第7話 ダイダラボッチ
~ダイダラボッチ……日本の各地で伝承される巨人。山や湖沼を作ったという伝承が多く、元々は国づくりの神に対する巨人信仰がダイダラボッチ伝承を生んだと考えられている(鬼や大男などの妖怪伝承が巨人伝承になったという説もある。)。柳田國男が『ダイダラ坊の足跡』(1927年(昭和2年)4月、中央公論社)で日本各地から集めたダイダラボッチ伝説を考察しており、ダイダラボッチは「大人(おおひと)」を意味する「大太郎」に法師を付加した「大太郎法師」で、一寸法師の反対の意味であるとしている。※フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋~
私は横断歩道を渡るのを見守るボランティアをしているアクティブシニア。小学生の登下校時、通学路に旗を持って立ち、児童を誘導している
近頃、我が町では子供の失踪事件が多発しており、他のボランティア職員一同も、より一層目を光らせている現状だ。
この事で、犯人であると疑われた人物が一人挙げられている。
彼は子供の頃から屋外排泄などの迷惑行為をする
しかし、相手は何をしでかすか分からない巨漢である。下手にクレームをつけて、何かしら仕返しをされやしないかと、みんな怖くてはっきり言えないのが実情だ。
そしてそんな中、つい最近にも、とある民家でちょっとしたボヤ騒ぎがあり、真っ先にこの大男が放火をしたのではないかと怪しまれた。
それもその筈。この大男が第一発見者であり、喚き散らし騒いだ御陰で、即時に火元は見付けられて鎮火されたからだ。
だが、実際はこの家の火の不始末であった事が分かり、大男の犯行では無かった。それでも、大男に対する周囲の疑いは晴れなかった訳だが。
更にはここ数日の内に、複数人の学童が
私自身も以前に、この大男が野良猫を追い回しているのを目撃した事はあったのだが、この度は
いや、こいつはもうアウトだろうって事で、私は警察と連絡を取り、生徒達が付け回されたと言う現場で大男を待ち伏せていた。
すると、案の如く、のこのこと大男は現れ、奇声を発しながら少年少女らを追っかけ始めたのだ。
当然ながら、即刻待ち構えていた警察に御用となり、大男は現行犯逮捕と相成った。
捕獲された被疑者が連行され、パトカーに乗せられる寸前まで、大男は般若のような形相で私を睨み付けながら、訳の分からない言語で捲し立てていた。
ひょっとして今作戦を思い付いたのが私だと気が付いて、その怒りやイライラをぶつけていたのであろうか?
うむ、ああいった輩は動物的な勘だけは鋭いって聞くしね。
しかしまあ、これで町内に平和が訪れると言うものだ。
私も暫し
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます