第六章 FAREWELL

 そう言えば、最近。スマートフォンにS※※という名前で更新してくる手記は、一体何だろうか?

 それに、地図を見て気が付いた事が有る。それは地図の縦と横に数字とアルファベットが描かれているもしかしてと思いながらも記している場所を見てみた。S《シエラ》39‥‥‥、今の位置だ。

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 LM002でセーフティタウンを飛び出して、何日経過したのだろうか?相変わらず奴らと遭遇しては慎重にその横を通り過ぎた後に、MG―34でヘッドショットしている。

「S44より更新――っと、後は食事の時間だな」

 最近、日記という名の手記を付けている。奴らの習性や自分の愚痴を書いている、いつの日か読む人がいる時のために残しておくためだ。

「はぁ……。目的地のアジトまで凡そ1キロか、ん?1キロといえば、最近更新された手記だとS45」

 ……あ(察し)、俺。死んだ――じゃない!何とか対策を考えよう……。

 更新された手記にはハングル語で{나는 지금 S45에 위치한. 이름이 기억 나지 않는 그것 죽겠다. 구원을 구한다!}とあったので、硬い頭で直訳してみると{私は今S45であります。名前を覚えていない、それたまらない。救いを求める!}と書いていた。

「どういう意味だ?さっぱりわからない」

 S45までのこり300メートルとなった時、奴らに交じって四足の生き物も姿を現した。

 なるほど、皮が無くて脳のような物が飛び出している様は、某ホラーゲームで見たリッカーそっくりだ。巨大な爪には血痕が付着して、口から長く伸びた舌が確認できた。

「おいおい、マジでリッカーじゃン……‼――勘弁してくれよ……」

 奴らにはMG―34で対応できるが、リッカーには効くか分からない。そもそも、弱点が分からない。ある男の手記には「××が有効」と書いてあるだけ。

 もしも光だとしても、射撃時に発生するフラッシュだけではどうにもできない。クソッ!

 双眼鏡で周囲を見ると、所々にSCAR―HやM72―LAW、MK45などが落ちていた。恐らく、ここに挑戦した物達の遺品だろう。

 被っていた防塵機能が付いている軍用熱感知機能付きヘルメットを脱いで、念のために防弾チョッキを体に巻いた。そして、LM002に背嚢から取り出したC4爆薬と破砕手榴弾を括りつけた。

「よし。大丈夫だ。落ち着け、良いかジャックス。3の合図で、突撃してやる」

 自分を落ち着かせた後、心の中で3カウントしてバイクのエンジンを付けてリッカーの方に向けて発進させると同時に落ちている武器の場所まで走った。

「相棒、短い間だったが。ありがとう……‼」

 C4のスイッチを入れて起爆すると、リッカーの上半身が吹き飛んだ。

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