戦争に翻弄される女性。それは壮大な物語の序章だった。

以前拝読した「妙子の青春」のスピンオフと言う事で読み始めたのですが、ここまで壮大なストーリーへと展開するとは思ってもみませんでした。

戦争に翻弄され、みじめな立場に貶められた芳江。
そこから脱却する為の逃走がまたしても戦争という悪魔に翻弄される。
大日本帝国、満州国、ソ連の思惑が交錯する戦場へ導かれるように身を投じる主人公が切ない。
だが、例え仕組まれた人生であっても生き抜こうとする姿に人間としての本質を見たような気がする。

戦場にいる人間が悪なのではなく、為政者たちが悪なのだ。
戦場にいる人間はだた生き抜こうと必死にもがいているのだ。
戦争の本質を改めて認識させられた気がします。

こんな時だからこそこの作品で戦争を考えてみてはいかがでしょうか?