第2話 カフェに現れたのはS級美少女!?
ピロンッ!
「あ、胡桃さんからだ……」
「ん?なんつった、昴」
「いや、友達からのメールだよ」
俺はそそくさと弘大から離れて、ボックスを開きメールを読む……
『胡桃です!私は今、学校が終わったんだけどスバくんはどう?』
胡桃さんも今日、学校だったようだ……そしてもう ”スバ君”と呼ばれている。
「奇遇ですね!俺も今学校が終わったところです!」
『突然だけど……明日会えない?』
(………いや、本当に突然すぎるだろぉぉぉおおおッッッ!?)
「え?会うって言っても、胡桃さんは何処に住んでるかも知らないし……」
『私は神奈川だよ? スバ君は何処住み?』
「俺も神奈川なんだけど……笑」
『え!!やったぁ!すぐ会えるじゃん!明日土曜日だし、カフェとかで会おうよ!』
「え、あ、うん」
『じゃあ、フッキュイカフェに昼の12時集合でいい?』
「あ、うん、おけ」
”奇跡”という言葉が人生の中で一番当てはまる瞬間だった………
◆
予定より20分も早く到着してしまった……もの凄く心臓の鼓動が聞こえる。入店してすぐに頼んだアイスコーヒーはもう氷だけになっていた。
店内は冷房が効いていてとても涼しく、とても清潔感がある。おまけにオシャレなBGMまで流れていて、こんなところに一人でいると肩身が狭い。
「ズゴゴゴッッ」
ありもしないアイスコーヒーを最後の一滴まで飲む……
「でも、どんな人なんだろうな……胡桃さん。以外と積極的な人だし……まぁ、あんまり期待しすぎると下回った時になんか申し訳ないからあまり期待しないほうがいいんだろうな……」
「カランコロンカラン」
一人の女の人が入店した……顔はハットでよく見えないが、とてもスタイルが良くて見るからに可愛いように見える……
ピロンッ
「ん、メールだ……」
俺はボックスを開きメールを読む……
『着いたよ!スバ君はもう着いてるのかな? 何処の席に座ってるの?』
どうやら、あの白いハットをかぶっているパッと見可愛い女が”胡桃”さんのようだ……
「俺は窓側の席の一番奥だよ」
メールを打つ手は少し震えている……恐怖と興奮が入り乱れているのだ。
胡桃さんがこちらに向かってきた……!く、くそ、ハットのせいで顔はよく見えない……ハットを取ったらブサイクでした〜みたいなオチなのか!?分からない!でも、SNSで知り合っただけで顔はお互い知らないんだ!どうなるんだよぉぉぉぉぉぉぉおおおッッッッ!!!
『スバ君、だよね?』
胡桃さんに話しかけられた。俺は恐る恐る顔を見上げる……!
「「!!!???」」
目の前に居たのは、テレビでみる女優に匹敵するほどのS級美少女だった……!
ゆ、夢か!?こ、こんな事あるのかッ!?俺の元にこんな美少女がッ!?神様……俺は今日死ぬんですかぁぁぁぁああッッッ!?
『スバ君……?大丈夫?』
「あ、あひゃッ!ご、ごめんぬぅ!?座ってぇえ!」
『う、うん!ありがと!』
◆
突然のS級美少女に俺の喉は機能しなくなっている。
『スバ君は何高校なの?』
「あひゃいッ!?あ、あもッ、
『え!?私も福結の2年だよ!何組なの?』
「俺は2組」
『私は2組」
ぇぇぇぇぇぇぇぇええええッッッッ!!??こんな奇跡あっていいのかぁぁぁああッッッ!?SNSで知り合った人が会ってみたらS級美少女で、その上 高校 学年 クラス まで一緒なのかぁぁぁあああッッッ!?
『すごいねっ!こんな奇跡あるの!?私は”平井胡桃” よろしくね!』
「お、俺は ”高山昴” です!!よろしゅくおねぎゃしゃっす!」
(平井胡桃……?何処かで聞いたような……)
『えっ?高山くんだったんだ!!やっぱり似てると思って――』
『『プルプルルルルル』』
胡桃さんの着信が鳴った。
『ご、ごめん!スバ君、私急用ができちゃって!だから普通の連絡先だけ交換しとこうよ!こんな奇跡が起きたんだし!!』
「あ、うん!胡桃さんがよければ!!」
俺たちは”LIINE”を交換した。
『じゃあ、また何処かに一緒にいこうね!!バイバイ、スバ君!』
「あ、うん!バイバイ胡桃ちゃん!!」
俺はアイスコーヒーの溶け切った氷を一気に飲み干した……
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