第55話 見果てぬ夢を見続ける者から


 実験は日付ひづけが変わるちょうどそのときに開始することになった。

 実験の内容は人工迷宮発生装置を起動させ、アルフレッドが実験室にこもり、定期的に魔法が使えるかどうかをためし、迷宮化を確かめるという手順である。

 実験は朝になるまで徹夜てつやで行われる。

 準備が一段落ひとだんらくして、食事をえた面々は実験開始の時刻じこくまで思い思いにごしていた。

 マラカイト博士は一階の部屋で仮眠中かみんちゅうで、リサも二階の自室じしつに戻っている。

 アルフレッドはラトとコミュニケーションを取ろうとこころみていたが、二つのタイプのことなる個性が衝突事故しょうとつじこを起こし、早々そうそう離脱りだつしてしまった。

 アルフレッドが行ってしまうと、ラトは退屈たいくつそうな顔つきで、ひどく残念そうな声で言った。


「マラカイト博士の研究に協力しようだなんて見込みこみのある冒険者だと思ったのに、解剖学かいぼうがくさわりの部分を話しただけでどこかに行っちゃうだなんて、案外、気骨きこつのない奴だ。ねえ、君もそう思うだろう? クリフくん?」

「ああ、何も聞こえないけど、本当にその通りだな。すまないが馬との交尾こうびこころみて死んだ男の話が終わったら教えてくれるか」

「今は毒蛇風呂どくじゃぶろに入れられた死刑囚しけいしゅうの話をしているところだよ」


 ラトはクリフの耳から耳栓みみせんを取りのぞき、不満ふまんげな表情を浮かべる。

 真夜中にひまあましては太鼓たいこを叩くラトと付き合っていく上で一番大切な物は、耳栓みみせんである。これをいついかなる時も離さず、予備よびも用意しておく。それが流血沙汰りゅうけつざたふせぐことができるかどうかの分かれ目になると言っても過言かごんではない。


「人の話を聞く時に耳栓なんて、失礼だよクリフくん」

「お前の食後の会話のテーマ選びがくるってるからだろ」

「いいこと思いついた。今度やったら、クリフくんとジュリアンが恋人どうしだってデマを君の目の前で披露ひろうすることにしようっと」

「やってもいいが、お前かジュリアンのどちらか片方は死なないといけなくなるってことを忘れないでおけよ」

「きみ、ちょっと、アンダリュサイトに戻ってない?」

「そんなことより、こんなところであぶらを売っていていいのか」

「そんなもの僕が売るほど持っているわけないだろ。アルフレッドなら持ってるんじゃない? 髪油かみあぶらとかそういうの……」


 クリフはため息を吐いた。


「そういう意味じゃない。探偵騎士団の挑戦状のことだ。さっさと霊廟れいびょうで起きた事件の犯人をつかまえないと、騎士団に文句もんくのひとつも言いに行けやしないってのに、マラカイト博士の実験に付き合っているヒマはあるのかってことだ」

「ああ……そのことか…………」

「霊廟は目と鼻の先なのに、今回はお前さん、ろくに調べもしてないじゃないか」

「霊廟を調べることはできないんだ。僕が直接行っても門前払もんぜんばらいを食らうだけさ」

「え? どうして」


 ラトはふところから赤い封筒ふうとうを抜き出した。

 封筒の中にはやはり赤い便箋びんせんが何枚か入っている。

 ランプの下にかざすと、絵が描かれているのが見えた。絵画ではない。

 事件が起きた霊廟を精密せいみつに描き起こしたものだった。

 下敷きになって死んでいる男のスケッチもある。

 スケッチはかなり詳細しょうさいで、くずれ落ちた石材せきざいの様子もあらゆる角度から克明こくめいに記されていた。

 霊廟が元々はどんな姿をしていたか、崩れ落ちる前の姿も描かれている。

 それによると、マラカイト博士が建てた霊廟は両開きの石扉せっぴとアーチ状の屋根やねを持つかなり立派りっぱなものだったことがわかる。

 大きさの割に装飾そうしょくは最低限で簡素かんそなものだが、扉の上には《偉大な科学者、ここに眠る。しかし科学は永遠に生きる》という彫刻ちょうこくがあった。実に博士らしい意匠いしょうだ。


