第23話 ~煜焔のこぼれない話~
「なはは、
「ふん。平凡過ぎる中流中の中流家庭で、至極詰まらぬ限りよ。いっその事貧困に
「なはは、それは別にええやんけ。第一線で活躍しとるプロのお笑い芸人さんかて、普通の家庭の人が多いがな。んまあ、中には大金持ちの人も居るけども、十人十色でええんやで」
「ふん。何度も言わせるな圭助よ。一般大衆と同じでは面白くないんだよ。ふん。僕は何時の日にか、この家が
「なはは、何をぬかしとんねんお前は。その考え方は、完全に途轍も無いキ○ガイサイコパスのそれやんけ。心の闇が深過ぎるやろ。頼むさかい
「ふん。それは「水を掛けろ」、ひいては「やれ」と言う
「なはは、ちゃうわボケ! どんだけお笑いに毒されてんねん。常識とボケを混同すんなや。何でもかんでもお笑いに変換しとったら、
「ふん。お笑いで死ねるのならば、まさに本望よ。所で
「なはは、はぁ、さいでっか。って、急に何を言いだしとんねんお前は。
「ふん。そのシチュエーションを意識して発言したに決まっておろうが。だから肉体関係を持とうとするのは
「なはは、するかボケ! ホンマきっしょいな自分。……なはは、せやけど、この手のネタは人を選ぶし、あんま多様せん方向で行こうで」
二階にある
「ふん。我が妹である
「はい。かしこまりました
「なはは、どうぞお気遣い無くですわ。煜から話には聞いてましたで。そかそか、君が煜の
「ふん。いきなり馴れ馴れしいな。もしかして貴様、年上好きの皮を被ったロリコンなのではあるまいな?」
「なはは、やかましわ! 結ちゃんの前でなんちゅう事を言うねんなお前は! それに
「ふふ。矢張り兄様の相方だけ御座いまして、誠に
しずしずと、しかし笑顔を絶やさぬまま、焔結は部屋を後にする。
「なはは、何や何や。
「ふん。ああ見えて高学年突入記念の小学校四年生だ。どちらにせよ、全世界の
「なはは、そうなんやな。んまあ、どのようにもあれ、しっかりした妹ちゃんやんけ。煜と同じ環境で、ようもあんなええ子に育ったな」
「ふん。僕以外の家族は皆あんなものさ。言い換えるとだな、お笑いとは無縁の退屈な人間共だ」
「なはは、そないな事言うてもな、人には得手不得手っちゅうもんがあるやんかいさ。煜のご家族はお笑いに向いてへんかったっちゅうだけの話やで。それにほら、結ちゃんを見てみいや。笑顔が素敵やん? この長所が活かせる物事は、世の中に
「ふん。あの愚妹の笑顔が素晴らしいだと? あんなどんな状況でも笑う事が出来る作り笑いの偽物がか?
「なはは、何もそこまで言わんでもええやないか。それに常にスマイルが出来るって凄いやん。それって立派な才能やで」
「ふん。誰とも争いたく無いが故に編み出した、奴らなりの処世術さ。ふん。んまあ、数年後にその不満が爆発し、何者かを刃物でめった刺しにする近未来までは予想出来るがな」
「なはは、ホンマになんちゅう事を言うねんなお前は! 実の家族になんぞ怨みでもあるんかいや! それやったら煜だけ刺されたらええねん! いや、それやったら結ちゃんが罪に問われる! せやさかいワレがオノレをさして自爆したらええねや!」
「ふん。怒濤の罵倒に僕はご立腹だ。ぷんすこぷん」
「……お? 何や何や?
「ふん。どさくさに紛れて貴様が苦手とする麻琴君と交換したいだけじゃねえか。僕としてはそれも構わないのであるが、そんな理由では妹はやれんし、貴様が結の
「なはは、ほんなら、せめてTEN○Aをフル活用する事をお許し下さいや。ちゅうか、何でそないな下世話な話にまで陥ったんや!
このタイミングで丁度お茶を運んで来た焔結。咄嗟に乗っかってしまった下ネタ系の
だが、焔結はその様子を見て、やはり誰もが癒される天使の様な微笑みを見せるのである。
その
毎度お馴染み、「ふん」と「なはは」のとある日より(笑)。
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