第10話 続・1日に100回くらい謝った件。

続く、と書いて、またちょっとご無沙汰、すみません。。。


何がとは言いませんが、このところちょっと忙しかったりしてて。



で、先日の「1日に100回くらい謝った件。」の続きです。


これも発端は前の日になるけれど、一本の電話がかかってきたんですよ。

最近よく来る、


阪神のじゃなくて、「出張買い取り」!!


まずは、事実を淡々と書きますね。


「明日、お住まいの地域をお買い取りで回ることになっているんですけど、オクサマ、衣替えで出た着ないお洋服、バッグ、くつ、あとね、使わない食器とか、壊れた時計、家電、楽器、それから、古くなったアクセサリー類、切手など、一着、一個からでもいいので、ありませんか?」


こういう電話が、この数年、よーっくかかってくるんです。


私は、どんなにうちに不要品があふれていようとも、ていうか不要品があふれてないことの方が珍しいくらいなのに、ある事情から、こういうのはピシャリと断ることにしてるんです。


が、困ったことに、時々とってもしつこいオバさんがいまして(電話してくる係(?)はたいてい中年女性)。


で、この日も「あぁ、今、全然そういうのないんですよね、処分したばかりで」と大ウソをついたらば、そんなわけないというナゾの確信が湧いたらしいオバさん、「でも、衣替えの時期ですし、1着くらい着てないお洋服、ありますでしょう?」と食い下がってきた。電話を切る気配が1ミリもない。


そして、「私ども、海外にも送っていて、かなりひいきにしていただいているんですけど、今ね、お品物がとても不足していて、困ってるんです。本当に1着でも助かるんですけど、何かないですかね〜?」と、あの夢グ○ープの「お願い、社長ぉ〜!」のノリでたたみかけてくる。


そこでふと、数日前にクローゼットからある物を出す時に、よっこらしょとどけた大きめの紙袋が、私の頭に浮かんだのです。

それがまさに、今現在の我が家の不要品を入れた袋で、いつの間にか意外に多く溜まっていた……ということを認識したばかり。

あれは確かに、邪魔だった。


年末までに近くのリサイクルチェーンに持ち込もうとは思っていたけど、誰かが来て全部持って行ってくれたら、すっごくラクだわ〜〜


いやいや、何言ってんの!? 出張買い取りって最初からそういうもんでしょ!! 出張なんだから。

と、今これを書いてる私は突っ込めるんだけど、その時の私はなぜか「ラクだわ〜」に負けたわけで。


さっき、「ない」と大ウソをついてしまったために、「ラクだわ〜」実現のために「本当は不要品はあるんです。なのに、ないって言ったのは、以前……」という身の上話(?)までする羽目に。


この身の上話の内容は、よくないことが重なってメンタルが停滞して、カクヨムも離れて……という自分の近年の状況に向き合って(書いて)みる、と今年の春に宣言したところにもつながるので、また改めて書くとして、とにかく電話の翌日=スマホが壊れたと思った日の夕方に、出張買い取りが来ることになったのでした。


私はいそいそと紙袋を玄関のところに用意しておいて、査定員が来ると「こんな狭い玄関ですみません」とまず謝った(この日、71回目の謝罪)。


それから、セットものじゃなくてもいいと言われたので用意したバラバラの食器を差し出した時も「すみません、本当にこんなものなんですけど」と謝り、査定員が狭い玄関でおシリを新聞受けの出っ張りに思い切りぶつけた時も狭いことをまた謝り……と、査定員が一点一点確認して写真を撮って「本部」に送信する間、順調に謝罪回数を重ねて行った。


自慢じゃないけど、出したものはどれも未開封か、未使用か、試しただけでほぼ新品同様、というものばかり。

査定員のお兄さんも「まだラベルついてますね」とか「封開けないでおきますね」とか言って、こっちも以前の出張買い取りの時の話なんかして、打ち解けた雰囲気で盛り上がるうち、私の気持ちは「お品物が足りなくて困っている」というこの会社に協力してよかったわ〜〜、ラクできたわけだし……と、スマホ事件も吹っ飛んでいくくらい上がってきていた。


で、最後の最後、いよいよ査定額が下されるわけだ。。。


「オクサマ、たくさんお出しいただき、ありがとうございました。

汚れたもの、壊れたもの、一つもなく、すべてきれいなお品物でした。

我々、店舗は持っておりませんで、連携している会社さんに転売するというスタイルなのですが、今回のお品物、残念ながらお買い取りはなりませんでした」


私はお兄さんの顔を見たよね、たぶん上がった気持ちそのままの笑顔で。

お兄さんの言葉の真意が理解できるまでに、何秒かかかったもんで。


「え、一点も?」(注:笑顔のまま)


「はい、すみません」

今度はお兄さんが申し訳なさそうに、でも笑顔で謝ってきた。


そこでなぜか、「いえいえ、かえってすみません、せっかく来ていただいて、お手数かけちゃって。こんなのしかなくて、ほんと、すみませんでした」と、なぜかまた何度も謝る私。


お兄さんは「いえいえ。では、そういうことで」と、そそくさとドアを開けて出て行った。


それから、1分くらいかなぁ、玄関にボー然と立ち尽くしてましたね。。。


「お品物が足りなくて、困ってるんですぅ〜」「何でもいいんで〜」って、何だったん??

ないって言ってるのにしつこく食い下がって、私の身の上話に同情して、うちはそんな業者とは違いますからとか言っておいて、一点も引き取らないとは。。。


えっ、「ラクだわ〜」に負けた私が悪いの!?


さておき。

こうして出張買い取りの時も体感で30回くらい謝った気分だったので、夜、帰ってきた夫のM夫くんに「今日さぁ、私、100回くらい謝ったんだよね」って、一部始終を話したのです。


それで、M夫くんが珍しくすごい形相で「え!?」と何度も真剣に訊き返してきたのが出張買い取りのクダリなわけで、「呼んだの!?」「うちに!?」「査定員が来たの!?」と、同じようなことを言葉を変えてしつこく確認するように訊いてきました。

よっぽど信じられなかったってことですねー。


まあ、こうなってみると、私がまた出張買い取りを呼ぶなんて、自分でも信じられなかったけど。。。


というわけで、(体感で)100回謝った件は以上、なのだけど、近々上記の身の上話(?)を書こうと思っています。

それは、私のメンタルが停滞して行った去年あたりからの話に含まれる重要項目なので、まずは順を追って(or順不同に)「自分の近年の状況」から書いていこうと思います。(何より、自分が記録しておきたいので)。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る