供の頃を思い出した。
「自分の嫁の面倒は
自分で見ろ!!」
とどっかのジーさんが仲の
悪い息子のお嫁さんと喧嘩
した時息子さんに叫んでいた
そんな事をフッと思い出した。
おじいちゃんとお嫁さんは
犬猿の仲、顔を見たら喧嘩
でも
このおじいちゃんは
ちゃんと自分のお嫁さんの
面倒をしっかり見てるんだなあ
お婆ちゃんの賞味期限は
過ぎてしまったのに
おじいちゃんはしっかりと
手を繋いで歩いている
パートナーを思いやる気持ち
これが愛情と言う物なんだなぁ
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