答えが出ない

 「ふざけるなです!知らんって!ちゃんと考えるです!」


 「考えている。ユウイチから、言われた。ミスリルソード。ミスリルナイフ。ミスリルの槍。ミスリルの矢。等の、攻撃手段を複数用意した。これらを使い。どう殲滅するかをな」


 確かに、こうなる事を想定して。

 武器の作成を、頼んでいた。

 けど、随分作ったな。

 まだ、2週間?位しか経ってないはずなのに。


 「ガドムに、頼んでいたが。殲滅するつもりは無い。少なくとも奴隷達は、自分の意志ではない為。助けたいと考えている」


 「お前は、甘すぎる。攻撃を、仕掛けて来た時点で。殲滅を考えるべきだ。アーリア達に、何があったらどうする?」


 過保護すぎませんか?

 アーリアさんは、顔を赤くしてるし!

 何?そう言う関係なの?

 どうせ俺なんて。

 なんて考えていると。


 「ここは、ユウさんの村です。気に入らないなら、出て行けばいいのでは?私は、ユウさんの、言う通りにします」


 ユカリさん。

 ありがとう。

 そんな事言われたら、勘違いしちゃいますよ。


 名付けされた、魔物達も。

 俺に、賛同してくれた。

 ガドムは、魔物達も守る為に必要だと。

 言うが、皆には言い訳にしか聞こえていないようだ。


 「ヒヨさん。奴隷の契約者がどの人かわかる?」


 「それは、すみませんです」


 暗い顔をする、ヒヨさんに。

 大丈夫だよ。

 そう伝えていると。

 「簡単なのです」

 「わかる。わかる」

 「大ッキライナ、妖精の匂いのせいで繋がりがわかるよ」


 と、精霊さん達の声が聞こえた。

 精霊さんに、戦闘に付いて来てくれるの?

 と聞くと。

 「嫌だけど」

 「ユウの為」

 「仕方なく」


 どうやら、イヤイヤながら。

 来てくれるようだ。


 「精霊さんから、どの奴隷が。どの魔物を使役してるか、教えて貰えるそうだ。嫌だけど、ついて来てもくれるから。何とかなるかもしれない」


 「精霊様が、教えてくれるなら。そいつを、殺して魔物を開放すれば人族など。皆殺しだ」


 マークが、乗り気だが。

 精霊様は、[殺す]と言うワードが出ると。

 機嫌が悪くなる。


 何とか、殺さずに拘束して。

 魔物を、解放させなければ。

 俺自身。

 人を、殺すとなれば。

 出来る自信がない。


 まず、殺さずに住む方法を。

 考えよう。


 「ヒヨさん。あとどれくらいで、迷いの森に、付きそうですか?」


 「多分、魔物に馬車を引かせているですから。2日で、たどり着くと思うです」


 「わかった。明日の夜から、鉄塔で。見張りを、順番にしようと思う。後は、シシとララ。そしてアーリアは、留守番。護衛に、ガドムも残ってくれ」


 「そんな。私も、力になります。それに、ガドムさんなら戦力になりますから。護衛など不要です」


 「ごめんね。申し訳無いけど。これは、確定。空からダンには、敵情視察を頼むかもしれないから宜しくね」


 「了解した。高く飛べるように、練習してくる」


 「ヒヨは、休んだら。俺を乗せて、早く動けるか。確認したい」


 「背中にユウが、乗るですか?嫌じゃないけど。乗るのですか?ユウが?」


 顔が、真っ赤だ。

 あれ?これって、惚れられてる?

 勘違いだったら、恥ずかしい案件かな?


 アーリアは、まだ何か言いたそうだったが。

 無視だ無視。

 話し合いの案は、俺もガドムに賛成で。

 無理だと、思っていた。

 戦闘を、どのように少なく済ませるか?

 その為、アーリアを連れて行くつもりは無かった。

 殲滅が、目的のようなガドムも同じく。

 俺とは、考え方が合わない為。

 連れて行かない予定だ。


 ただ、戦力的には厳しくなる。


 マークは、元々強いが。

 ミスリル装備を使い。

 更に、強く。


 空からダンさんの遊撃。

 これは、手が羽のようなので殆ど物が持てないが。

 足で、岩を運び。

 上から、落としてもらう予定だ。


 ヒヨさんは、走り回り撹乱して貰うつもりだ。


 スピードは、俺と一緒に行動して。


 ユカリさんは、悪魔となり。

 かなり強くなったと、思っているので。

 魔物の使役者拘束に、貢献して貰うつもりだ。


 牛さん達、3人には。

 力が強い為。

 ミスリルの槍と斧を、持たせるつもりで。


 残るは、マルとガイ。

 ガイには、ミスリルの剣。

 それと多分盾もあるから、戦士として考えている。

 マルは、心配なので。

 ガイと、一緒に行動して貰う。


 これらは、俺の独断での考えだ。


 2日あるので、これ以外にも。

 色々戦略を練りたい。


 その日は、各自今回の件でいい案が無いか。

 考えて欲しいと、頼み解散した。


 その日の夜。

 ユカリさんが、ベットに来て。

 「ユウさん。私は、ユウさんが1番大切です。ですから、私達を見捨てても。自分の身を、守って下さい。この村に戻れば、安全ですから」


 そんな事を、言われても。

 俺は、皆を見捨てる選択は出来無いと思う。

 俺の事を、裏切ったのなら。

 変わってくるかも知れない。

 正直、考え方の違いで。

 ガドム達は、村を出る可能性も考えている。

 その時は、名付けを解除しないと。

 この場所を、見つけられてしまうので。

 解除するつもりだが、そんな事にならないよう願っています。


 「ユカリさん。俺に取って、裏切る事は、死ぬより辛い事です。見捨てる事は、考えられないので。そんな事を言わないで欲しいです」


 何か、言いたそうだったが。

 自分の蜘蛛の布団に、入っていった。


 一緒に、寝てくれてもいいのに。

 内心思っていたが、内緒だ。


 翌朝、皆で朝食を取るが。

 空気は、重たい。

 いい案等、浮かばないのであろう。

 今日は、今まで通り。

 皆を、自由行動にし。

 昼も、各自で用意してもらって。

 夕食に、集まるよう伝える。

 俺は、1人で考えたい為。

 鉄塔に登り。

 考えにふける。


 お昼頃。

 ユカリさんが、おにぎりを持ってきてくれた。


 「ワザワザありがとう。有り難く食べるよ」


 「ユウさんの、考えは変わりませんか?」


 「そうだね。何とか、奴隷達を解放し。人族を、追い返せれば良いかな?なんて考えてるよ。都合良すぎるとは、思ってるけどね」


 苦笑いを、浮かべながら。

 おにぎりを食べる。

 俺が、美味しいよ。

 ありがとうと、伝えるが。

 上の空のようだ。


 「ユウさん。私は、ユウさんを必ず守ります。無理は、しないで下さいね」


 出来れば、ユカリさんには。

 遊撃として、動いて欲しいが。

 了解だ。


 そう伝え。


 どうすれば、良いのか悩んだ。


 前々からこうなる事は、わかっていたのに。


 何も、いい答えが出ず。


 自分を、責めながら。


 途方に暮れた。

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