応援コメント

 夜の戦争 後編 3 「4分間」(終)」への応援コメント

  •  コメント失礼いたします。
     リアルな介護のエピソード、胃瘻、誤嚥性肺炎など、ウチの親もやっていたのですごく身近に感じました。
     そしてリアルなのに、SFシステマチックな描写のおかげで、生々しい嫌味がなく、なんだか近未来ドキュメンタリーのように面白かったです。

     そして近未来の看護現場的な描写から、一気に第二次世界大戦中のグアムへ。
     主人公は大沢さんの夢に入り込んだだけじゃなくて、やはりある種のタイムスリップしてるようですね。

    『何か利用者さんの居室の天井や床にもセンサーとか色々入れてる』という伏線。
     人の脳も一種の電気信号で動いてますし、磁場の変動がある場所は昔からよく妙な事が起こると噂されることが多いです。
     まだ解明されていない磁気もあるでしょうから、そういった磁場の組み合わせで何かが起こったのかもしれませんね。

     この後『ひさちゃん』に残ったであろう弾痕を、どう現実的に解明出来るかにもよりますが、少なくともこの4分間の出来事が大沢さんを救ったのには間違いないでしょう。

     始めに介護の話らしいと、哀しい話になるのではと勝手に考えてましたが、
    暖かい終わり方に救われました。

    作者からの返信

    丁寧に読んで頂きありがとうございます。
    一応このお話を書くにあたってのぼんやりしたテーマは、世代間の価値観の違いでした。
    私は実際に施設で介護職員として働いていたのですが、まだ当時は実際に太平洋戦争で従軍経験のある方というのが入居者で何人もおられまして、彼らは従軍経験をとても懐かしんで話すのですね。
    軍隊での生活というのは今の私たちが思うような抑圧され強制的に駆り立てられるという面ばかりではなく、同世代の、同じ(訓練などの)経験を共にした仲間たちとの楽しい思い出という一面もあったようなのです。
    そしてそれを語る入居者の男性に対して、若い介護士が、「軍隊の話なんて怖い話をしちゃ駄目なんだよ」と窘めるのですが、それは戦争の否定のつもりなのでしょうけど、その入居者の青春や人生を否定する意味合いもあるなと思ったのです。実際にそう言われた方たちは以降は口を閉ざしてしまいました。
    その辺りのギャップを描ければいいなと思いましたし、「ひさちゃん」の石川さんが大沢さんを否定しないのはそうした現れです。結果ギャップは上手く描けてないんですけど。
    多分「ひさちゃん」が取った行動はその当時の大沢さんにとっては本当に余計な事だと感じたはずです。ですが結果的に生き永らえることを選び、充実した人生を送れた大沢さん。「ひさちゃん」の石川さんの、否定するだけではなく、肯定しつつも正す姿勢が大沢さんの考えを変えたのだと思います。

    まあ描きたい部分に至るまでの介護ロボット端末を使った介護の様子などは、実際の夜勤で使ったら多分こんな感じだろうなというのを凄くノリノリで書いてしまい、ずいぶんと冗長になってしまったというのが反省点ですね。でも夜勤が明けるまでをずっと書いてられるな、とも思いました。

    何にせよ、とても丁寧に読んでいただけたのがわかる応援コメントをいただけて、作者としては書いてよかった、と本当に思います。

    青田 空ノ子 様、お読みいただきありがとうございました。

    編集済
  • 短編を中長編に出来る時点で、実は得難い才能なのですよ、桁くとんさん。
    しかもお話がきっちりシェイプされて、堪能出来ました。

    作者からの返信

    判家様のようなシャープな作品に憧れがありますね、本当に。
    お褒め頂き嬉しいのですけど、どうも必要な部分が足りておらず不要な部分に文章を費やし過ぎているように自分では感じてしまいます。
    とはいえ、判家様のコメントをポジティブな指標にして今後の作品に当たりたいと思います。

    お読みいただき有難うございました。

  • 凄い作品でした。
    なんて言ったら良いんでしょうか。
    『そりゃ金の卵にピックアップされるわ!』という感じです。

    すみません。ちょっと放心状態であまり上手い言葉が見つからないのです。
    パッと浮かんだのは『遊園地のような作品』でした。
    『ジェットコースターに乗ったままお化け屋敷に突入したのに、気がついたらメリーゴーラウンドに乗ってパレードを観ていた』ような、そんな気分です。

    実際にされていらっしゃるお仕事の経験を活かした作品だと思うのですが、近未来的な技術を取り入れた斬新な発想、その技術を使った戦争の追体験、そして爽やかなラスト。
    発想も構想も表現方法もどれを取っても凄い作品だなーと思います。

