第七章 PARTNER
LM002の部品が宙を舞う中、傍に落ちていたMK45A1を拾い上げてトリガーを引いた。
「くらいぃぃ、やがれぇぇぇ‼‼化け物めえぇぇぇぇ‼‼‼」
五・五六ミリ弾を百五十発撃ち尽くした後、急いでM72―LAWに持ち替えて奴らの集団の中目がけてぶっ放した。それでも奴らは減らないのでMG―34に持ち替えてトリガーを引いたのだが、弾が出ない。
「あ!弾薬無いじゃン‼‼」
MG―34を放り投げて迫って来ていたゾンビの頭部にぶつけると同時に、進行方向に足を延ばしながら順に地面に身体を擦り付けて滑り込みながらSCAR―Hを拾い上げた。そのまま、ゾンビの頭に狙いをつけてアイアンサイトを覗きながらヘッドショットを決めていく。
このシーンだけなら、とあるFPSゲームのMVPに選ばれそうだ。
「5キルをしたぞ。って、言っても仮想世界じゃない。現実ナンダ……」
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その後も射撃していたが、とうとう持っていた弾薬が尽きた。
「リローディング‼――ハッ!弾が無い‼」
防弾チョッキから替えのマガジンを出そうとしたが、触って分かった。弾薬なしだ。
クソッ!ここまで来て、奴らになるのか……。
諦めかけた時、遠くの空からヘリの音が聞こえて来た。まさか、幻聴では無いのかと疑ったが……どうやら本当のようだ。見上げると、遠くの方にAH―60L《ブラックホーク》が3機とAH―64《アパッチ》が2機も見えた。
「味方……か?」
眺めていると背後から手が伸びてきて肩を掴まれた刹那、G3とMP5Kを装備した3個小隊が3機のブラックホークからそれぞれ降下して来て取り囲んでいるゾンビを掃討した。
「大丈夫か⁉心配するな、衛生兵!彼を治療しろ!」
訳が分からない……、そもそも幸はセーフティタウンに置いて来たはずだ。
一人の兵士の後に続く感じで姿を現したのは、スマートフォンを手に持った幸だった。
「ど、うして?」
「だって、パートナーでしょ?私達は」
再び空を見上げると、アパッチがゾンビを機関砲で掃討している最中だった。
「大丈夫?」
「あ、ああ。大丈夫だ」
「はい。持って来てあげたよ」
幸の手に握られていたのは替えのマガジンや、七・九二ミリ弾を250発ベルト状にした物を肩から下げていた。
「行ける?」
「ああ、十分だ!援護しろ、奴らの向こうが勇栄隊という犯罪者共の巣だ!」
CH―47《チヌーク》が直上にやって来て、12メートルの高さでホバリングしながら2本のロープを投げ降ろして来た。
「ほら、行くよ。空挺降下すれば、奇襲になると思ってさ。要請しておいたよ」
「お、おう」
チヌークから降ろされたロープに器具を取り付けて、機内に搭乗した。
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