冷血女皇様は糖分を摂れば激甘女皇様に大変身!〜お嬢様?なぜ私が女性と会話するとキレるのですか?お嬢様?お嬢様ー!〜
リヒト
第1話
「何かしら?気軽に話しかけないでくれるかしら?あなたの醜い声なんか聞きたくないのだけど?いや、そもそも息をしないでもらえないかしら?空気が汚れてしまうわ」
話しかけてくれた男の子をお嬢様、西園寺 美玲がバッサリと切り捨てる。
お嬢様に勇気を持って話しかけた男の子は崩れ落ちた。
あぁー。
西園寺 美玲。15歳の高校一年生。
日本国内でも有数の財閥である西園寺グループの一人娘にして完全無欠の超人。
全国模試では常に一位。
運動神経も抜群で、部活には入っていないが体育の授業で部活動に入っている子よりも圧倒的な活躍を見せる。
そしてその外見は絶世の美少女と言って差し支えない。
スラッとしたスタイルに大きな瞳に艶やかな黒髪。
どこをとっても完璧である。
強いて言うならば胸が貧乳なことくら、い?
ぶるる。
どうしてだろうか?急に寒気が。
まぁ、ともかく西園寺 美玲、お嬢様が完璧であることはよくわかってもらえたと思う。
自慢のお嬢様である。
あ、自己紹介が遅れたわ。
僕の名前は蛇蠍 瑠夏。お嬢様と同じ15歳で高校一年生だ。
そして、僕の一族は代々西園寺グループの執事として仕えている一族で僕もまた執事であり、僕のご主人さまが西園寺 美玲なのだ。
ちなみにだが僕のスペックもそこそこ高い方ではある。
お嬢様には決して敵わないが。
「流石は冷血女皇……。容赦ねぇぜ」
「全くだ。恐ろしや……」
「さすがは冷血女皇様かっこいいわ」
「しびれるわー」
「ハァハァハァハァ。あの冷徹な視線。たまらない」
「ハァハァハァハァ。罵られたい、蔑まれたい、踏まれたい」
「ハァハァハァハァ。羨ましい。冷血女皇様に罵られるなんて」
みんながみんな口々にお嬢様のことを語る。
おい、後半の変態共。
なにお嬢様に向けて劣情の視線を向けていやがる。シメるぞ。
というか不敬にもお嬢様に話しかけた愚か者ちょっとうれしそうじゃないか?何頬を赤く染めて口を緩めさせているんだ?
……お前……ちょっと後で校舎裏来いや。
お嬢様の冷血な部分を好意的に捉えている人もいるが、執事としてはお嬢様の冷血な部分はあまり好ましくない。
社交の場で冷血な部分などの何の得にもならないだろう。
はぁー。
家で見せるあの姿を、糖分を摂ってくださればいいのに。
何故かお嬢様は家で、僕の前以外であの姿を晒そうとしないからなぁ。
信頼の証だと思えば大変喜ばしい限りなのだが、別に僕の前でいい表情を見せても何の価値もない。
もっと色んな人に見せてほしいものだ。
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