忙しい

 何とか、休憩スペースとして。

 広場的な感じで、木の囲いを作り。

 その中に、休憩所的な建物を作った。


 作ってる最中に、ヒヨが戻って来て。

 お手伝いしてくれた。

 そのおかげか、思った以上に。

 早く終わった。


 出来れば広場を、芝生にしたかったが。

 草の魔法なんてあるの?

 なんて思ったのが、いけなかったのか。

 想像魔法が、発動しなかった。


 疲れたので、横になり。

 「芝生なら、気持ち良かったのに」


 と、独り言を呟くと。


 「なになに?」


 「なにがいいの?」


 「早く言いなさいよ」


 精霊さんに、髪の毛を引っ張られながら言われた。


 説明すると、


 「フサフサの草?」


 「サッカーて、な~に?」


 「公園ならわかるの」


 芝生のイメージって、サッカーだったから。

 思わず、呟いたけど。

 この世界には、無いようだ。


 公園が、わかるなら。

 短い草が、綺麗に生えて。

 そこに、横になると気持ち良いと伝えてみるが。

 わからないようだ。


 でも、これは?

 突然、風が吹いて。

 地面から、草が生えてきた!

 どうやら、精霊さんが生やしてくれたみたいだけど。

 色んな種類の、草がある。


 「どれ〜?」


 と言われて、辺り一面の草を見て回る。

 芝がどれかなんて、わからないけど。

 ここは!横になると、気持ちいいでしょ!


 そう言わんばかりの、フサフサな草を発見して。

 大の字で、横になる。


 あ~癒やされる。

 チクチクした、痛みもなく。

 包まれるようで、癒やされる。


 長さ、10センチ位。

 先っぽが、タンポポのように。

 丸く、フワフワしていて。

 でも、取れるようになってはいない。

 1度起き上がり、種など付いていないか確認するが。

 大丈夫なようなので。


 「精霊さん!この草を、広場いっぱいにはやせますか?」


 「勿論!」

 

 「任せるの!」


 「仕方ないわね」


 また、風が吹くと。

 一瞬で、俺の下にある草が。

 多分、2百メートル☓2百メートル位に拡がった。


 それを見た俺は、ここでサッカーしたいと。

 関係ない事を、考えていた。


 精霊さん達に、お礼を伝えて。

 お片付けや掃除。

 ゴミ箱の設置。

 ブランコ、手すり棒。

 砂場等の、遊び場を作り。

 【憩いの場】

 と言う看板を作り、公園を作った!

 トイレも作って、本当に公園のように見える。


 やってやった感は、あるのだが。

 調子に乗って、やり過ぎたとも思っている。


 出来てしまうと、遊んで欲しくなり。

 村人を、ヒヨに呼んで来て貰う。


 待つ間は、気持ちの良い広場に横になって眠った。


 「起きて下さい!」


 「みんな来たの!」


 「起きなさいよ!」


 精霊さんに、起こされて。

 目を覚ますと。

 森から、皆が歩いて来た。


 皆は、これは何?

 といった感じで、キョロキョロしているが。


 ゲイルは、俺の姿を見つけると。

 走って駆け寄る。


 「おい!これは、なんだ?」


 「聞いてない?これは、公園だよ」


 「公園?噴水が、無いじゃないか?」


 「あ~、噴水ね。この世界の公園は、噴水があるの?」


 「当たり前じゃないか!あいつが、そう広めたのだから!」


 あいつって事は、異世界人だよな?

 噴水が、あるのが公園?

 そうだっけ?

 んな訳ないよな!

 まぁ、良いけど。


 「ゲイル、噴水ってどうやって作るの?」


 「作り方なんて、知らねぇぞ。それにしても、これが本物の公園なのか?」


 「本物?憩いの場!遊びの場として理由する場所の事だろう?違ったかな?」


 「そうなのか?ならここは遊べる物があるのか?」


 「あの、ブランコとか鉄棒とか。あの長い紐のやつは、高さが低い方から高い方に持って行ってぶら下がると面白いぞ!」


 「マジか!やってくる!」


 楽しそうに、ゲイルが向かうと。

 皆も、色々触ったり。

 走り回ったりしている。


 「ユウさん、これはなんですか?」


 「ユカリさんは、公園って知ってる?」


 「噴水が、ある所ですよね?」


 「ん~説明するのもな。よし!ここは、憩いの場!それだけ!用途は、遊ぶ場所!そして、癒やされる場所!決定!」


 そこに、ララとシシを連れた。

 ガドムと、アーリアが来た。

 お似合いの夫婦だとか、幸せ家族に見えた。

 なんか、悔しくなるが表情に出ないように。


 「ガドムは、噴水の作り方わかる?」


 「噴水なら、作った事あるぞ。なる程、ここを公園にするのか?」


 「まぁ、その予定です。名前は、【憩いの場】です」


 「ここは、公園ですか?」


 アーリアが、そういうタイミングで。

 ゲイルが、叫びながら。

 紐にぶら下がり、移動する。


 それを見ていた、シシとララは興味津々だ。


 「シシ、ララ、一緒に遊んでくれるかい?」


 2人とも、モジモジしながら。


 「イイヨー」

 シシが言うと、ララも頷いてくれた。


 ゲイルは、気に入ったのか。

 また、やろうと。

 紐を、引っ張っていくので。

 ブランコに、移動する。


 先に、シシを片側に乗せて。

 「少し、このまま待ってて」


 そう伝え、ララを抱え反対側へ。

 乗せると、顔を赤くしたララは。

 モジモジしていた。


 「良し!2人とも、これは二人の力で。木の板を、動かす遊びだ!」


 2人は、どうやって?

 見たいな顔をして、俺の顔を見る。


 「シシ!足に、力を入れて地面を蹴ってみろ」


 言われた通り、素直に従うシシ。


 「うわ~!動いた!」


 「キャー」


 2人の声は、怯えているようにも。

 楽しそうにも、聞こえる。


 コツを掴んだのか、すぐに2人は。

 ギッコンバッタンさせて、楽しんでいる。


 周りを見ると、皆も遊具を使い。

 楽しんでいる。

 砂場には、バケツやシャベル等置いたので。

 意外と、注目を集めている。


 そんな時、トイレを設置していたのだが。

 そこに向かう、リーラさんの姿が見えた。

 特に意味も無く、見ていた時!


 突然、建物の影から誰かが現れ!

 リーラの口を塞ぎ、森側に走り出す。

 周りは、楽しいのかはしゃいでいて気付いていない!


 俺は、全速力で追いかける。

 どうやら、森にも仲間がいて。

 こちらに、気付き。

 俺を、指差している。


 リーラを、抱えた人物がこちらを振り向くと。

 村に来たいと、言っていた。

 魔物の、男だった。

 急いでいるが、リーラを抱えた男と。

 森にいた、仲間は森の中へ。


 俺は、

 「精霊さん!力を貸して」


 そう叫びながら、森の中へと続く。

 異変を察知した、ユカリやヒヨが。

 俺の後に続く。


 他の人達は、唖然としている中。

 ゲイルは、一緒にいた悪魔の女性に声を掛け。

 頼み事を、しているようだ。


 あっという間の出来事で。

 皆不安になりながら、ユウイチが入って行った森を見ていた。

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