命の危険

 油断した。

 今は、ヨーミを拘束していない。

 バリーに、命令出来ない。

 ヨーミが、邪悪な笑みをしている。

 ユカリを、呼んだ時。

 相談したのは、魔物達を解放させる為。

 俺が、ヨーミを奴隷にする。

 でも、やり方がわからないから。

 ユカリに、1度。バリーの奴隷になって貰いたい。

 そう、お願いしていた。


 途中まで、上手く行ったが。

 バリーが、ユカリを開放しないと言い出した。

 ヨーミに、奴隷の首輪を嵌めてもユカリを殺されたら?

 困った。

 何か、方法は?


 「まず貴方はそこの首輪を、持ってこちらに来てもらいましょうか?蜘蛛の魔物を、解放して欲しいなら私の言う事を聞くしかない」

 俺を、奴隷にするつもりか?

 失敗した!

 これってつんでるんじゃね?

 「バリー。何をしている!さっさと、こいつらを殺してしまえ!」

 何を、考えているのだろう?

 ユカリを、殺されたら俺が二人共殺すし。

 俺を、殺せば。

 ユカリと関係の無い魔物が、二人を殺すだろうし。

 公爵様は、我儘息子のバカ貴族って感じか?

 バリーが近づき、何やら説明している。


 今のうちに、ユカリを助ける方法を考えないと!

 方法としては、バリーがユカリに命令する前に。

 バリーを殺す。

 他に、方法が思いつかない?


 後は、バリーを奴隷にする?

 口を、押さえて後ろに周り。

 詠唱。

 無理があるかな?

 抵抗できないように、糸をって。

 ユカリの力は使えないのに。

 テンパってる、自分に気づく。


 ふと。?もしかして!

 小声で、頼んで見る。


 すると、バリーが倒れた。

 マジカ!

 精霊さんありがとう!

 精霊さんも嬉しそうだ。

 ヨーミが、喚いているが無視。


 すぐに、バリーに首輪を嵌めて。

 詠唱する。

 うまく行ってるといいが?

 クマさんに、拘束させ。

 平手打ちして起こす。


 「何が起きた?離せ!そこの蜘蛛の…」

 「喋るな!」

 ピタリとバリーは、話すのを止めた。

 良し!

 上手く行った。


 先程。精霊さんに、小声で出来たらバリーを眠らせて欲しい。

 とお願いした。

 うまく行ってよかった。

 「抵抗するな!蜘蛛の魔物を、解放しろ!」

 ビリーは、言われるがまま。

 ユカリを、解放する。

 「妖精の名の下に解放する」

 予想通りではあるが、解放の言葉もわかったし。

 さて、どうするか?

 ユカリが、解放され安心してしまい。

 ヨーミの行動に気付けなかった!

 魔物の1人に乗り。

 「奴隷共!アイツラを殲滅しろ!」

 ヨーミは、命令したあとすぐに逃げ出す。

 ユカリを見るが。

 首を振る。

 糸は、届かないのだろう。

 あいつを逃がすと、応援を連れて来そうだし。

 と、思っていると、

 魔物達が、攻撃してくる。

 殺すわけに行かないし、距離を取る。

 「猫さん。あいつを捕まえられる?」

 「任せるです」

 猫さんが、走る姿はチーターのようにも見えるほど早い!

 その間、魔物達を傷つけずに何とかしないと。

 クマさんは、回避に専念している。

 バリーは、反撃している。

 奴隷になっても、指示なく動けるのか?


 「バリー。傷つける事は、するな!回避に専念しろ!」

 命令したあと、人間達が悲鳴をあげた。

 間に合うか?

 人間達の前に、火の魔法で火柱をイメージする。

 上手く行ったが、構わず奴隷達は突っ込んでくる!

 マジか?

 慌てて、水魔法で魔物達を吹き飛ばす。

 多少の怪我は、許して欲しい。 

 俺だけなら、水魔法でどうにかなると思うが。

 人間達をどうするか?

