風が吹くのを待っている

どんな過去があって

叶わない未来があっても

生きてればそのうちなんとかなるもんだ

それが嘘だと思ってた


いつかの幸せな情景が脳裏に浮かんで

余計に今の不幸せさがいやに目につくから

そういう事を見ないようにした

もう過去の幸せに心を痛めたくなかったから


あれからだいぶ経った

変わる訳はないと思ってた景色は変わって

そばにいる人は相変わらずいないが

それでも不幸せだとは思わなかった


だけど後悔や未練は未だ物干し竿で

今日も吹く穏やかな風に寂しくそよいでいる

そいつを「しかたねえな」と笑うしかなく

今日も取り込めずにいる


だからいつか強い風が吹いて

そんな後悔や未練が吹き飛ぶことを

心のどこかで期待している

それが自分のけじめだと信じて疑わない


今日も今日とて夕焼け空が寂しく見える

そう思うのは己の未熟さ故なのかは分からない

そんな夕焼けがまた「綺麗」だと言い合える日を

僕はまだどこかで心待ちにしている

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