忌まわしき過去に告ぐ

人それぞれの笑えない過去

そういうことが積み重なって

惨めな嘘で塗れた自分自身が形作られた

そして振り返るとそこには見たくもない過去が


本屋で所狭しと並ぶ自己啓発本と

床を転がる向精神薬と今や枯れた夢

枕元の睡眠薬と水代わりのアルコール

それらが物語るは自身の空虚か自棄か


彼女の腕のリストカット跡は堪えた涙の数

三流脚本家の文字量は自身への憎悪の塊

拒食過食は未来無き未来への号哭にも見え

救うための「施設」は今日も彼女の足を引っ張る


今持つ君の傷を過ぎたことだと笑えるか

そんな過去たちを無かったことにするには

些か僕らは傷つきすぎた

それでも霞む未来を諦められないのは何故か


今や僕らは戦わざるをを得ない時代に来た

「それでも歩き続ける者たちへ」

僕らが愛するあの勇士達は

そんな過去を引き摺る僕らの希望となるか


頭上に広がる晴れて曇る空に於いて

この十数年晴れ間を見た事は指折り程

だが今こそこの曇天を晴らすべきだ

僕らの忌まわしき過去と決別するには


今日もどこかで戦い続ける等身大の僕らが

消せない笑えない忌まわしき過去に告ぐ

泥臭く掴み取った未来及び幸福を汚さぬ為

今日ここに報復を宣言する



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