夫婦喧嘩

「キミが働きたいって言ったんじゃないか。俺に当たるなよ」

「当たってないわよ。貴方がダラけているから注意しただけ」

「何で上から目線なんだよ。おかしいだろ」

「はぁ? なに卑屈になってんの? 別に上から目線じゃないでしょ」


 はい。

 それから冷戦状態です。

 互いに一言も口を聞いていない。

 まあ、よくある話、互いへの不満が噴出しちゃったんだね。


 妻の仕事がピークなのも分かるよ。

 仕事のプレッシャーや、ストレスで神経がすり減らされる。

 それが分かるから、家では寛いで欲しいと思っている。

 でも、いくら気がたっているからって、

「貴方は良いわよね、家でゴロゴロしてられて」

「え、夕ご飯これだけ?」

「また豆腐? 離乳食、ワンパターンすぎて陽奈、可哀想じゃない?」

 の3コンボで、こられると堪えるんだよ。

 俺だって頑張ってやっているんだから。

 それに、仕事をしている妻は昼間多くの人と触れ合って会話をしているだろうけれど、俺は会話するのはキミだけって日もあるんだよ。

 

 俺の評価者は、キミと俺自身しかいないのに、キミに否定されたら俺は自分がとんでもないダメ人間に思えてくる……。


 

 ため息をついた時、陽奈がぐずったので、抱きあげてあやした。

 彼女が嬉しそうにニコニコっと笑ったら、何故か嬉しくて泣きたくなった。


 ははっ。慰められちゃったよ。


 そうだよな。

 誰かに評価してもらおうと思ってやっているんじゃないもんな。


 妻はまだプリプリモードだから、まだ声をかけづらいけれど。

 明日は、栄養たっぷりミネストローネでも作ろう。

 

 


*赤城の育休メモ*

 夫婦は、お互いに期待するものがあるから、そこが噛み合わないと喧嘩になる。

 課題がある場合は、しっかり話し合うしかない。見て見ぬ振りで後で大爆発の方が怖いからね。

 喧嘩ってしてしまうと、中々収まりがつかない。少しでも悪いなって思ったら、スキを作って謝り謝られやすい状況を整えよう。


 ちなみに、子どもが産まれると「ママ」「パパ」になる訳だけれど、2人の時間には「女」「男」である事を意識するのも大事だと思う。互いをちゃんと名前で呼んだりとかね。

 愛しい人に「男」として認識されなくなったら俺は悲しいから。彼女に対しても女性としても好きを伝えるように頑張ってる。

 

 

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