第4話 委員会が超楽園なのだが
「行ってきまーす」
『いってらっしゃ~い、スバちゃん』
(俺は少し気まずい気持ちを抱きつつ、家を出た……なぜならクラスのS級美少女に他の女子とあまり話さないでって言われたからだ、つまり”嫉妬”ってやつだよなコレ!?俺の勘違いなのかなぁ……でも、なんか申し訳ないというか、気まずいから今日謝っとこうかな……)
俺は一人でブツブツつぶやきながら学校に向かった。
「……胡桃さん、ごめんね?」
俺は
『いや、こちらこそ。なんかムキになっちゃってごめんね……あと、”胡桃”でいいから!……でも、仲良くしすぎるのもダメなんだからね?』
「わ、分かった……気をつけるよ」
俺は内心、燃えるくらいドキドキしていた……
◆
キンコンカンコーン コンキンカンコーン
『はぁい、授業を始めるぞ〜』
今日はみんなが全く期待していない、”委員会決め”の日なのだ。俺は、できれば一番楽な委員会に入りたいと思っている。だが、全員がそう思っている……だから結局クジを使って決めることになるのだ……
『よぉし、どうせお前ら。一番楽な”環境美化委員”が希望だろ〜?もう早速クジで決めちゃうぞ〜?』
早速、クジで決まることになった……環境美化委員になる確率は”15分の1”……うちの学校は各委員が男女一人ずつとなっている。つまりは男子の中で一人だけが楽園を掴める……俺は、絶対にこの楽園を掴んで見せるッッッ!!
出席番号順でどんどんクジを引いていく……現在15番まで引いているが、まだ環境美化委員は出ていないッッ!!21番の俺が!!絶対に引くんだよぉぉぉおおおおおおおおおッッッッ!!!
『21番』
俺の番が来たぁッッ!!絶対に!この俺がッッ!環境美化委員という名のぉ!楽園を掴んでやるんだぁぁぁぁあああッッッッッ!!!
「「ズバァッッッ!!」」
クジを引いた!!これを先生にわたすッッ!!結果はどうだぁぁああッッ!!
『はい、高山くん。環境美化委員ね』
「「「ンニッシャァッッッ!!!」」」
俺はキャラに見合わない謎の奇声を上げてしまった……
『はい、平井さん。環境美化委員ね』
「………ほぇ、?」
教室がどよめいた。そりゃあそうだろう、みんな環境美化に入れなくても変わりにクラスのS級美少女である”平井胡桃”様が同じ委員会だったら、ギリ耐えだとみんなが思っていたのだ。それなのに、一番楽な委員会に、しかも一番の美女……俺は、クラスの男子に殺されてしまうんじゃないのかぁぁああ〜〜ッッ!?
『ま、まぁ、高山ならまだ耐えやな……』
『おぉ、高山か、セーフッ』
『まぁ、羨ましいけど、高山なら安心だわ……』
………どうやら、俺はクラスの男子から謎の信頼を得ているようだ……少し悲しい。
『あ、そうだ!!今年から環境美化委員は仕事が増えるから男子一人、女子二人になったんだった』
「………ほ、ほぇ、?」
『私がいきま〜すっ』
巨乳ギャルの白峰紀伊葉が挙手した……俺は頭がパンク気味である。
そして教室がどよめいた……なぜなら美化委員が引けなかったものの、巨乳ギャルの白峰さんが来てくれたらまだギリギリ耐えだと誰もが思っていたからである。これは絶対にクラスのみんなに殺される……クラスのトップ二人と一緒の委員会。これ以上ない展開である……絶対に終わったぁぁぁあッッッッ!!!
『まぁ、ホントギリ高山でよかったわぁ……』
『俺マジで他のやつだったら殺してた〜高山でよかったぁ』
『羨ましいけど……まだマシよ、高山で……』
俺はやはりクラスの男子から信頼されているようだ……もう少し嫉妬してもいいけどな……?
『早速!今日から活動があるからみんないくようにねっっ!!』
俺は楽園の環境美化委員の上に、天使二人が加わり”超楽園”になってしまった。
◆
『委員会をはじめま〜す』
委員会が始まった………のだが、凄まじく気まずい状況である。右に”平井胡桃” 左に”白峰紀伊葉”という状況である。そして、目に見えない圧を両方から感じる……
『スバ君、席変わろっか?』
『えぇ、?胡桃ちゃんはスバ君って呼んでるんだ〜知らなかったなぁ〜?』
『えぇ、私とスバ君はSNSで奇跡の出会いをしたので』
なんだかバチバチな修羅場である。俺は白峰のおっぱ、二人の修羅場の行方が気になって仕方がなかった……
『『ねぇっ!スバ君はどっちのことが好きなのっっっ!!』』
「「「ちょまッッッ!そういえばア、アレが、そうなってたからッ、俺ちょっといかないといけねぇえッ!!」」」
俺は急な質問に慌てふためき、雑にごまかして教室を飛び出してしまった……
やっぱり俺は恋愛が苦手なようだ。
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第4話 読んでいただきありがとうございます!
面白いと思っていただけましたら評価の方よろしくおねがいします!
ふきゅい。
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