第47話

「それで、今日は買い物に行きましょう」

「……ん?なんで?」

「なんでじゃないよ。私が瑠夏と出かけたいからだよ」

「え?僕は和葉と出かけたくないよ?」

「拒否権はないよ?」

「え?」

「え?」

 

 ■■■■■

 

 半ば強制的に買い物につきあわされる事になった僕は和葉と一緒にショッピングモールに来ていた。

 とは言っても僕はときに買いたいものもないので、和葉の後をついていくだけだが。

 僕は服屋で服を長い時間選んでいる

 というか、和葉かなりのお嬢様だけど、こんな安い服しか売っていないようなショッピングモールの服屋で買い物するんだね。

 ちょっと意外。

 まだ歴史が浅い西園寺家は高価な服を買うなりして見栄を張らなくてはいけないので、クソ高いのを買うんだけど。

 まぁお嬢様はそんなこと知らぬとばかりに自分の好きなように服を選んでいるけど。

 なんかお嬢様が着ている服は僕が好きなアニメキャラの服に似ていることが多いんだよな。なんでだろうか?

 ん?なんで男物の服を手に取り始めたんだ?

「ねぇ」

「ん?何?」

「今、別の女の子と考えていたでしょ」

「え?」

 ……え?

 なんでわかるん?心読んでるん?表情には一切出していないんだが。僕の感情察知能力より性能良いじゃないか。

 ちょっと凹む。

「……まぁいいわ。で、でも、今は私のことだけを考えてちょうだいよね。それがマナーってものよ。それでなんだけど、あなたっていつも同じような服ばかり着ているわね。もっと服のレパトリーないのかしら?」

「……ないな」

 僕が持ち合わせしている服は燕飛服、スーツ、制服、後は地味めの私服。

 同じようなデザインの服だ。

「そんなんじゃ駄目よ!私が瑠夏にピッタリの服を選んであげるわ!」

「え?」

 和葉はそう言うと、壁にもたれかかっていた僕を強引に引っ張り試着室まで連れて行かれた。

 それから僕は和葉が満足するまで

 

 ■■■■■

 

 結局買った服は50着にも昇り、わざわざ和葉の家の執事を呼び出し服を回収してもらった。

 いやー、服屋の店員さんの驚きの目が印象的だった。

 ちなみにだが、和葉の場合色々迷った挙げ句、最初の一着だけ買うなんて真似はしない。

 気に入ったら購入。

 豪快で見ていてとても気持ちの良い買い物だった。

 西園寺家の場合買い物担当は別に用意されているので、僕はこんなふうにお金を大量に使って買い物したりをしない。

「美味しいわね」

「ん」

 僕達は14という店でアイスを買い、歩きながら食べていた。

 和葉とダラダラアイスを食べながら歩いていると、後ろから衝撃が走る。

「お兄ちゃん!」

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