第8話
なぜだろう?
何故お嬢様は今まで見た事ないレベルで怒っているのだろうか?意味がわからない。
春来は蛇に睨まれたカエルの如く固まり、動けない。
「ど、どうしたの?」
冷血女皇の名に相応しい貫禄と冷徹な瞳を持っているお嬢様に気が付かない、気づいていない和葉は不思議そうに首を傾げる。
「ふっ」
僕とお嬢様の目と目があった瞬間、今までにないほどの満面の笑みを浮かべた後、僕から視線を外し、自分の席に座った。
「な、なんだったんだ?お前、何したんだよ!本気で何したんだよ!」
「さ、さぁ?」
わからない。
本気でわからない。
僕がなにか不手際をしたか?僕が?何で?……いや、ないな。
うん。ない。
じゃあなんだ?
気分か?そういう気分なのか?
も、もしかして家の使用人がドジッた?
僕がスマホを取り出し確認するも連絡は来ていない。
では、どういうことだ?
考えても考えてもわからない。
「あ、あの、どうしたの?」
「あぁごめん。気にしないで?それで何のようだっけ?」
違うよ。
今僕は和葉の話を聞いているんだよ。
学校内での僕はお嬢様の執事ではなく一クラスメート。
どんなに気になっても僕が何かをすることはできない。
学校が終わった後に聞くしかない。
「え、えっとね。わ、私の家に来てほしいの」
「家に?」
「そう」
「何のために?」
「私の家に何かおかしな、明らかにやばい箱が出てきて。何かそのままにしちゃいけないような気がするんだけど、でも触っちゃいけないような気がして……。どうしたらいいかわからなくて。その、確か零くんは呪い系とかに詳しいんでしょ?なんとかしてくれるんじゃないかって」
あー、そっち系か。
確かに感じる。
和葉からやばい呪力を感じる。
時間かかりそー。
「あーわかった。じゃあ専門の業者さんを送るね。僕がなんとかするよりも本業の人にやってもらったほうが良いでしょ?」
「えー、瑠夏くんにやってほしいんだけど」
「んー。ちょっと僕は自信ないなぁ。でも、安心してしっかりとしたところを紹介するから!」
明らかに時間がかかりそうな呪物を解呪するような時間が僕にはなかった。
お嬢様とそんなに長い時間離れるわけにはいかない。
お嬢様のお世話こそが僕の仕事であり、生きる理由なのだから。
呪物の解呪も行いたいのだが、仕方ない。
「……だめ?」
「ん。無理」
「ほんとのほんとにだめ?」
「ん?無理だよ?」
なんでこんなに聞いてくるんだ?
「……わかった」
和葉しぶしぶと言った感じに頷いた。
なんで?
ちゃんと解呪はできるよ?
何がそんなに不満なの?
「……じゃあまた後で」
意気消沈した様子で和葉が去っていく。
どうして?
「正解だ。うん。正解だよ」
一連の話を聞いていた春来が満足そうな表情で頷いていた。
え?何?
深夜で一人で書いてて怖くなった。
まだオカルト要素何も書いてないのに。
ワクチン一回目打ってきた。
痛い。
痛すぎて眠れん。
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