「ここに書かれているのは探偵騎士団が事前に調査した霊廟の様子だ。ほかにも霊廟にどんな石材せきざいが使われたか、その種類や大きさ、量まで詳細に記録されている。書かれているのはそれだけだけど、騎士団は現場からどんな化学物質かがくぶっしつが発見されたか、どんな植物がえていたか、虫や小動物がいたかどうかにいたるまで、あらゆることを調査済みだ。証拠品もあらかた回収していることだろうね」

「なんでそんなことを……?」

「これは推理すいりゲームだからだよ。探偵騎士団は僕がかぎられた情報から真相に辿たどりつけられるかどうかをためしているんだ。霊廟に近衛兵このえへい配置はいちしたのは、僕をよけいな情報から遠ざけるためだよ。もしもここに書かれていない情報がしければ、武力で近衛兵を倒すしかないんだ」


 それを聞き、クリフは何とも言えない気持ちになった。

 霊廟に近衛兵を派遣はけんして監視かんしを続けさせているというのは、てっきり犯人が近づいて証拠隠滅しょうこいんめつをしようとするのをふせぐためだとか、危険な箇所かしょに一般人が入らないようにするための措置そちだと考えていたからだ。

 しかしラトが言うことが真実ならば、それはまったくの思い違いというものだった。

 彼らがそうしたのは、あくまでもラトへの挑戦のためだ。そこに他者への思いやりや配慮などというものは一切なかったのだ。


「人が死んでるっていうのに……推理ゲーム……? 不謹慎ふきんしんすぎる。人の命をなんだと思ってるんだ」

「これくらいでおどろくことはないよ、クリフくん。探偵騎士団は昔からずっと、こんなふうに実際に起きた事件を利用して、僕の推理術すいりじゅつきたえようとしてきたんだからね」

「おいおい、これが初めてじゃないのか?」

「もちろんだとも。他にもいろんなことをさせられたよ。僕がもっと小さいときなんか、突然、暴漢ぼうかんおそわれて、麻袋あさぶくろをかぶせられて馬車に乗せられたことがあったっけね。犯人に誘拐ゆうかいされても監禁場所かんきんばしょからちゃんと脱出できるかどうかを試すゲームだったんだけど、さすがにビックリしたな。本当に誘拐されたのかと思ったよ」

