第2話
そんなこんなで今日の学校も終わり、帰路につく。
お嬢様は部活動に所属していないので、僕も当然部活動に所属していない。
お嬢様が乗ったリムジンが走り去っていくのを確認し、僕はバイクに跨る。
お嬢様はなぜか僕がお嬢様の執事であることをクラスメートに秘密にしておきたいらしく、学校という場で僕とお嬢様が関わることはほぼない。
当然一緒に学校に行ったり帰ったりなんてこともない。
少し寂しいが、それがお嬢様の命であるというのなら遂行するのみである。
僕はバイクにエンジンをつけ、発信させる。
え?なんでお前がバイクを運転しているんだ?
バイクの免許を取れるのは16歳からだろう?だって。
しっ!駄目だよ。そういうこと言っちゃ。
僕は国内有数の大企業である西園寺グループの執事。
当然融通もきくのだよ。
ふふふ。
まぁ単独行動することも多々あるので車やバイクを運転できないのは割と致命的で……。
運転する時はもちろん制服じゃなくて私服だし、バレやしない。
ヘルメットもつけているし。
お嬢様の黒のリムジンを追い越し、西園寺宅に向かう。
僕は西園寺に着くなりバイクを止め、燕飛服に着替える。
この大きな屋敷の管理の統括が僕だ。
現在お嬢様の両親、御当主様は海外で仕事中であり、僕の両親も御当主様についていっている。
僕の祖父母は他界。
それ故に僕が統括になっているのだ。
屋敷の管理の統括は代々僕の一族がこなしているからね。
お嬢様が帰ってくる前に屋敷の確認を済ませ、使用人たちに指示を出していく。
西園寺グループの力は強大。
まるで中世の貴族かのようだ。
玄関までの道のりにずらりと使用人たちを並ばせる。
しばらくすると、お嬢様の乗られた黒いリムジンが到着する。
僕は扉を開け、手を差し出す。
そしてお嬢様が黒いリムジンが降りる。
「お帰りなさいませ。お嬢様」
『お帰りなさいませ。お嬢様』
総勢50名の使用人が一斉に頭を下げる。
「瑠夏。これ」
「承知いたしました」
僕はお嬢様が差し出されたかばんを受け取り、歩き出したお嬢様の一歩後ろで僕もついていく。
使用人の二人が巨大な玄関の扉を開け、お嬢様と僕が屋敷の中に入る。
お嬢様と僕が入ったあと、バタリと扉を閉められる。
この後、使用人たちは玄関からではなく隠し扉から屋敷の中に入ってくる。
使用人が玄関を利用することは認められていないのだ。
僕だってお嬢様と一緒のときしか玄関を使わない。それは僕の両親だって同じだろう。
玄関を使っていいのは西園寺様の一族だけ。
よく考えると割と謎のルールだよなぁ。
普通に厳しすぎる。
この話とは関係ないんですけど、お知らせを一つだけ。お知らせというか自慢に近い。
なんとですね!はてなインターネット文学賞の中間結果発表の中に自分の作品が入っていたんですよ!
嬉しかったです!
応募していたことも覚えていなかったんだけど。
『大日本帝国に転移したから、初手ソ連やるわw』
作品名は上の通り。
よかったら見てください。
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