 「クマさん。さっき逃げた、ヨーミを乗せた魔物は早いの?」

 「あいつにかかればすぐに追いつくが、連れ戻せるか?速さより、力の方が強いから」

 1人で行かせたのは、失敗だったか?

 逃げられたら、魔物達を殺すしか…

 と、考え始めた頃。

 ヨーミを引きずり、猫さんが戻って来た。


 気を緩めた時。

 1人の魔物が、背後から俺を突き刺す。

 ユニコーンと呼べそうな魔物の角が、腹に風穴を開けた。

 痛い!痛い!痛い!

 思考が停止する。

 角で、持ち上げ投げ飛ばされる。

 それを見た、ユカリはイヤーと泣き叫び。

 猫さんが、ヨーミを脅し奴隷を解放させる。


 遠目で、倒れながらだがそれを見て安心したのか。

 意識を手放した。



 ?

 サクラザカさん。聞こえますか?


 俺を、名字で呼ぶのは誰だ?


 この世界に来る前、お話したものです。


 俺はまた、死んだのか?


 死んでいません。

 が、危険な状態です。

 ご説明が足りなかったようなので、今の状態なら接触できると思いまして。


 ?説明されても、死んだら意味がないのでは?


 大丈夫です。

 今精霊達が、治療しています。


 どうやって?魔法?


 精霊の魔法は、自然魔法になりますので。

 人の魔法とは、異なります。

 木や草、水等を癒やす力はありますが。

 人は、癒せません。

 ただ、薬剤に精通していてポーション作成が出来ます。

 それを使い、助けようとしています。


 そうか。

 精霊は、何故俺を助けてくれるんだ?


 私が、サクラザカさんに付与した関係ですね。

 サクラザカさんに、付与した物を、説明しますね。


 1つ 精霊に愛される者。

 2つ 想像魔法(制限付き)

 3つ 言語理解(全ての言語)

 4つ 物作りスキル

 5つ 身体能力向上率アップ

 最後に、あの家ですね。

 あの家。今は、あの村?ですね。

 結界が、あり。

 ユウさんが、認めた者であれば。

 見つけることが出来。

 中に入る事が、出来ます。

 逆に、許可の無い人や魔物は。

 見つける事すら出来ません。


 色々突っ込みたいが、スローライフは?

 記憶が、曖昧だけど。

 俺が、強く望んだのはスローライフだったはず。


 申し訳ありません。

 何分。スローライフと言ったスキルも魔法も御座いませんので。

 できる範囲で、付与致した次第です。


 精霊に愛されるものは、なぜ付与したの?


 この世界では、自然を嫌う妖精と、自然を愛する精霊が対立しています。

 人族というだけで、妖精に好かれ。精霊に嫌われる。

 サクラザカさんの希望通り。

 人から離れ生活するなら、自然の多い場所になります。

 自然の中で、精霊に嫌われたら生きていけません。

 その為に、付与しました。


 そんな理由が!

 ありがとう。

 感謝します。

 だから、妖精と呼んだら怒ったのか。

 色々納得できた。


 あと、想像魔法の制限付き?てなに?


 あまり理不尽な魔法を、作られると。

 この世界が、滅亡してしまいますので。

 制限付きとなります。

 鑑定も、人の事が何でも鑑定出来てしまうと。

 サクラザカさんが、人を嫌い。周りと孤立し。閉じ籠もってしまう。

 と危惧した為です。


 鑑定魔法て、この世界に存在しないの?


 鑑定道具は、御座います。

 が、魔法やスキルは、ありません。

 

 道具?魔道具かな?

 それは、どんな事が鑑定できるの?


 魔道具と呼ばれています。

 鑑定出来るのは、名前とレベルですね。

 あと、嘘発見器の魔道具とかもあり。

 この世界の人が、今後。

 他にも開発する可能性はあります。


 なら、鑑定で魔道具と同じレベルに出来ませんか?


 わかりました。

 今後そのように致しましょう。

 

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