「小さいときって……、それ、いくつくらいのときだ?」

「六歳と一ヶ月だ」

「まだほんの子供じゃないか」

「それが名探偵になるために必要な訓練くんれんなんだもの、仕方がないよ」

「パパ卿は何も言わなかったのか?」

「探偵騎士団にはだれもさからえないよ。名探偵を育成いくせいすることは、王家を守ることにもつながるわけだしね」


 ラトはさも当然だと言わんばかりの口ぶりだ。

 クリフは言葉を失った。ラトと共に過ごした期間、唖然あぜんとしたまま口がふさがらないなんてことは幾度いくどとなくあったが、これはそのさいたるものだった。

 ラトは普通の人間にはない知識を持っている。

 暗号の知識、他人の筆跡ひっせき真似まねする知識、ありとあらゆる犯罪の知識、医学と死体にまつわる知識だ。

 それらをいったいいつ、どうやって覚えたのかと考えると、ぞっとする。


「クリフくんは何歳くらいで剣のにぎり方を覚えたの?」


 クリフは今度こそ本当に黙り込んだ。

 かすかな明かりの向こうからクリフをのぞきこむラトの瞳はあくまでも無邪気むじゃき無垢むくなものだ。

 クリフが何かを言おうとしたそのとき、二階で物音がした。

 かすかな声ではあったが女性の悲鳴ひめいが聞こえた。


「やめてください……!」


 リサの声だった。

 すぐさまクリフは階段のほうへと向かう。

 なるべく足音を殺して二階をのぞくと、そこには思いがけない光景こうけいがあった。

 暗がりの中で小声で話しながら男女がもみ合っている。

 片方はリサ、もう片方はアルフレッドである。


「まあそう嫌がるなって。仕事がはじまるまで、部屋でゆっくりしようってさそってるだけじゃないか。そっちのほうが、あんなじいさんの世話をするより、あんたも楽しめるってもんだろう?」

