第二章 BRAVE CORPS
バイクで走っていて気が付いたが、このバイクは自衛隊でも使われていた高機動バイクのLM002ではないか。
残り五百メートルという場所まで来たが、何やら前方から
俺が見えたのかはわからないが、ハンヴィーから降りてきた人がHK416の銃口をこちらに向けて近づいて来た。
「手を上げろ!繰り返す、生存者なら手を上げろ!」
急いで手を上げると生存者と分かったのか銃口を向けていた一人が近寄って来て、「今持っている物を全て地面に出せ!」と言って来たのでその通りにした。
「……それで、合格か?」
「ああ。どうやら生存者のようだな」
いや、見ればわかるやン!そこまで疑います、普通。
半分呆れながらも、背嚢を背負いなおしてAA―12を構えなおした。
「勇栄隊隊長の
リア充ですね、この人は。自慢のつもりか?
「名前を忘れたから替わりにジャックスと呼んでくれ、生存者を探している。知らないか?」
二人は顔を見合わせて、赤色のバツ印が付いた地図を見せてきた。
「この先のセーフティタウンにはもう居ないぞ、全滅だ」
「全滅?……別の場所に移動したのか?」
「いや、ゾンビになって徘徊している」
マジですか……。
言葉が出てこない、否。それだけ感染のスピードが上がっているという事だろう。
正義がバイクに眼を止めた。
「あのバイクは君のか?」
「いや、拾った。正確には、廃車の山で見つけた」
「ああ……、なるほど。コホン、それで――ジャックスはこの後。どうする気だ?」
「どうするとは?」
幸が配給食を持ってきた。メニューはコーンスープだけ、ひもじい。いや、こんな世界だからこそぜいたくは敵だ!
「食糧庫を開けて来たの、食べる?」
「頂こう、ジャックスもどうだ?」
「あ、ああ。悪い、いつからだったか。何も食べていなくて。有難う」
本当に覚えていない、最後の夕食がいつだったか。
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野営がてら世話になることになったのだが、寝られない。眠気が来るまで焚火の前でこうなる前の事を思い出していた。
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