第11話 環境美化委員は俺の取り合い
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムの音が6時間目の終わりを告げる。
つまりは俺の最後の睡眠タイムの終わりを意味するということだ。
「スバ君。今日はあの日だよ」
起床と共に天使のような声で語りかけてくるこの美少女は学年一のマドンナであり俺がSNSで奇跡的に出会った人、平井胡桃である。
「え、何の日だったっけ?」
勿論なんの心当たりもありはしない。もしかして胡桃さんとデートでもする約束があったかな!?グヒ、グヒヒヒ、グヘヘ
『委員会の日じゃ〜ん!!何忘れちゃってんの〜!?ヤバいんだけど〜!!』
勢い良く現れたこの女は妙に俺に絡んでくる女の、白峰紀伊葉。胡桃さんとは打って変わってギャルである。俺はギャルはあまりタイプではないが、白峰の持っているおっぱ、いや溢れ出る魅力は男を魅了する。
「あぁ、そういえば今日は月に一度の環境美化委員の仕事がある日だったっけ。完全に忘れてた。」
そう、俺と胡桃さんと白峰は環境美化委員に所属している(第3話参照)。なぜ環境美化委員が楽なのかというと他の委員会は週一回の仕事なのだが、環境美化委員は月に一回の仕事なため人気なのである。
「さぁ、スバ君。一緒にゴミ拾い行こうね!」
『え、ウチと一緒に回るんだよね?もちろん』
えぐいえぐいえぐいえぐぃぃいい!!学年一の美少女と学年一ナイスバディギャルが俺を取り合っている状況じゃねーか!!なんだこの漫画みたいな神展開はよぉぉお!!明日俺は死ぬんか?いや、それで良いよ。本望やぁ、、。
「さ、3人で一緒に回ろうよ、、ね?」
俺は微かな声を必死に絞り出した。
♦︎
環境美化委員の仕事であるゴミ拾いは校内と学校周辺の2箇所を学年全体で回ってゴミを拾うというものである。そして今僕の目の前で修羅場が始まろうとしている。
『ていうかぁ〜、3人も要らないんじゃな〜い?
ウチとスバ君で足りる気がするんだけど』
「いやいや、だったら私とスバ君の方が真面目にゴミ拾いできると思うんだけど」
どうすればいいんだ、、、。俺は今どう言う答えを出せばいい?両方天国ではあるが、どちらかを悲しませてしまう、もしくは怒らせてしまうことになるよな、、、どうすれば、、ハッ!
「分かった、こうしよう。校内は俺と白峰さんで、学校周辺は俺とく、胡桃がゴミ拾いするって言うのはどう、かな?」
「じゃあ、そう、しよっか。」
『まぁ、しゃーなしね〜本当は両方が良かったけど!!』
なんとか折り合いをつけることができたが、ここからが勝負である。俺はなんとしても胡桃さんに嫌われてはならない。
なぜなら、、なぜならば、、、このまま行けば胡桃さんの水着を見られるチャンスが待っているのだから!!白峰とのゴミ拾いを穏便に済まし、胡桃さんの好感度を保つ。これが俺に課されたミッションだ!!
俺の仁義なき戦い(胡桃さんの水着のため)が今始まる………!!!
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