訪問者

 魔法は、火、水、風、雷、光、闇、回復。

 全て使う事が出来た。

 この世界の常識が、わからない為。

 これが普通なのか?おかしいのか?わからない。

 それに他にも魔法は、あるような気がする。


 スキルと言う言葉も聞いた気がする!

 確か、『物作り』スキルと言っていたような?

 スキルと魔法の違い?鑑定は、スキルかな?

 説明して欲しいが、わからない。


 それに、不思議なことが多い。

 畑があるし、農具は?と口にし

 キョロキョロしていると、風が吹きそちらを見ると。

 小屋の入口とは違う場所に、扉があり。

 開けると色々と、揃っていた。


 部屋に戻り、電気ってないのかな?魔法で、明かりをつけ続けるのもな。と独り言を言っていると。

 手を、引っ張られる感じがして。

 そちらに行くと、スイッチがある。

 押すと、2つの部屋から光が。

 天井によく見ると、小さい水晶のようなものが、真ん中と四隅に一部屋に5個ありそれが、光っていた。


 誰かいるような気がする。

 気配とでも言うのか?何となくだけど、感じる。


 助かることがある度に、ありがとう。と独り言を言った。


 見えないが、誰かがいて助けてくれているように感じたからだ。


 ちなみに幽霊は、信じていない。

 異世界ならいるかもしれないが、そういう感じじゃない気がする。


 この小屋には、色々な本があり。

 読書にふけるか、畑を耕すかして、スローライフを満喫していた。


 森の中に、全く入らず。

 不思議な人?との、生活は俺にとって幸せだった。


 なにか困ると、口にする。

 すると、突然物が現れたり。

 引っ張られたり。

 風が吹いたりする。


 いつも、ありがとうと伝えていたが一月経った頃。

 嬉しい気持ちが、伝わってきた。

 他にも、たまにではあるが声が聞こえた気がした。

 可愛い感じの女性の声で、小さい子供が喋っているような?


 こうなると、妖精の可能性が出てきた。

 「妖精さんですか?」

 と言ってみるが、答えが帰ってこない。

 その後暫く、不思議な気配がしなくなったので。

 その後は、聞く事をやめた。

 思いの外。不思議な存在を大切にしたいと思っていた。


 引きこもりになって、3ヶ月。

 この世界は、魔物が存在するようだ。

 森の中に、行かなくて良かった。


 魔物には、魔石があり。

 人間で言う心臓の役目を果たしている。

 魔石は、魔道具として使われたり。魔法の媒体に使われるらしい。


 この世界には、冒険者ギルドがあり。

 冒険者は、魔物を討伐して魔石を冒険者ギルドに売る。

 ギルドは、商業ギルドに販売したり。

 依頼主に、販売する。

 商人達が、それらを加工して国民に販売する。

 その過程で、税が発生する。

 国は、税収を道の整備。防壁の補強。等、そうやって国民を守っている。


 お金の流れは、こんな感じに書いてある。

 どの位前の書物か、わからない為。

 今も、変わらないのか?

 その辺は、わからないけど。

 だいたい、この世界の事は理解できたと思う。

 だが、引きこもりをやめるつもりはない!


 不思議な事に、地下の食料庫は使っても大抵その日の夜に。

 元に、戻っている。

 多分。妖精かな?

 俺は!そう思っている。


 いっぱい感謝しているが、恩返し出来ないので、心苦しくなる事もある。

 でも、ありがとうと独り言のように言うと。

 嬉しそうな、笑い声が聞こえる気がするので。

 まいっか。

 と、変わらない生活を続けている。


 実は、鏡を見つけビックリした事がある。

 理由は、痩せたのは理解していたが。

 若返ったのには、その時まで気づかなかったのだ。

 見た目、18歳位だろうか?

 ステータスが、見れたらわかるのに。

 時々自分を、鑑定したり。

 ステータスオープンと念じたりしているが。

 わからない。

 お風呂は、外に作った。

 土魔法で簡単に、浴槽が作れるし。

 水を、空中に浮かべ。

 温めるイメージをすると、お湯になる。

 それを、浴槽に入れて、出来上がり。

 1度浴槽に、水を入れて温めたら。

 浴槽が、熱すぎて?壊れてしまい。

 それからは、空中でするようにした。


 それから、半年が立った。

 流石に、変えの服が欲しい。

 今まで、洗濯している間。

 裸で過ごしたが、服が擦り切れ始めたので作る事にした。

 と言っても、針も、糸も、生地もない。

 悩んでいると、試してみるか?

 「すみません。この辺りで、針、糸、生地はありますか?」

 と、問いかけてみた。

 傍から見たら、アホの子確定だ。

 暫くしても、何も変化がないので。

 自分で、考える事にしたがわならない。

 何とかなるか?と、服の事は諦め。


 今日は、畑を広げる為。

 近くの木を、切る予定だ。

 ここに来て初めて、森に向かう。

 と言っても、周り全て木しかない。

 「よし!」

 気合を入れて、木を切るイメージで風魔法を発動する。

 上手くいったと思いきや。

 風の刃は、木を一本切るだけではなく。

 幅2メートル位を、一直線に突き進み。

 百メートル位切り倒してしまった。

 これは、チートの予感。

 じゃなくて!

 これどうしょう?

 と、頭を抱えた。


 仕方なく。

 切り倒した木を、風の刃でこれでもかと切り刻む。

 粉になり。風で飛ばすと、百メートルの立派な道?ができた。

 深く考えるのを、やめて眠りにつく。


 何故か、誰もいない部屋なのに。

 騒がしく感じ、目が覚める。

 見渡すが、誰もいないが手を引っ張られる気がした。

 起き上がり、引っ張られた方へ。

 扉を、開けると強く引っ張られ転がる。

 すると外に蜘蛛がいた。


 違う。

 大きな!下半身が蜘蛛!

 上半身裸の女性がいた。

 胸がデカイ!

 胸ばかり見てしまう。

 「私をここに呼んだのは、貴方ですか?」

 「言葉は、通じるようだ。俺の名前は、サクラザカ ユウイチ。貴方の名前を聞いても?」

 人と、会話することなく。

 ずっと1人でいて!寂しかったのかもしれない。

 独り言を呟き。

 返事の言葉もない生活。

 蜘蛛の女性に慌てるでもなく。  

 逃げるでもなく。

 返事を、返していた。

 「私は、ただの魔物。名前なんてありません。人に追われ、人が怖くて、迷いの森に逃げ込み。ここで生活する蜘蛛の魔物」

 何やら、他にも声が聞こえた気がした。

 「私は、貴方のような美しい女性を呼んではいないのですが?貴方に質問があります。この場に、他にも誰かいるような気がするのですが。わかりますか?」

 「?わかりません。ただ、ここまで何かに引っ張られてきました。だから、貴方の魔法かと思ったのですが?」

 妖精は、どうして自分達を引き合わせたのだろうか?

 ただのいたずら?

 「糸」

 と、聞こえた気がした。

 「もしかして、貴方は糸を持っていますか?」

 「持ってはいませんが、作る事は出来ますよ」


 妖精が俺の為に、呼んでくれたと気がついた。

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