第八章 ISAKA M37

 アパッチやブラックホークなどの機体が奴らを掃討している間に、チヌークに乗ってS45の上空に到着した幸とジャックスは降下準備をしていた。

「ウィングスーツによるムササビ降下方法か、良い提案だな」

「でしょ?」

 得意げな表情でジャックスにほほ笑んだ幸の頭を軽く撫でた後、飛び落ちるかのようにチヌークから降下を始めた。

「降下、降下、降下!」

 機内長が大声で叫ぶのに合わせて、ジャックスから先に降下を開始した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 その頃、勇栄隊本部基地の見張り台には男2人と女1人の計3名で周辺の警戒をしていた。

「暇だよな」

「ああ、暇すぎる」

「ええ。そうね、でも……万が一でしょ?」

「ああ、そういう事だ。例えば、空から人が降って来るとかじゃないとこのボタンを押しちゃいけない。とか――ぐh!」

 その時、喋っていた男が急に血を吐いて倒れた。その後、駆け寄ったもう一人の男も血反吐を吐いて前のめりに倒れた。

「おい、大丈夫k……」

「ちょっと、嘘でしょ……?」

 女はそのまま空から降って来たジャックスのクロスボウガンに貫かれて、即死――絶命した。

「本部、こちら来たゲート!異常発生s……‼」

 ムササビスーツから落下傘に切り替えて着地すると、イサカM37に持ち替えてガーランドを持った幸と共に勇栄隊を目指して歩き始めた。

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