「は、離してください……!」

「いいじゃないか、お互い知らない仲じゃないんだからさ」


 クリフは予備よびの耳栓をしてうしろのラトに合図あいずを送る。

 階段の下から現れたラトはなべとフライパンを両手に持っていた。

 そしてクリフの合図を受けて両者をはげしく打ちらしてみせた。

 がーーーーん! と、鍋とフライパンの熱い逢瀬おうせが発する激しい音響が、夜の静寂しじまを打ち破った。


「だれだっ!」


 アルフレッドが廊下を振り返ると、そこには階段の前で仁王立におうだちになり、鍋とフライパンを情熱的に打ち鳴らしているラトの姿があった。


「ばかやろう! 夜中だぞ!」

「え? なに? ぜんぜん聞こえないよ《閃光せんこう》のアルフレッドくん!!」

近所迷惑きんじょめいわくだって言ってるんだ!」

「閃光の由来ゆらいって夜も光の速さだからなのかい!?」

「こっちは聞こえてるんだよ!!」


 一瞬でいかりが絶頂ぜっちょうたっしたらしい。

 アルフレッドが剣に手を伸ばした瞬間のことだった。

 いきおいよくアルフレッドの体が浮き上がり、何が起きたのかもわからぬうちに、その背中が廊下の壁に叩きつけられた。

 ラトに気を取られているうちに死角から近づいたクリフが、き手を押さえつけたのだ。


「くっ。貴様きさま……!」


 逆の手でレガリアに触れようとした瞬間、アルフレッドはクリフに投げ飛ばされて宙を舞うはめになった。

 そして地面に叩きつけられたときにはすでに上体を押さえ込まれ、後ろから首筋にナイフを突きつけられる格好かっこうになっていた。

 たとえどんなに強力なレガリアを持っていたとしても、機先きせんを制することができれば恐ろしくはないといういい見本であった。


「レガリアに少しでもれたら、どうなるかわかってるだろうな」

「やめろ! 俺がいなくなったら実験は続けられないぞ!」


 アルフレッドは命恋いのちこいしさに叫ぶ。

 クリフとしては、こういうクズがどうなろうと、そしてわけのわからない科学の実験がどうなろうと知ったことではない。

 が、しかし。その言葉に顔を青くしたのはリサだった。


「アルフレッド様の言う通りです。どうか離してあげてください……」


 リサが言うならば、離すしかない。

 クリフはアルフレッドを押さえつけている腕の力を抜いてやった。

 ラトはその間もずっと鍋とフライパンを叩き続けている。

 流石の騒音そうおんに、マラカイト博士も気がついたのだろう。


「うるさーーーーーーーーい! おまえたち、実験の時間じゃぞ!」


 階下から、フライパンと鍋の協奏曲きょうそうきょくよりも大きな怒声どせいが聞こえてきた。





 アルフレッドはクリフをめいっぱいにくしみのこもった目つきでにらみつけてから実験室に入っていった。

 覚えていろよ、とでも言わんばかりだった。

 実験の最中は石扉せっぴは閉じられているし、外から厳重に鍵とかんぬきがかけられるため、騒ぎの続きは嫌でも保留ほりゅうになる。

 夜が明けて実験が終わった後、どうなるかは誰にもわからなかった。


「出てきたあとにまたひと悶着もんちゃくありそうだな……」


 げんなりとした様子のクリフに、ラトはくちびるとがらせて言う。


「君さ、イエルクの教えは使わないようにするって言ってなかったっけ?」

「人助けのためなんだから仕方ないだろ」


 そうは言ったものの助けられたかどうかは微妙なところである。

 調子に乗った同業者を力で痛めつけるのは簡単だが、逆恨さかうらみをされたら、迷惑めいわくをこうむるのはむしろリサのほうかもしれないのだ。

 実験がはじまったあと、マラカイト博士は再び自分の部屋に戻った。

 博士の世話を終えたリサが寝室から出てくると、クリフは声をかけた。


「リサ、少し話せるか?」


 彼女は強張こわばった顔つきのままふたりのいる居間にやってくる。

 そしてし目がちのまま、クリフに軽く頭を下げた。


「先ほどは、助けていただいたのに失礼な態度たいどを取って申し訳ありませんでした」

「俺のほうこそ考えもなしにでしゃばってすまなかった。だが、もしもあのアルフレッドとかいう奴に迷惑めいわくしてるなら、助けになるぞ」

「ご心配おかけしてすみません。ですが、私とアルフレッド様の関係は、お二人が思うようなものではありません。さっきは暗闇の中でいきなり声をかけられて驚いてしまいましたが……」


 リサはそう言って黙り込む。

 彼女は両手を強くにぎりしめている。

 せた手のひらはかすかにふるえていた。

 そこには確かに強い感情があるのに、表情にだけは浮かべないよう、必死にえているようだった。

 ラトは赤い手紙から顔を上げて、そんなリサを見あげた。


合意ごういの上ということかな? とても、そんなふうには見えなかったけどね」

「博士のためなのです」


 リサは意をけっしたように告白した。


「博士はこの実験のために私財しざいをすべて処分なさいました。霊廟を建てたのは、これが最後の実験だと覚悟かくごなさったからです。しかし、実験に協力してくれる魔法使いの方をやとうには……あと少しだけ資金がりず……私はそのことを博士には伝えませんでした……」


 その後の言葉は続かなかった。

 リサが足りない資金をどうしたのかは、アルフレッドの不躾ぶしつけな態度を思えば想像にかたくない。


「マラカイト博士には黙っていてくださいませ。すべては実験をとどこおりなく行うためなのですから」

「どうして、そこまでして博士に協力しているんだい?」

「私は王都の近くの村で育ちました。そして、十四歳になった春に夫のもとへ嫁ぎとつました」


 十四歳での結婚というとかなり若いように思えるが、農民であればおそすぎるくらいだろう。

 貴族の子女しじょであっても、それくらいの年齢であれば婚約者こんやくしゃがいておかしくない年頃だ。


「でも、夫婦ふうふの間には何年も子供ができず、私は女中奉公じょちゅうぼうこうに出されてしまったのです」


 とつぎ先から追い出されたリサを待っていたのは、王都のはなやかな暮らしではなかった。

 奉公先ほうこうさきでもリサは受け入れられることがなかった。

 生まれてからずっと畑をたがやして暮らしてきたリサは字が読めず、書けず、計算もできない。

 田舎育ちで教養きょうようがないことをからかわれ、いじめられる日々が続いたのだ。


「そしてとうとう奉公先を追い出され、路頭ろとうに迷っていたところを博士にすくわれたのです。博士は私に字の読み書きや、様々な科学のことを教えてくださいました。そして科学の力があれば私のような女でも世間様せけんさまのお役に立てると言ってくれたのです」


 誰にでもへだてなく与えられる科学の力は、子供もめず、字も読めないと馬鹿にされてきたリサにとっては救いそのものであった。

 彼女は博士のもとで科学を学び、やがてマラカイト博士のことを心から尊敬するようになった。


「博士にとってはこれが最後の、一世一代いっせいちだいの実験なのです。これが成功するなら、私なんかどうなってもいいのです。ラト様、クリフ様。どうか何も言わずに見守っていてください」