    この作品を書けるのは世界でたった一人しか居ないなーと、そう思わされた作品でした。

    作者からの返信

    どえらく評価していただき、恐縮至極です。

    元々野林緑里様の自主企画「ナニカコ」で、野林様が書かれた冒頭200文字を引き継いで物語を紡ぐというのを前からやってみたかったのですが、9月に「王子~」を一区切りつけて書く余裕ができたので挑戦してみました。
    自分きっかけではなく他の方の作った導入部でスタートするので出来た話だと思います。

    最初のコンセプトはまさに後半の部分で、戦争体験者の戦争に現代の介護職員が巻き込まれるという部分を書こうと思っていました。世代が違うと出来事に対しての考え方、感じ方も当然違ってきます。最近櫻井翔が戦争経験者にインタビューした内容がちょっと物議を醸しましたが、その当時の考えやそれに従った行動を、後世の人間が後世の価値観で否定的に捉え体験者個人にぶつけるのは、何か違うと思うのです。今現在の私たちの行為や行動も4,50年先の価値観とは違っているかも知れませんし、それを理由にその頃になってから否定されるのは相当つらいのではないでしょうか。
    やはり個人としての歴史や経歴は尊重されるべきで、そこから私たちが得る気づきもあるのだと思います。

    なんて壮大なテーマで臨んだのですが、前半部分で介護ロボット端末を使用した夜勤の様子を描くのが夜勤あるあるを折り込むのが楽しくなりすぎて、ついつい長くなってしまったのです。
    なんかねー、気の合う人との夜勤はすごく円滑ですし、楽なんです。ここを書いている時は自分がこんなだったらいいなという妄想を入れ込み過ぎました。
    後で読み返したら、この部分がちょっと長すぎたかなというのを思いましたが、一度書いたものを削る作業が苦手なのでこんな感じになりましたです。

    自分で読み返すと、小濱先生に指摘されたように「書きたいことが多すぎ」て詰め込み過ぎ、テーマがぼやけているな、と感じています。
    それがnikata様の言われた「ジェットコースターに乗って~」に繋がっているのだとしたら、意図したものではなく怪我の功名ですね。えへ。

    すみません、あまり褒められると照れます。
    もう、なんか、読んでいただいて本当にありがとうございました。

    編集済
  • カクヨム公式「金の卵」おめでとうございます!

    野林様の「ナニカコ」企画でご一緒して以来、ログインしてふと公式レビュー通知を見たら見慣れたペンネームにあれ?これってもしかして?とビビりました。

    そして今、主催されている自主企画で二度ビビり……
    自分も昭和を知る者として、かなり遅めに趣味の執筆を始めたのでカクヨムでは古老かな?と思いましたが、実は先輩でしたのですね!
    大変失礼致しました、お疲れ様です!

    いやぁ、記録の目撃者になってしまいました。なんか嬉しいなぁ。
    とても敵わない偉業ではありますが、いい歳の作家として、自分も頑張りたいと思います。

    作者からの返信

    いやー、「人志松本の酒のツマミになる話」を見た後でカクヨムを開いたら、何かたっぷり書き込まれたレビューが付いてるな、と気づいたのですが、金の卵に取り上げられていたとは。
    「夜の戦争」は野林様のナニカコのおかげで出来た作品なので、野林様のところにもお礼を言いに行かないといけないなと思ってます。

    私は本当に邑楽 様をはじめナニカコに参加されている皆様のように短編を上手く書けない=話の構成が苦手ですし、しかも2か月も前に書いた作品ですからなんじゃこりゃあ、というのが感想です。

    でも、拙い作品でもそれなりに読んでいただけるというのは嬉しいことです。だいたい小説書き始めて一年も経っていませんから、邑楽 様より年齢は上だとしても、作家としてはビギナーでしかありませんのでm(_ _)m

    とはいえ共に同じ企画に参加させていただいた者として、邑楽 様のお気持ちはとても嬉しく思います。
    ありがとうございます。
    また企画でご一緒したいです。
    それまでには短編を書けるようになっておきたいと思います。


  • 編集済

    普段あまりSF、ファンタジーものを読まない私ですが引き込まれました。特に後編は緊迫感がありありで、読み終わった時には脱力感を覚えました。
    原田さんのキャラクターが効いていますね。私にとっては癒しでした。

    (追記)まさに桁くとん様のおっしゃるとおりです。原田さんの視点に救われました。「癒し」という言葉ではうまく伝わらないと思っていたのですが、私の言いたいことを汲んでくださりありがとうございます。

