解決?

 「公爵様。奴隷達と話す間、休憩スペースを作りますので。暫しお待ち下さい」


 そう言って、森に向かう。

 風魔法で、気を切り倒し。

 枝を切り落とし。

 板状に、魔法で切る。


 それを、マーク達に運んで貰い。

 物作りスキルで、テーブル、イス、それに板の1部を。

 凹凸型に作り。

 組み合わせて、簡単な屋根を作る。

 家を、簡単に作ると。

 神の使徒!扱いになるし。


 「すみません!みすぼらしいですが、私が奴隷達と話す間。こちらで、お休み下さい」


 「そちは、いくつの能力を隠しておる?わしと共に、来ぬか?悪いようにはしない」


 これでも、だめだっか?

 やはり、1度は平民の生活を見ないと。

 情報は、命に関わるからな。


 「すみません。遊びに、行く事はあるかも知れませんが。住む場所は、この森と決めております」


 「ならば、これを授けよう。アーリアの友、そしてわしとの友好の証だ」


 そう言って、家紋?

 鳥?ファンタジーだしフェニックスかな?


 「これは、ミスリルですか?有り難く、頂戴致します」


 「ほう。ミスリルを、知っておるのか?かなりの希少性で、見た事がない者達が多いが。流石だの」


 ?ミスリルなら、山程あるし。

 この世界のお金と交換とか、良いのかもな。


 「失礼ながら、公爵様。1部の魔物達は、ミスリル製の武器を所持しておりました」


 「それはまことか?」


 「はい、その為。我々は苦戦したと言っても、過言ではありません」


 公爵に、睨まれた。

 良かった。

 ドガムに頼んで、色々作って貰ったのが。

 全員無事と言う結果に、繋がったのだろう。


 「もしや、そちが?」


 「いいえ、アーリアと一緒にいる。悪魔ドガムのおかげです」


 どうやら公爵は、ドガムに興味を持ち。

 そちらに行った。


 ヒヨを呼び、村からミスリルを無理しない程度に持ってきて欲しいと伝えると。

 嬉しそうに、駆け出した。

 ヒヨが、1番足が速いと思う。


 「ユウイチ殿。準備出来ました。こちらへ」


 「ありがとうございます。ユカリさん、アーリアさん。意見を聞きたいので、一緒に良いですか?」


 「「はい!」」


 素直に、付いて来てくれる。

 それだけなのに、嬉しい。

 1人で、生きていける。

 そう考えていたが。

 俺自身、寂しくなっていたのかも?

 兵達が、並ぶ中。

 美女2人を、連れ歩く。

 気分が、良くなるのは普通だろう。


 俺の作った。

 イスとテーブルの前に、1人ずつ。

 連れて来て、くれるようだ。


 「今から、勝手ながら私が奴隷に落ちた理由を聞く。嘘を付けば、公爵に引き渡す。後悔しないように、正直に話せ!」


 大体は、不正に奴隷落ちみたいだ。

 たまに、嘘を付いているやつがいても。

 ユカリさんか、アーリアさんが見破り。

 そういう人達は、公爵に渡す事にした。


 借金奴隷は、理由によって。

 犯罪奴隷は、公爵に。

 と言った感じで、次々と進める。

 魔物達の中にも、公爵の言う通り。

 犯罪奴隷がいて。

 盗み以外は、公爵に引き渡した。

 食べ物が無くてとか、戦えなくてとかは。

 引き渡すのをやめた。


 やっと、全ての奴隷達との会話が終わる。

 それに付き合ってくれた、ダールさんに感謝した。


 その間、国王はアーリア達と話していたようだ。

 アーリア、シシ、ララ、ガドムは、村から離れ。

 行ってしまうかもな?

 まぁ仕方ないか。


 ボ~としていると。

 ユカリさんが、抱き着いてくる。

 「ど、どうしたの?」


 「さぁ、お説教の時間ですよ」


 「忘れてたよ。ユカリさんには、感謝してるんだよ。ありがとう。でも、お説教は帰った後でもいいかな?人目もあるし」


 「仕方無いですね。帰ってからに、してあげます」


 なんか、悪魔になってから知識が増え。

 言葉を理解し。

 話し方も、人と変わらない。

 もう、ユカリさんは家族のように思える。

 母のようで、姉のようで、妹ような。

 そして、惚れている?

 良くわからない、感情が。

 俺の中で、芽生えていた。


 「ユウさん。これから、あちらの元奴隷達はどうしますか?」


 「ちょっと待って。今ヒヨに、取りに行かせている物で。交渉し、お金を得てから。考えてみたい」


 「噂をすれば、戻って来ましたよ」


 森の方を見ると、ヒヨが走ってきた。

 背中に、俺とユカリさんで作った風呂敷を載せて。

 結構な量を、持って来たみたいだ。

 助かる。


 途中まで、笑顔だったのに。

 近づくに連れ、不機嫌そうな顔になった。


 「ユウイチ。持ってきたです」


 「ありがとう、助かるよ」


 と、頭を撫でると笑顔になる。

 気の所為だったかな?

 風呂敷を、受け取り。

 中を確認する。

 公爵の元に、向かうと。

 後ろで、ユカリさんとヒヨが口論していたが。

 ユカリさんにも、来て貰いたかったが。

 仕方無いと、諦めて。

 公爵の近くにいた、アーリアを呼び。

 交渉に移る。


 「公爵様。お願いが、御座います」


 「その袋の中身が、関係するのか?」


 「はい。実はこれを、買って頂きたい」


 公爵に、渡そうとすると。

 ダールさんが前に出て、確認してくれる。

 袋の中を見て、俺を見てを。

 3回位して、開いた口が塞がらない状態なダールさん。


 「ダール伯爵。どうかされたのか?」


 「あ、失礼しました。公爵様、ご確認下さい」


 公爵様は中を見て、固まってしまった。

 まぁ、希少性が高いって言っていたし。

 ビックリして、いるのだろう。

 さて、通貨もわからないし。

 アーリアの意見も、聞きたい所だ。


 「アーリア、ミスリルを売りたいんだけど。いくら位になるかな?と言っても、通貨を知らないんだけどさ」


 「知らずに、交渉とは。足元見られますし、買い叩かれますよ!私だって、ミスリルは希少位しかわかりませんよ!どうするんですか?」


 小声で、話していると。

 後ろから。


 「あの袋なら、大金貨10枚位だろう。人族の所で、鍛冶仕事をしていたから。大体は、わかる」


 と、ガドムから言われ助かったが。


 「大金貨の価値って?人族の通貨ガまずわからないのだけれど」


 「知らないのですか?本当は、悪魔だったりして?いいですか?通貨は…」


 纏めると!


 大金貨1枚= 金貨10枚

  金貨1枚=大銀貨10枚

 大銀貨1枚= 銀貨10枚

  銀貨1枚=大銅貨10枚

 大銅貨1枚= 銅貨10枚


 んで、どうか一枚で安いパン1個らしい。

 銅貨1枚が100円だとすると。

 大金貨、10枚は1億円?

 スゲーな!

 ミスリルの価値は、置いといて。


 「アーリアさん的に、百万あれば。生活基準を、作れますか?衣食住ですね」


 「そうですね、多分高い物を望まなければ。足りるかと思います」


 それを聞いて、取り敢えず一安心出来ると思った。

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