SNSで出会った学年トップの美少女は、俺にむちゃくちゃ懐いてます。

ふきゅい。

第1話  SNSで友達ができた。

 高校二年生になった陰キャ男子こと高山昴たかやますばるは友達が少ない。

 年齢=彼女なしだしクラスでもぱっとしない現役高校生だ。


 ある日、俺は人気SNSサイトでてきとうに愚痴を投稿してダラダラしていたらDMに一件の通知が入った。初めての出来事だ。

 恐る恐るボックスを開き文章を読んでいく。



『こんにちは、スバゲッティーさんの投稿いつも楽しく見させていただいています!もしよければ仲良くなりたいです!』


 ちなみにスバゲッティーさんとは俺のニックネームのようなものである。

 初めてのDMだったので凄く嬉しかった。相手が男だとしても嬉しい。

 丁寧に感謝を伝え、俺も会話を振ってみる。


「あの、ご年齢は何歳くらいですか?」


『私は17歳の高校生です!』


「奇遇ですね! 俺もです!」



 そこから思った以上に話は弾み暇だった無駄な時間を有意義に過ごすことができた。





            ◆





「なぁー。最近、昴すげー冷たいよな」

「そんなことないだろ……」

「いや、なんかさー。前はもっとアニメの話とか色々してたからなーって」


 欲求不満なコイツの名前は羽柴弘大はしばこうた。俺の唯一の親友と呼べる人間だ。

 中学の時、俺は今よりもコミュ障でなるべく人を避けて生活をしていた。

 そんな中、弘大は優しく俺に話しかけて来てくれた。

 最初は勿論もちろん避けたりもしたし、面と向かって悪口を言ったりもした。だけど弘大は諦めることなく俺に話しかけてきてくれた。だから俺は弘大なら自分を見捨てたりはしないのかもと思って友達になった。

 今では信頼できる親友だとも思ってるしイイやつだとも思っている。


「すまない。弘大がそんなに俺のことが好きだったなんて知らなかったわー」

「あぁ、大好きだ!」

「俺、お前と縁切ってもいいか? ゲイは得意じゃないし」


 そんなくだらない会話をしている俺達の横を誰かが軽やかに抜けて行った。

 通り過ぎた後、甘く鼻腔をくすぐるようないい香りがする。


「あの子誰だったっけ……」

「お前、二年間も同じクラスだったのにそんなことも知らないのかよ。あの子は学年一可愛い女子で有名な、平井胡桃ひらいくるみ様だぞ!」

「知らねーよ……。どうせ顔だけ良くて性格はクソ悪い女なんだろ?」

「いやいや、むちゃくちゃ性格いいから。だからモテてんだよっ」


 平井胡桃かぁ……。そーいえばこの間、DMで話した人もニックネームが胡桃だったような。胡桃ってわりと王道な名前なのだろうか。


「はぁー、俺もあんな八方美人と結婚してぇーー。平井さんの家、金持ちらしいし」

「そんなこと言ってたら無理だろ。まぁーせいぜい頑張れー」


 ピロンッ!


「ん?」


 着信が入った。送り主は仲のいいSNSでの友達、胡桃さんだった。


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