第48話

「お兄ちゃん!」

「神奈」

 後ろから僕に抱きついてきたのは僕の2個したの妹である神奈。

「後ろから抱きつくなっていつも言っているじゃないか」

 僕は後ろから抱きついてきた神奈を睨む。

「えへへ、ごめんなさーい!」

 だが、神奈は一切反省の色を示さない。

「はぁー」

 僕はそんな神奈にため息をつく。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!アイス!私もアイス食べたいな!一緒に買いに行こう?」

 神奈が強引に僕を引っ張っていく。

「ちょっと待ちなさいよ!」

 強引に僕を連れて行こうとする神奈の手を和葉が叩き落とした。

「何?誰?」

 神奈は和葉を睨みつけた。

「それはこっちのセリフよ!」

 神奈と和葉がにらみ合う。

 周りの人たちは本能が恐れたのか、逃げ出す。

 何か全力で逃げ出した。

「私はお兄ちゃん、瑠夏の妹よ。あなたは何なの?」

「……わ、私は瑠夏の友達よ」

「はぁ?何を言っているの?あなたがお兄ちゃんの友達なわけないでしょ?」

 神奈は和葉のことを汚らわしいものを見るかのような視線を向ける。

 流石に止めたほうが良いな」

「神奈。言い過ぎだ。初対面の人に失礼だ」

「で、でも!」

「神奈。僕は西園寺家の使用人なんだ。西園寺家の一員として相応しい行動を取れ」

「……で、でも。だって……」

「それに和葉は僕の友達だよ」

 僕がそう言うと、

「え……?」

 神奈が驚きの表情を見せ、僕のことを呆然と見つめる。

「……友達……?」

 何をそんなに驚くことがあるの?

 僕にだって友達くらい居るよ。

「そうよ!私は瑠夏の友達なの!友達なんだから一緒に買い物に行くことくらい当然でしょう?」

「……わかった。……でも私もついていくから!」

「はぁ?なんであんたがついてくるのよ!意味がわからないわ。さっさと帰りなさい!」

「当然ついて行くわよ!」

「それが意味がわからないって言っているのよ!あなたに何の資格があってそんなこと言っているの?ただの妹はさっさと帰りなさいよ!邪魔よ!しっし!」

「はぁ?何の資格があって、って私はお兄ちゃんの結婚相手だよ!私とお兄ちゃんは一緒にえっちぃことして子供作ることが決まっているの!お兄ちゃんが浮気しないように見張っておく義務が私にあるに決まっているじゃない!」

「は、はぁ?な、何を言っているのよ!」

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