    作者からの返信

    ざっくりとした筋だけ考えてあとは書きながら考えてくのが私の執筆スタイルになってしまってますが、原田さんは本当に主人公の石川さんを支えてくれる頼れる人で助かりました。
    キャラクターの性格とかある程度は考えてはいるのですが、キャラクター同士の会話を書きながら「あれ、この人こんな部分があるなあ」と作者の私も気づかされたりしてます。
    原田さんは多分すごく状況が把握できて、その場に最もふさわしい自分を出せる人だと思います。けっこうちゃっかりしたところもありますが、基本的に人の心情を思いやれる人で、多分最終話もあえてああいった言動をして主人公の真面目な石川さんの気を楽にしてくれたのでしょう。癒しと評して下さって嬉しく思います。

    志木柚月様、最後まで読んでいただきありがとうございました。

  • まさか大沢さんの記憶に入りこんだということですね!
    介護やっていて、このおばあちゃんやおじいちゃんの若い頃どんなだったのか見てみたい思うことがあります。
    でも、それを知るすべはありません。とくに認知症の人なんて、認知症になるまえにどんな人間だったのか想像もなかなか出来ないものです。

    企画への参加誠にありがとうございました!

    作者からの返信

    大沢さんの記憶の中なのか、実際にタイムトリップしていたのか、その辺りははっきり決めてはいないのですが、とにかく不思議なことが起こった中、お年寄りの秘めた体験を知ることになるというコンセプトでしたが、途中の夜勤の様子を書くのが楽しくなってしまい長くなってしまいました。
    認知症の方にも、きっと色々ドラマチックな体験や経験があったのだろうと思うと、知ってみたいと思いますし、多分そう思うことができるのはいい介護職の条件だろうと思います。
    お年寄りに限らずですけど、多分世代間の常識や感覚ってかなり違っているので、若い世代には話せないことって多いと思うのです。
    私自身の若い頃も、まだ今ほど飲酒運転の罰則は厳しくなかったので、皆飲酒運転をしているのが当然で、職場の飲み会なども「飲酒運転はしないように」と上司が形式だけ言ってましたが、車でないと行けないところで行い、送迎バスとかも手配していなかったりでした。飲酒運転の取り締まりに当たってしまったら運が悪い、というような認識を皆持っていたと思います。
    多分今の若い人にそれを話したとしたら、時代が違うで済ませてくれるのか不安に感じるので話さないと思います。
    介護施設に入っているお年寄りも、そんな人に話せない体験をしているだろうし、そんな体験を今の私たちが垣間見てどう考えるか、という話を書いて見たくてこれを書きましたが、そこまで上手く書けているのかどうか。
    でも、野林様の企画に参加することで、一つ書いてみたいテーマに取り組むことができました。
    またタイミングが合ったら「ナニカコ」企画に参加させていただきたいと思っています。
    参加させていただきありがとうございました。

  • 凄く面白かったです。大沢さんの若き日の体験(戦争)の中に迷い込んだ「ひさちゃん」の大沢さんを全力で守ろうした行動、そしてその姿に大沢さんも「ひさちゃん」を守ってくれたようなそんな暖かいものを感じました。ニャル様のコメントの返信の中に思い付きでリアルタイム投下に近いとおっしゃていましたが『夜の戦争』のタイトルのような怖さは私は全く感じずなかなかの傑作と思いました。こういった内容の作品は私の好きな分野です。ありがとうございます😊

    作者からの返信

    最後までおつきあいいただいた上、☆もありがとうございます。
    楽しんでいただけたようで何よりです。
    太平洋戦争の一戦場に迷い込んだ現代の女性が、縁のある人を助けるために思い切った行動を取るためには「介護ロボット端末」のような、撃たれてもすぐに死に直結しない存在になっていないと難しいだろうと思ってこの形に落ち着きました。
    大沢さんのように、誰かを守るために軍隊に入り、結果何の成果もない上官の意地だけで命を散らした人というのも(結果的に生還した人というのも)居るだろうと思いまして、そこに対してのささやかな働きかけで気持ちが変わってくれるといいなーというつもりで書きました。
    多分今の私たちの価値観と若い大沢さんの価値観はかけ離れているので、「ひさちゃん」が大沢さんの行動を頭ごなしに非難してしまうと、大沢さんも拒絶してしまうと思うのです。「ひさちゃん」の石川さんが大沢さんの言葉に耳を傾けたことで大沢さんも歩み寄ろうとしてくれたというように書きたかったのですが、この美様はそこを上手く読み取ってくれたので嬉しいです。
    本当にお読みいただきありがとうございました。

  • 不思議だけど、心温まるような、ファンタジーでした。
    時間の入り組んだお話は好きなのですが、桁くとんさんの構成力の妙味で、とても面白いお話として楽しめました。

    作者からの返信

    ニャルさま様、お読みいただきありがとうございます。
    けっこう思い付きでリアルタイム投下に近かったので、構成褒めていただけるのは意外ですが嬉しいです。
    励みになります(^^)/