 リサはそう言って目じりになみだを浮かべていた。

 クリフはなんと答えていいやらわからない。

 会釈えしゃくをして自室に帰りかけた彼女の背中に、ラトは声をかけた。


「リサ、今度の実験は成功すると思うかい?」


 リサは少し考える素振そぶりを見せた。

 それから、ラトに背中を向けたまま答えた。


「……はい、もちろんです。実験はかならず成功します」


 そう言うと足早あしばやに二階へと上がっていく。

 そのままクリフとラトは居間で過ごした。

 けっ放しにした窓からは、庭をはさんで離れが見える。

 実験がどうなっているかが気になるところだが、朝になり扉を開けてみるまでは、誰にも結果がわからないのがもどかしかった。

 室内はつめたい空気にたされている。

 王都の夜はえ込むと博士が言っていた通りだった。

 北方領ほっぽうりょうほどではないとはいえ、地面からなんともいえない冷気れいきが立ちのぼってくる。

 それというのも、建材けんざいに使われている白大理石しろだいりせきのせいだった。

 王都ロンズデールはオルロフ2世の時代から景観けいかんを美しくととのええるために白大理石を用いることが多くあった。みやこの外れにある襤褸屋ぼろやといってもそれは例外でなく、よくみると床や壁材かべざいの一部は大理石である。

 大理石は見た目は美しいのだが、熱や冷気をつたえやすいため、夏はあつく、冬場ふゆばはかなり冷え込む。クリフが育った南方なんぽうではまず見かけない石材だ。

 しかも離れには暖炉だんろが用意されていたが、母屋おもやのほうは節約せつやくのためろくな暖房がないのだった。

 この実験が成功するまではと、リサと博士がえ抜いて暮らしてきた結果だと思うと、なんだか切ないものがあった。

 ラトは毛布もうふを体に巻き付けて、この過酷かこくな環境でも赤い手紙にかかりきりになっていた。


「何か情報はあったか? ラト」

「さあ……とくにぼしいものはないね。しいて言うなら、現場から多量のけたろうが発見されている。それが事件の特徴とくちょうといえば特徴かな」

「そりゃ、蝋燭ろうそくの蝋だろう」

「そんなことはわかっているよ。でも、燭台しょくだいの数に対して、やけに蝋燭が多いような気がするんだ」

「暗い墓場はかば気味きみが悪いから、明るいほうがよかったんだろう」

「まだマラカイト博士は死んでいないよ? それに、死体は明るくても暗くても気にしないと思うけど」


 眠りこまないように気をつけながら、実験室の様子を見守る。

 あまり興味のない実験ではあるが、博士の偉大な実験が成功するかどうかといったこと以上に、その成功を心から願っているリサのことがあんぜられた。

 じきに離れの煙突えんとつからけむりが立ち上りはじめるのが見えた。

 アルフレッドが暖炉だんろに火を入れたのだろう。

 無理もない。野宿には慣れているクリフですらきびしい冷え込み具合ぐあいだ。母屋と違い、建物全体が大理石でできている石蔵いしぐらの内部は、相当そうとうの冷え込みになっているに違いない。


「あの石蔵いしぐらで暖炉を使っても、毒ガスが入ったタンクに引火いんかしないんだろうか」


 ラトも実験が気になるのだろう。

 クリフの何気ないつぶやきに応じて、視線を庭のほうに向ける。


「そのあたりはマラカイト博士も気をつかってらっしゃるだろう。大理石がいかに熱伝導効率ねつでんどうこうりつのいい石材だとはいえ、屋外おくがいにあるタンクが爆発するほど熱くなるようなら中の人間も焼け死んでしまうよ」

「なるほど。言われてみればそうだな」

「可能性があるとしたら、タンクの中身がれていた場合だろうね」


 それから一時間くらいした頃だろうか。


 実験が行われている石蔵は端微塵ぱみじんに爆発した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る