第51話 ペリドット卿が言うことには
いつもの通りに『愛する息子へ』から始まるジェイネル・ペリドット
アンダリュサイト砦でラト・クリスタルの求めに
そして探偵騎士団はその報告を受けて《赤い手紙》をラトに送ることに決定した、とも書いてある。手紙の
残念ながらその希望は
ペリドット卿の手紙がどのように届けられたかは不明だが、その手紙は途中で《赤い手紙》を届けた何者かの手に
赤い手紙を
「何なんだ、赤い手紙ってのは」
「
「何を言っているのか
クリフが
「
「なんで聞いたことも見たこともない、
ラト・クリスタルの説明によると、王家に
しかし他ならぬラトの父親、ジェイネル・ペリドットこそが
「と、いうことは、ラト、お前もそのなんちゃら騎士なのか?」
「探偵騎士。もちろん僕もパパ卿を通じて
「なんでだよ。わけがわからない集団ではあるが王家からの
「だって、探偵騎士になったら、
そういえば、そういう話もあったな、とクリフは思い出す。
嘘か
でも、そうすると、クリフには
「……ということは、お前は
「うん、そういうことになる」
「じゃあ、探偵の資格があろうがなかろうが、騎士団にはみじんも関係ない話じゃないか。なんでそんな
「それは…………って…………から…………」
ラト・クリスタルは小さな声でボソボソ何かをつぶやくと、クリフから目を
ラトがこういう反応を見せたときには、ろくでもない答えが待ち受けているものと
「どうせ後でバレてめちゃくちゃ怒られるようなことは先に言っとくもんだぞ」
「…………言ってないから」
「あ?」
「王様に、探偵騎士にはなりませんって言わないで出てきちゃったから」
このときばかりは、ラトはまるで花も
クリフは怒るでもなく、
「ばっ……ばっかじゃねえの……?」
「だって、王の
「まあ、パパ卿の立場からすると、お前が他の職業に
「うーん、パパ卿がうまくみんなを言いくるめてくれると思ったんだけど、この分だと
そのあっけらかんとした物言いに、何かしら言い返したくなったクリフだが、しばらく思考した
「そうか、まあ、お前にもいろいろあるんだな。大変だ。それじゃ、今日のところはそういうことで……」
「クリフ君、王都へは君も行くんだよ」
「なんでだよ。いま話を切り上げようとしてただろ!」
「いま
「は?」
「《赤い手紙》は、予告状を
「はあ!?」
「《赤い手紙》は僕と君の
ラトから渡された
そこには確かにクリフの名前が
《
ラト・クリスタルに探偵たる勇気はあるか?
その相棒、クリフ・アンダリュサイトに正義はあるか?
この
円卓に
探偵騎士団 団長 アルタモント・オブシディアン》
「アルタモント・オブシディアン……? 聞いたことあるな」
「聞き覚えがあるのは
「そんな奴が、俺たちに暗殺者を送り込んできたってことか!?」
「落ち着いて。探偵騎士団は
「どっちみち
「探偵騎士団が動くということは王家が動くということと同じだよクリフ君。そして彼らに
クリフは、そばに
ラトが
やっかいな
「どこにいるかは知らないが、僕らの話を聞いているだろう、侵入者くん。僕とクリフ君はオブシディアン卿の
ラトが呼びかけるが、当然のことながら返事はない。
「……本当に暗殺者がひそんでいるんだよな? 俺の名前を後から手紙につけ
クリフが
「僕ってそんなに
「それでしたら、カーネリアン家と
「ありがとう」
「ラト様、クリフ様、
モーリスは
クリフはいったん自室に帰り、
もともと迷宮にいつでも
しかし、彼はそこで二の足を
王都へ行くのが
クリフには、王都に行かなければいけないちょっとした用事があった。
クリフは
ろくなものは入っていないが、底のほうに軽い
クリフはそれを大切そうに持ち上げると荷物に
通りに出てしばらく行くと、二人の前に黒猫が現れた。
猫は金色の
そして
その人物は
「ほらね」とラトが言った。
わざわざ
*
王都から地方に出る
ラトも
それですべてが
結局、ラトとクリフが王都までのその
予定の倍以上かかって、二人は命からがら王都に
いや、
街の名はロンズデール。
ロンズデーライト王国の中心に
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