第14話 朧車
~
僕と同じマンションの住人で、とっても粗雑なおっさんが居る。
挨拶をしてもガン無視するし、それでいて典型的な中年小太り&小柄な男の癖に、変に態度だけは大きかったりする。それが又僕の神経を逆なでする。
まあ、それは別に良いとしても、ゴミ出しのルール違反が目に余る。分別をしない、時間を守らない、粗大ゴミの放置は当たり前。全て
一番
駐輪場の自転車にしたって、べらぼうに幅を取る停め方だし、駐車場の車だって枠内を大きくはみ出ている。こちらも揃って粗雑だ。
そして最も悲劇なのは、僕とこのおっさんの駐車場が隣合わせであると言う現実だ。
まあ、おっさんはこんな感じの粗雑オブ欠陥人間なので、
昨日まで僕の車は無傷だった訳だし、犯人はあのおっさん以外考えられない。
クソが。これから外出しようと言う時に何たるこったよ。マジであいつ粗雑が過ぎるだろ。
これには温厚な僕も、
そのような折、丁度この憎きおっさんが、
おっさんは車から降りると、何食わぬ顔で立ち去ろうとしやがったので、僕は思いっ切り大きな声で、「おい! ちょっと待てよ!! おっさん!!!」と 怒鳴りつけた。
すると、おっさんは急に声を掛けられた物だから、一瞬ビクッと体が反応した後、胸を押さえて苦しみ始めた。
おっさんは「うう……持病の心疾患が……た、頼む……救急車を呼んでくれ……」と
僕は「ちっ、しょうがねーなぁ」と、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます